新横浜フェスタ、土曜日15時のキックオフ、温かな晴天。好条件が揃ったいたからこそ、対清水の観客数には驚いた。
19,310名。
7万2千人余りを収容する日産スタジアムにおいて、1万人台はもう見た目が良くない。簡単に言うと3席に2席は空いている状況なわけで、悲しく、悔しい。
今季は、仙台戦、鳥栖戦そして、今回と日産での1万人台は3度目になる。
13年は3節・磐田戦の1試合、12年は2節・仙台戦(雨、気温6度)の1試合のみなのに、である。
昨年ホーム最終戦の新潟戦、優勝がかかった一戦に、集まったのは62,632名。わずか1年弱で人気バブルは弾けてしまったのか。年間平均で
2012年 22,946名から
2013年 27,496名と急伸したのに、
2014年は清水戦までで、21,220名と急落。平常に戻ったと言い逃れることもできそうだが、入場料を収入の一つの柱とするJリーグクラブとしては優勝争いから一枚皮をめくれば、客が減っていましたというのはツライ。
積み重ねてきたホームタウン活動や、試合日の様々なイベントも、全ては勝敗を超えた存在になるための施策だったのだ。
嘉悦社長に以前お話を伺った時、「テーマが試合だけだと、わずか90分の試合に負けてしまえば、なんだよつまらなかったな、となってしまう。ただし遊園地のように遊べれば、試合には負けちゃったけど楽しかったな、また来よう、となる。アトラクションの設置は、それを狙っている」
我が家のシュンスケは、マリノスケのアトラクションや、ちびっ子にもシュートさせてくれるコーナーが大好きだ。グルメの選択肢も、先週の新横浜フェスタのように充実しているとさらに楽しいものだ。
ただし、あくまでもサッカー観戦を目的としたり、マリノスに好意を抱いたりしている人を、さらに抱え込むには効果がありそうだが、わざわざトランポリンのアトラクションを利用することが一番の目的で日産スタジアムを訪れる人など、まずいないはずだ。新規の掘り起こしには、やはりサッカーを見て、ワクワクするかどうかに一番のポイントがある。
まずは内容。アミューズメント、レジャーとしては極端に言えば、負けても面白いサッカーというのも定義上は成り立つ。
ただ、楽しい、または美しいサッカーである上に、勝利が重なれば、中毒性、魅力性は極限まで高まるものだ。
世界的にも、この両方を兼ね備えたサッカーは極めて稀であるのだが。
今のマリノスは得点をあげることがままならない。前提として、サッカーの魅力の何割かをすでに失っている。
人々がドキドキするのは意外にも、ド派手な一発芸よりも、着実にでもゴールの瞬間が近づいている、そのプロセスだったりする。
チャンスの時間帯が続き、時にはあと一歩というシュートも飛び出し、「ゴールの予感」が観客席を覆い始めるあの感じ。
その後、5分ほど多少焦らされた上で、本当にゴールが決まれば。実は観客はゴールの瞬間以上に、期待の高まりをずっと肴に楽しむことができるのだ。
崩そうとして、崩す。さらに決めるべき人が決める。
去年できていた普通のことが今はできていないのだから、観客が減るのも当然だ。優勝争いをしてないから、減った単純な事実も否定しないが、期待の高まりという大事なプロセスを失ったことのほうが大きい、と私は考えている。
まだ改革半ばだが、清水戦で伊藤翔の役割を限定して、2列目の選手が飛び出す、飛び込む、スタイルには久々に期待を感じた。
中村俊輔という希代のタレント、パサーがいるのだ。攻撃の再構築さえ進めば、勝ち点が上がるだけでなく、観客も帰ってくる。そう断言したい。
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