【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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闘争心が奇跡を呼び込み、いよいよクライマックスへ【ACL】第5節・全北現代戦(日産ス) 2-1

わずか2分、齋藤学の2得点によってマリノスは敗退の危機から脱し、逆転進出への夢を膨らませた。

1点目はトンデモナイシュート。ドゥトラスローインをダイレクトに右足アウトサイドで蹴り上げる。明後日の方向に行くかと思われたボールは緩めの弧を描いて、クロスバーをたたきそのままゴールラインを越えた。相手キーパーが後半に受けた最初のシュート。中澤佑二に言わせれば「年に一度あるかないかのレベル」のシュートが決まって、ようやくマリノスに勢いが出る。

逆転を狙え! 樋口監督の形相に生気が戻るとともに再び攻撃に転じる。その直後、全北があんなイージーなクリアミスを犯すとは、それまでの力量差を考えればよもや想像もつかなかった。学がスピードに乗ってそのボールをかっさらい、GKと1対1。正しくは、初めての得点機、「決めてくれ!」 マリノスの願いがこもったシュートは、冷静にネットを揺らす。逆転。

それにしてもよく勝った。俊輔も言うように前半の相手チームを見たら、とても勝てるような相手ではなかった。何しろ前半の10分は失点したことも含め、相手のPA付近にボールを運ぶことすらできなかったのだ。ハーフコートゲーム以下。だが後半に全北が落ち、マリノスにようやくリズムが生まれて、なんとか中盤のボール争いが五分五分まで回復しただろうか。特に前半は、1トップの伊藤翔への縦のボールが全然おさまらない。攻撃のスイッチが入れられないのだ。だんだん横パス、バックパスがまた増える。

だからこそ、練習でも好気配を見せていた藤田祥史がハーフタイムに投入された意味は大きかった。一言で言えば体を張った闘争心。ボールを軽くはたき、味方の上がりを促す。プレスが分散した伊藤の動きも良くなった。ほぼ出場機会がなかったために元気いっぱいというのもあるが、試合勘もない中でよく気持ちを出して戦ったと思う。終盤にも敵陣深くまでボールを追いかけて奪い、チャンスを作るなど守備面での貢献もあり、自身の価値を改めて示した。

試合勘という点では約2ヶ月ぶりの実戦となったドゥトラの活躍も見逃せない。ゼロックス杯で広島のミキッチに完敗し、そこから負傷とコンディション不良で、ようやくこの日が彼の開幕だったと言っていい。7番に突破を許したし、クロスも多く上げられた。ドゥトラ復活!と手放しで喜ぶのはまだ早い。だが学のミラクルゴールにつながるスローインだけでなく攻撃面での貢献は大きかった。相変わらずの戦術眼というのか、どうせ裏を取られるならと思い切ってポジションを上げるなどやはりこの人が左サイドにいると落ち着くのだ。一緒にプレーする選手もそうなのではないか。

マリノスのゲームだった、とは言えない。前半を見るとむしろ不安にすらなる。だがチームの流れなんて、意外と単純なものかもしれない。あの学のヤケクソのようなゴールが決まることで、外れてたシュートが急に決まるようになることだって。それくらい今日の勝利は大きい。またリーグ戦も2トップが適切かと思うのだけれど、戦術で可能性が見えた収穫も大きい。

さて、メルボルンが広州を降した。4チームが勝ち点7で並ぶ展開になった。結末は、来週火曜日(22日)の最終節へ。得失点差の関係で、マリノス広州恒大に勝たなくてはグループ突破はない。引き分け、または敗戦ならもう一試合の結果に関わらず、敗退が決まる分かりやすい状況だ。

広州はなんと連敗で足踏み。ここまでホームでは2戦とも勝利しているのだが、マリノスにつけいる隙はあるだろうか。広州がここまでもたつくのは事前の予想ではなかった。彼ら自身も敗れたら終わりという、ガチもガチの真剣勝負。誠にすごい状況になってきた。

第5節終了時の順位表

1広州 勝点7 得失1

2全北 7 1

3メル 7 0

4横浜 7 -2

次戦はアウェイの柏戦。この勢いであれば、なんとか勝利を掴めるかもしれない、苦手中の苦手な相手だ。

スタメン選びも、来週の広州遠征のメンバー選びも大いに注目される。ここからだ、総力をあげて戦おう。

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※珍しく今日から中国に出張します。広州ではないのが非常に残念。その間、更新できないかもしれませんが、ご容赦ください