【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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決戦の勝者の名は横浜F・マリノス。もう止まらない!〜第29節・広島戦(日産ス)1-0

日産スタジアムは、薄曇り、気温16℃。肌寒く、うす暗い雰囲気と、今季最大のワクワク・ドキドキ感がマッチしていないのだけれど、雰囲気は最高。

試合展開は今さら多くを語る必要はないだろう。立ち上がりの3分に、広島のスローインの際に一瞬の隙をつかれ広島、石原に決定機。これを榎本哲也がどうにか防ぐ。よく防いだ。入っていても仕方なかった。だが入ってたら、多分敗れていた。それくらい大きなプレーだった。

マリノスの最初の決定機は、俊輔の遠目からのフリーキックを合わせた中澤のヘディングだったが、惜しくも枠外に。また、俊輔のエリア外からの狙いすましたミドルシュートは西川のファインセーブに防がれてしまう。

広島の攻撃は1トップ2シャドーの動きが巧みでいやらしい。スピード勝負を挑まれると分が悪いのだが、ミキッチ対応を任された奈良輪が必死に戻るなど決定的な仕事をさせない。

ちなみに奈良輪はヒーローインタビューのコメントもプレー同様に潔く、素晴らしかった。一つのタスクにのみ集中し、例えば攻撃参加はさておいても、左サイドを攻める縦パスをことごとく封じた。ミキッチが途中で交代したことにも気づかないほどに目の前の仕事に没頭していたという。スゴイ。10/5にドゥトラの出場停止が決まって以来ずっと、この日をイメージして準備していたという言葉の通りに集中していたし、やれることは全てやったからそれでもダメなら自分はそこまでと決めて望んだ、そのメンタルも素晴らしい。待ち侘びたニューヒーローがマリノスに相次いで生まれた瞬間だ。

相次いで、とはもちろん本ブログで最近一押しの佐藤優平もニューヒーローに認定である。

彼はプロ入り後ここまで連続して試合に出たことはなく、ゲーム体力の面で当然不安もあったはずだ。だがレギュラーである兵藤と同じことはできなくても、優平の持ち味を出せるようになってきた。それをJ2チームとの天皇杯だけでなく、J1のトップが相手でもできたことの意味は大きい。惜しいヘディングもあった。35分のマルキへのラストパスは辛くもカットされた。次こそはゴールという結果がほしいが、よく考えてみればほんの一ヶ月前に佐藤優平がこれほど思い切ったプレーを披露できるとは想像しづらかったではないか。最後はクローザーとして小椋の救援を受けたが実に80分間、攻撃的な守備も含めて素晴らしかったではないか。

どちらに転ぶか分からなかったか試合展開。前半の終わりと、後半の始まりはマリノスがほぼボールを握っていただけに、この時間に先制点が欲しかった。取れなかったら、また広島に流れが移るだろう。そんな時間帯だった。

海外遠征に行ったはずが、海外でトレーニングを積んでいた齋藤学。時差ボケや試合勘の欠如という問題をすべて「悔しさ」で補ったという。しかも不在の間にマリノスは、苦手の柏を沈め、天皇杯でも得点力不足を解消するようないい試合をしていたから焦りもあったという。

先制点かつ決勝点になったゴールをもう一度振り返ろう。マリノスの代名詞の一つでもある、ペナルティエリアの角で俊輔からのボールを受けた学。一瞬、立ち止まって、対峙するのは高萩だ。優平が裏に抜けて、塩谷がつられる。その刹那、エリアを横切るドリブルの仕掛けがスタート。高萩は置き去りで、塩谷も対応が遅れたためにスライディングでシュートコースを消した意味がほとんどなかった。学は塩谷をかわすと、挟み込まれる前にニアを撃ち抜く。本当にわずかなコース、わずかなタイミング。他にも決まりそうなシュートはたくさんあったのにこれが決まるのか?! 学って本当に不思議な選手だ。あんなゴールを見せられたらファンはたまらない。代表召集前よりも明らかにキレを取り戻して帰ってきた。代表でチャンスすら与えられなかったのにこうして結果を残せるというのはやはり素晴らしい。

守備陣の奮闘にも触れないわけにはいかない。栗原勇蔵中澤佑二のコンビネーション。ドゥトラがいない分攻撃で存在感を示した小林祐三。いつも以上に攻守のバランスに気を配ったであろう富澤清太郎。そして榎本哲也の集中力は鬼神のようだった。危ない場面はたくさんあったけれど、これを凌げるのが優勝に相応しいチームではないだろうか。ロスタイムに投入された藤田ら攻撃陣が相手陣内でボールを追いかけ回して、キーパーへのバックパスに追いやった時の大歓声。さらに前線から奪って、俊輔のラストFK。試合は終わってほしいのに、この時間は終わってほしくない。本当によくやってくれた。1-0という心臓に悪いけれども、引き締まった天王山をものにしたのは横浜F・マリノスだった。

昨日の試合を終えて、優勝争いはこうなった。

<第28節終了時のJ1順位表>すみませんが、優勝争いに絞って掲載

勝点 得失点

1 横浜FM 56 20

2 浦和 54 17

3 広島  53 19

4 C大阪 50 19

5 鹿島 50 6

注目の直接対決を制したマリノスが首位浮上。同じく3位、4位対決となった鹿島対浦和はアウェイの浦和が勝利し、大きく順位が変動した。冷静に順位表を見ると、依然として勝ち点6の中に5チーム。残り試合が1試合減ったとはいえ、大きくは変わってない。この勝利は、もちろん大きい。優勝に大きく近づいた。だがこれからだ。

それより僕が感心したのは、昨日の俊輔のデキがいいとは言えなかったのに勝利したことだ。プレースキックの精度は高かったが、とにかくらしからぬパスミス、多かった。これまでのマリノスは、大黒柱の俊輔が悪いとそれに引きずられて試合も落とす傾向があったと思う。だがやはり若手の台頭をはじめ皆が極めて逞しくなっているということだろう。しかも兵藤とドゥトラがいなかったのだ。これで彼らが帰ってくる。(今度は勇蔵は有給休暇だけど)

つい僕は祝杯が過ぎて、早寝遅起きになってしまい、ブログの更新が大幅に遅れてしまった。まだ浮かれるのは早い。祝杯をあげながら、妻がドヤ顔で言っていた。実は柏戦の日におろしたおニューの下着がある。それを着用して柏に勝ったので、天皇杯も広島戦もゲンをかついだらなんと3連勝。我が家では「勝利のブラ」と呼ばれることになりそうだ。本当にどうでもいい話。実は僕もFacebookに試合前に「今日も勝つ!」とスタンドの様子をアップすると引き分けになる傾向があったのでスッパリと辞めた。辞めたのが柏戦だ。そこから連勝である。いいじゃない、そういうゲン担ぎ。この年になって妻と勝負下着の話をするとは思わなかったけど。だいぶ本来の意味と違うけど。

3万人、4万人のゲンはけっこう馬鹿にできないと思う。あとは5試合。自分たちが勝てばそれだけ優勝に近づく。もっともっとスタジアムを盛り上げて、絶対に優勝しよう。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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