【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

雑念と雑音を吹き飛ばす、日本の齋藤学

来年も一緒にやろう、とチーム統括本部長が契約更改の席で、中村俊輔(の代理人)に繰り返し伝えるとはなんともナンセンスの極みです。本来、そんなレベルの話からスタートしている場合ではないのに。

今年のナンセンス大賞と言えば、やはりハリルホジッチ監督でしょう。GKの身長の件とか、いろいろありましたが、オーストラリア戦で勝ち越し点が欲しい場面にも関わらず、齋藤学を起用しなかった理由として、「経験がない選手では重圧に負けてしまう不安があった」と躊躇したことを明かしたこと。

んー、欧州でほぼ試合に出てない選手の方が、不安が少ないということでしたね。ますますなんで呼んだんだ!ルヴァン杯が、学不在のせいでー、学さえいたらー、となったのは記憶に新しいところ。

金曜の親善試合・オマーン戦と、15日のW杯最終予選・サウジアラビア戦の2試合が今回のチャンス。報道によれば、ですが、好調をキープしていて、合宿でも動きの良さが目立っているようです。

使いたい、と思わせるには、まずは練習でのアピールからという意味では、一歩前進なのでしょうか。

2年半前に、学が東アジア杯の代表に選ばれた頃、彼のようなリズムのドリブルは国外にはいないタイプなので、より国際試合の方が学の怖さは生きるはずという指摘がありました。

実際にオーストラリアを相手に決めたゴールは一瞬のスピードとボールタッチの速さを生かして作ったチャンスでした。今の身体のキレで中東の大きな守備陣を翻弄したら、それは痛快でしょうし、今後のチャンスも増えるでしょう。

今度こそ、今度こそ、出場機会を勝ち取ってもらいたいですね。

ただし、11日と15日に試合ということは、12日の天皇杯は当然のことながら学抜きです。俊輔も中町公祐もまだ別メニューということですから、間に合わなそうです。

新潟戦に出場する選手もまた、自ら雑音を吹き飛ばすまたとないチャンスです。

またサウジ戦が終われば、W杯予選は3月まで休止となります。

したがって年末年始の天皇杯は、学や小林祐三、怪我から復帰するだろう俊輔や中町全員で戦えます。カイケは…それまでいるのかな?

この一週間にたまったいろんなモヤモヤを、せめて一時、学のドリブルに興奮して、忘れたいものです。

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俊輔とシャーレ。それをまぶたに焼き付けるまでは死ねないだけ

一つには6年前の松田直樹らの記憶。

もう一つは、名古屋でこの1年に起こったこと。小倉監督就任に伴い闘莉王ら功労者が次々に退団し、その編成が1年後に降格を招く、重要なターニングポイントとなったこと。

こうしたことから、悪い方に考えるな、というのが無理な話かもしれません。

功労者とは何でしょう。企業なら退職金にもう少し報奨金みたいなものがついて、おさまるのかしら。小林祐三の契約非公開が私たちに衝撃を与えたのは、功労者だったからか。年間30試合も出ていれば、そりゃ立派なレギュラーで、それを6年も続けてれば、普通の解釈ならやはり功労者。

先述の闘莉王や、中澤佑二中村俊輔クラスになると、功労者の枠を超えてレジェンドになる。そりゃもう一つのクラブに10年に1人いるかいないかという格のことで、そんなレジェンドが2人もいることは幸せなことです。

見てる方はね。

悲しい哉、レジェンドはもちろんお値段も張る。米国で年に20億円を稼いでいた黒田博樹が広島カープに戻った時の年俸は4億円。それが高いか、安いか。20億円と比べるから、男気という話になりました。

フル出場(なんと3年半!)の中澤に減俸提示はありえないし、出場の少なかった俊輔や栗原勇蔵には減俸はやむを得ない。それは納得感というか、「社会通念上そうだろうな」という話であって、高いか安いか、上げるべきか下げるべきかは、私たちではなく、クラブ経営者が決めることです。

