【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

広州恒大のリーグ戦をじっくり観戦した。マリノスはロングシュートとセットプレイで勝機を探ろう

マリノスと柏の一戦については、試合をきちんと見た人の分析に任せるとしよう。何しろこちらはJリーグのスカパーオンデマンドですら録画を見ることも出来ない。

その悔しさを少しでも紛らわすために、昨日はふと思いついて、広州恒大上海申花の一戦が放送されていたので、じっくり観戦することとした。

スタメンで気になるのは当然ディアマンティ、エウケソン、ムリキの3人の外国籍選手だが、エウケソンはベンチで他の二人はベンチ外。とくにディアマンティはスタンドから観戦している姿が映されていたが、怪我の噂は本当のようだ。

スタジアムは見る限り超満員で、広州のチームカラーである赤一色でなかなかの迫力だ。陸上トラックはあるものの、赤に囲まれた迫力という意味では埼玉スタジアムに似た雰囲気と思えば、埼スタマリノスの大得意スタジアム。

一方で、ご存知の方もいるかもしれないが、上海申花はチームカラーが赤、青、白で、アウェイのこの夜は、白いシャツに青いパンツという出で立ちだ。言うまでもなく、マリノスACL版のアウェイユニを想起させるに十分であり、加油、申花!と俄然上海を応援するわけである。ただし似るのはチームカラーだけでいいのに、広州が5勝1敗で首位なのに、上海は2勝3敗と黒星先行で中位に低迷。うーん、親戚としか思えない。ドログバアネルカなど、ディアマンティの比ではないビッグネームを続々と獲得したのも今は昔、随分地味なメンバーになっていた。

試合開始。ボールを自陣から少ないタッチでシンプルにつなぐ広州の攻撃が続く。緩急の付け方がうまい。確実にシュートで終わるなどリズムもいい。一方の申花は攻撃が単調で、ちょっと守備の対応が軽いのが気になる。ただし広州は、ハイプレスには行かない。これが火曜をにらんだ省エネサッカーだとすると恐ろしいが、ある程度相手にもたせるのは先のマリノス対戦時と同じと言えるだろう。

広州の守備の集中力は、自陣深くなると急に上がり、また自慢のフィジカルで相手のチャンスを摘むわけだ。しかし遠目からのシュートは何本も打たれてしまっていて、精度が高ければそのままゴールを割られていた可能性もある。とにかくシュートを遠くからでも打つことがマリノスも意識すべき最大のポイントだろう。遅攻を繰り返すだけでフィニッシュにいたらないパターンは最悪だ。

30分過ぎから申花は徐々に押し込まれると、つまらないファウルから与えたフリーキックディアマンティが不在で蹴るのは、2番の廖力生。豪快に蹴ったボールは左上のバーを叩く。うーん、仮にディアマンティが出ないとしても他にも優れたキッカーはいる。要注意。

そして40分、中央で受けたキャプテンの7番、冯俊彦が相手CBの軽い対応をぶち抜き、GKと1対1の決定機を作る。豪快に蹴り込み、先制。中町のようにボールを奪うのがうまく、かつ藤本よりもパワフルで突破力があるというのか。こいつも要注意だ。

後半立ち上がりには、今度は申花の右サイドバックがエリア前のロングボールの処理で競り負けてしまう。競り勝った33-荣昊はCBに囲まれると後ろから走りこむ29-郜林にパス。これをエリア外から左足で素晴らしいロングシュート。決まって2-0。

その後、エウケソンが投入され、試合はこう着。例によって申花はボールを持っても決定機は作れない。また印象としては広州の反則に比較的甘く、それが彼らのフィジカルコンタクトを強気にさせている面もある。

ややオープンな展開となり、後半40分に、申花のクロスをエリア内で広州DFが手を使ってはたき、PKが与えられる。PKを決めたのはフィラス・アル・ハティブ、シリア代表のFWだ。これで1点差、ATを含め残り5分も申花は猛攻を仕掛ける。だが、広州は時間の使い方もうまい。

スコアは2-1だがそれ以上に広州の厳しさ、メリハリが目立った試合だった。やはり強い。というか守備陣の軽い対応を見逃してはくれない。

マリノスが勝つには、臆せずガツガツ行くこと。それからシンプルにプレーすること。遠目からでもシュートを打つこと。セットプレイを大事にして相手の守備を揺さぶること。こうした要素が不可欠だろう。

さて参考になるプレーヤーとして、ジョヴァンニ・モレノ。気を吐いたキャプテンの名を記しておきたい。中盤に君臨し配球するほか、フィジカルに強い広州に一切、当たり負けることなく食らいついた。(アタッキングサードではことごとく上海の選手よりも広州守備陣が上手で、ゴールには結びつけられなかった) 攻撃的なレオ・シルバとでも呼ぶべきその存在感。こういう選手が底にいると、安定するなあ、広州も手を焼いていたようだ。(だが0-2となった段階で下げられてしまったが)

その彼の堂々とした体躯、コロンビア代表も務める27歳の風貌が、マリノスの誇る大型エスニックボランチを思い起こさせるのだ。そう、たまにJ3の選抜に収集されている熊谷アンドリューだ。本来はそのレベルの選手ではないとみんな知っている。

調子のいい時の彼のフィジカルと配球面での視野が必要だ。広州を打ち破るのに必要なのは経験に裏打ちされた慎重な探り合いではない。富澤や小椋にはないスケールの大きさという魅力。一か八かアンドリューに賭けては…くれないだろうなぁ。

柏戦も無得点だったと聞く。今のマリノスの得点力ではかなり厳しい。全北戦のように致命的な相手のミスを期待してなどいられない。ぶつかるからには、それなりの用兵が必要だ。

フィジカルの強いファビオもぜひ起用してほしい。藤本淳吾の裏への飛び出しは…調子が間に合わないだろうか。ともかく興廃はこの一戦にあり。敵は万全と見てよい。私は今から成田に向かうが(>人<;)、マリノスサポの誇り、魂みたいなものはキングカズのように当地に置いてくることとする。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

皆様の1クリックが更新の大きな励みになっています。ぜひよろしくお願いします。