【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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よくある一見さんのマリノス初体験が、意外にも楽しく

5歳の息子、シュンスケの幼稚園の同級生であり、同じサッカークラブに通う親友一家4人。初めてのマリノス戦に誘うことに成功した。5月30日、19時キックオフの横浜F・マリノスガンバ大阪

折角、来てくれた人が楽しんでほしい。一家で数千円と、休日の数時間を費やした価値があったと思ってほしい。

日産スタジアムは臨場感が足りなくて子供たちが退屈する、だからニッパツ三ツ沢の試合に誘った方がいいのではないか。

塩試合を見せるわけにはいかないから、ある程度ボコスカ攻められる試合がいいのではないか。

いや、そんなことはない。代表クラスがいるガンバ戦なら楽しめるのではないか。

そもそも、ナイトゲームで良いのか、子供たちが眠くなったらかわいそうだ。

そこには私たちなりの気遣いと、恐れがあった。もう行きたくない、と思われたくない。できれば、リピーターになってもらい、息子の親友家族と一緒にマリノスを応援できたらどんなに楽しいかというささやかな願望があった。

果たして、様々な心配は杞憂であり、私には予想も出来なかった反応が待っていたのである。

お父さん、お母さんと、7歳の女の子と、5歳の男の子。父は、それなりにサッカーに詳しく、久しぶりにJリーグを見るのだからと、順位や選手を予習してくるような真面目な人。

「今、伊藤翔がワントップで頑張っているんですね。」

私「宇佐美目当てかと思いきや、なかなか渋いところ知ってますね!」

「静岡出身なので、清水や磐田のことはちょっと気になるんです。伊藤もジュビロでしたよね」

私「…清水です」

ま、このパパさんなら、よほどのヒドイ試合でなければ、つまらんとは言わないだろう。

男の子は、ウチの息子と遊んでれば楽しいはず。一家みんなが楽しむのに、やはりポイントとなるのはお母さんと娘だった。

もちろん、もてなしの心で、試合前にトリコロールランドでアトラクションを体験させたり、キックターゲットにも率先して引率した。

スタジアムに入れば、ウォーミングアップ前の選手挨拶が見やすい場所へ連れて行き、かき氷のシロップかけ放題をさせ、ガチャガチャもやり…。

席の場所も考えた。N15ゲート付近で、うるさすぎず、静かすぎずの環境。後方すぎると見えないし、前すぎるとピッチとほぼ同じ高さになってしまい、よく分からない。

いや、厳密にはサッカーをゴール裏で見慣れないと、脳内で横からの視点に変換するのは難しいのだが、応援も楽しめる、サッカーもピッチが遠いとは言え、比較的見やすい、そんな場所を取らせてもらった。(ぴょんさん、いつも本当にお世話になります)

そしてウォームアップとともに、スタメンの一人一人のチャントが始まる。古巣ガンバ戦のため、最初は下平匠の唄。しかも何度も繰り返される。男の子は無反応だが、上の女の子は一生懸命歌い始める。直前にもらったフリーペーパー「hamatra」の、フリガナ付き歌詞カードがものすごい効力を発揮したのだ。

今、どの曲を歌っているのか、お父さんに都度確認する女の子。お父さんやお母さんも、たまに息子くんも手拍子したり、オイ!オイ!と声を出すようになる。

アデミウソンのPK先制でハイタッチを交わし、決定機を逃すと頭を抱え、応援のリズムは、こちらを見て、見よう見まね。自身に驚くオマケまでつき、さあ勝利のトリパラの舞いを見よ!と思ったら、まさかの同点劇。だ、ダメだよ…、マリノス

あーあ、試合結果に落ち込んでいると、一家の反応は予想とはだいぶ違った。

「お祭りみたいで楽しい」とは、ビール片手のお母さん。「齋藤学のドリブルはすごいですね。パトリックの迫力もすごかったです」と試合の感想を言うのはお父さん。

男の子の方は、広い日産スタジアム周辺を走り回ったり、大声を出してOKという環境が楽しかったらしい。

さらに女の子はというと、「私がもう少し歌を覚えて応援してればパトリックに決められなかったのに! 次までにちゃんと覚えて、勝ちたいね」

一家四人の感想は次、いつ行けるかな?だったというから、なんという、こちらの予想を上回る模範解答。

子供達は帰りの車中に、疲れ果てて眠るどころか、興奮冷めやらぬ感じだったとか。

要するに言いたいことは、潜在顧客は想像以上に多いということ。非日常の空間、お祭り、喧騒、おかしな一体感は、大人であっても、惹きつける力を持っている。子供であればさらに純粋に楽しんでくれる可能性がある。

観戦した試合でいつも負けているようでは困るが、それでも勝敗にこだわっているのはむしろコアなサポーターだけで、一見さんにとっては大して重要なことではない。

大切なのは最初のきっかけを誰が作るかということと、その初体験を楽しめるかということで、そのためのサポートもまたあった方がいい。ディズニーランドに慣れた人がいれば、効率的にアトラクションに乗れて同じ時間なのに濃密さが違う。

わざわざこのブログを読みに来てくださっている方の多くは、好きなチームのホームスタジアムならナビが出来るはず。

勇気を持って誘うことと、誘ったら全力で楽しませること。身近な人がマリノスを好きになってくれたら、もっと楽しい。

お父さん「次は俊輔が出てる時に行きたいなあ。大怪我なんですか?」

「大丈夫、もうすぐですよ。次の鹿島戦、行きましょうよ」

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