マリノスがこれからどうなるか、ビジョンが見えないと言っても、じゃあ利重本部長や、長谷川社長が出てきて、うちの(というよりシティ)の方針、懐事情を鑑みて、35歳以上の選手は本当は雇いたくありません。でも彼らは特別だから、適正価格は今の半額と判断したのです。小林選手については〜と説明を受けたところで。

確かに、と納得する人もいないことはないかもしれませんが、あまり意味のないことです。こんなクラブになります!がせいぜい「常に優勝争いできるクラブになる」くらいのことしか言えないのですから。あの棒読みのスピーチを2万人の前で執り行う御仁ですからね。

ああ、話が逸れました。得体の知れない恐怖であるシティから来た利重氏と、クラブ愛の感じられない社長の存在が相まって不安を一層掻き立てているのが今。

でも、我々の全てが望む形などあり得なくて、だって私たちは好きでマリノスを、あるいはその選手を応援しているだけなのだから。経営する側の算盤とは、相容れるはずがないんですよね。

ただし。

自動車の原価計算をするが如く、選手の給料をコストと見ているように感じさせ、売上が伸びないのは雨が多かったからだ、練習場まで水没するからまた余計なコストがかかっちまった、ちくしょう!とか、総括するものだから。

6年前の松田らの戦力外騒動以降、プレーヤーフレンドリーなように見えていただけなのか、あれを教訓とした嘉悦前社長が去ったことによって、また選手と自動車部品が同じように見える人たちが復活してしまったのか。

楽しい!エキサイティング!の私のような呑気な観客が、経営者たちのいう「苦渋の決断」を分かるはずもありません。

だから言わせてもらいたい。

俺の夢を踏みにじらないでくれ。

年間チケットを2枚買ってる程度だけど、俺は毎週末、夢を見させてもらってるんだ。

マリノスの選手がボールを奪う、全力で駆ける。

時にはつまずき、味方を怒鳴り、信じられないミスだってある。落胆もさせられる。

決して止められない泣き虫のドリブラーがいて、ワンチャンスにかけるちょっともさっとしたストライカーがいて、マリノスでしかプレーしたことのない守護神がいる。

マリノスで引退することを公言する、他所が羨むような鉄壁の守備陣がいる。

そして今なお日本中の誰よりも、正確で力強いキックを蹴り、おそらくチームの内外から日本中で最も尊敬される主将がいる。

あんたら、俊輔のフリーキックがネットを揺らした瞬間に泣いたことなんてないんだろ。

タイムアップの瞬間に周りの知らないおっさんと抱き合ったことなんてないんだろ。

浦和が哲也に? 磐田が俊輔に?オファー、出されてる場合じゃねぇよ。出させてるのは誰だ。移籍するかどうかの心配なんかしてない。とにかく、ダサい。

パンゾーの件だけで十分嫌な気持ちになった。これ以上、ダサい話を振りまかないでくれ。

俊輔と、佑二と優勝する、夢を勝手に壊すな…。

あ、すみません。汚い言葉遣いのお叱りは受けます。つとめて冷静に振る舞おうと思ったのですが、私の反応もまたエキセントリックでしたね。お恥ずかしい。

不協和音や不信感を拭えないと、この先、本当に厳しいことは素人でも感じます。

改革が必要なのは誰もが理解すること。永遠なんてないのは分かってる。でもそこに、愛はあるのか。ハートはあるのか。

まだまだこの胸の痛みは続くことでしょう。

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振り返ればいつも右には小林祐三

忘れられるはずもない、背番号13の勇姿。金狼の比類無き1対1の強さよ。

守備の人から、膠着を打開するビルドアップへの進化。

天皇杯決勝での齋藤学のゴールをお膳立てしたのは小林の突破からでした。翌年のACLでは、アジア最強の攻撃陣を擁する広州恒大のムリキを封じる至高の対人守備が光りました。

さあ行け、小林、オー小林祐三。行くときは行く。されども、いつも右サイドには小林祐三。あるいはマリノスのセットプレーのチャンスで、中澤佑二やファビオらが自陣に不在の時こそ、小林祐三の狡猾なディレイ対応です。

在籍6年、左サイドバックが何人変わっても、スターティングメンバーで、GKの次、2番目にコールされ続けた小林祐三

26歳でトリコロールに袖を通した気鋭のサイドバックは、今年31歳になりますが、衰えを語られるような年齢でもなければ、実際のパフォーマンスに低下もありません。少なくとも私はそう思います。

堅守をうたうマリノスの要であり続け、今季もここまで33試合のリーグ戦において出場32試合。そしてまだ後任の見当たらない、いや少なくとも日本国内に小林以上の右サイドバックなどいるものか。

3日の浦和戦、小林がプロ入りから一つの目標にしていた300試合出場達成。これが、リーグ戦としてマリノスで最後の試合になるなんてなんたる皮肉でしょう。

そして試合後、小林がツイッターで明かしたのは、「もうここ数日泣き疲れた」という率直なマリノスへの愛そのものでした。試合後のスタンドに挨拶する、深く目を閉じるその姿からも無念さが伝わってきました。

できれば、この退団は小林の希望であってほしいという思いははっきりと否定され、クラブが不動も不動のレギュラーを切ったという事実が残ります。

社長や強化スタッフが一新された今年。不透明で不可解な入れ替えと言っていいでしょう。何か純粋な戦力としての評価の他に人間関係の軋轢があったのでしょうか。

それでも前を向く小林祐三は、こうも綴りました。

まだ天皇杯がある

まだチームに貢献したい

残せるものがある

男の生き様として尊敬したい。

なぜこうなった?の思いは消えないけれども、まだ小林との戦いを終わらせたくありません。

エリク・モンバエルツ監督は浦和戦の前のロッカールームで小林のために戦えと檄を飛ばしましたが、天皇杯残り4試合、せめて小林祐三とともに元日まで、吹田まで行きたい。

シャイで仕事人というイメージのあった小林だけに、最後に見せたクラブやサポーターへの偽らざる愛が余計に重く感じます。

ありがとう、パンくん。

あなたのような素晴らしき、誇り高きフットボールプレーヤーを忘れないし、忘れられるはずもないです。まだまだ今まで以上の栄光があなたの人生に訪れますように、心から願います。

どこにいても、どこへ行っても、応援しています。

本当に熱い姿を、ありがとうございました。

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ピッチ外がうるさかったとしても(2nd16節・鳥栖戦 展望)

ご無沙汰しております。またおかげさまで午前様が続く季節になりまして、更新が止まってしまいました。

本当は、我が家の俊介が、俊輔にリフティングのコツを習ったトリコロールフェスタの話とか、書くことがなかったわけじゃないんですが。記念写真を撮るときに、息子に向かって、「しゅん、笑って!」と言ったら、世界のナカムラまでつられて笑ってくれたのは一生の思い出です。シュンという呼びかけに自分のことだと思ったようです!

今年も、豪腕を発揮して、本来夏にやるべきだった佐賀での法事を10月末にずらさせることに成功。ベアスタと墓参りの一石二鳥な、佐賀行きの機内です。

ピッチ外が喧しいですね。

齋藤学に川崎が正式オファーは、噴飯ものでした。川崎市出身だから、とかもうスポーツ紙というのは、どうしてこじつけが適当なのでしょうか。

仮に実現したら、とか語る価値もないニュースだとは思っています。海外からのオファーは来ているのか、そちらの方がはるかに気になりますね。

ユースからの昇格は2名。既に退団の噂が出ているのは、ファビオ、カイケ。契約非更新の選手も今年は数名出てくるでしょう。

シーズン中のワクワクから離れて、今年も嫌な季節に差し掛かっています。

個人的に気になるのは兵藤慎剛の去就です。あまりにも出番を失ってしまいました。エリク・モンバエルツ体制が来季も続くのが既定路線ですから、来季32歳になる兵藤としては、出場機会を求めたとしてもおかしくありません。

兵藤のいないマリノスは考えられませんが、でも彼のことを思えば移籍もやむなしというのが我が家の意見です。どの能力も平均的に高い兵藤ですから、一芸重視のエリクと合っていないだけで、レギュラーで出られるクラブはまだまだ沢山あります。

その兵藤、中町公祐の怪我で出番が回って来そうです。ポジションはトップ下で、天野純ボランチというのが少し意外ですが、カイケみたいな選手がいる一方で腐らないのが兵藤という男。仙台、新潟とリーグ戦でゴールを挙げても、ケガ人の復帰とともにまた先発ポジションを失った今季。

もう一度、兵藤の輝きを。

引き立てるのはやはり齋藤学でしょう。10ゴール10アシストに王手をかけて臨む今節は、ますます学の動きからは目が離せません。

鳥栖金民友が兵役で、今季限りの退団とか。タイトルや残留とは関係のない両チームですが、勝ちたい理由はありますね。あとは好調を維持する鎌田の封じ方でしょうか。

来季のことが気になるのは確かですが、でも今は全力で目の前の試合を。当たり前ですが、このチームはあと2試合で終わり。

みんなの前で、二桁取れるFWの補強が最優先とか2度も言われたら、伊藤翔さんやケイマンは黙ってませんよ。ベアスタのネットをきっと揺らしてくれますとも。

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まぐれでタイトルは取れない(ル杯準決勝2・G大阪戦)

この準決勝敗退は、単なる1試合の勝敗の問題ではなく、クラブとしての在り方の敗北であったと思います。非常に根の深い問題だと。

一つには選手層。俊輔や齋藤学を欠いて万全の体制で戦えないことはよくあることです。

貴重なバックアッパーだった選手たちはこの2年に相次いで移籍し、予想以上にけが人の連鎖が続き、ついには2種(ユース)のメンバーをベンチ入りさせなければならないほどでした。

バックアッパーの1人だった藤本淳吾に決勝アシストを決められる皮肉。伊藤翔がけがをして、残された最後のビルドアップの柱の天野純を下げた采配は、あれで自力突破の道を閉ざしてしまったように思います。ああなっては、もはや第1戦の金正也のバックパスのようなビッグプレゼントがなければ、得点など望めない展開でした。

ただでさえあの強度の試合に途中から入るのは難しい。それが何ヶ月も公式戦に出てないような選手では荷が重すぎます。そこで違いを出せるようなら、もうとっくにチャンスを掴んでいたことでしょう。

「少数精鋭」は寡兵を隠す詭弁にもなります。最後に残った兵を使わざるを得なかった展開が敗北の流れだったのです。

率直に言って、その中では大善戦だったと思います。何度も言いますが、榎本哲也なくして4強進出はあり得ませんでした。

またアデミウソン榎本哲也を交わして丁寧にコースを探した時間を利用して立ち塞がったパクジョンスのスーパー顔面ブロック。

中町公祐が一瞬の隙をついて送ったパスに、もうこの時には限界を迎えていた伊藤翔が反応し斜めに抜けます。

角度がない右サイドの奥から、最後の力を振り絞ったシュートが藤ヶ谷の手をかすめてゴール!

吹田の第1戦から起算して146分めの先制点。決勝進出にマリノスが最も近づいた僅か数分間。

急に引いてしまう悪い癖がモロに顔を出し、すぐさまガンバペースに試合が戻り、そして程なくあの同点劇でした。

もう1点を奪われずに、もう1点を奪うという高難度なミッション。そのチャンス、可能性がなかったわけではありませんが、もう万策尽きた感じ。

伊藤翔の先制点含め、持てる中ではほぼ最上のプラン、結果でした。それでも、3年連続ファイナル進出のガンバはホームアンドアウェイの戦い方ひとつとっても、上手でした。

勢いと意欲で予選から勝ち上がって来たマリノスが、ルヴァン杯を制するのは、ACLからたった3回戦5試合で一つのタイトルを手にするお手軽なチームへの大きな皮肉になると思いました。しかしコンスタントにACL特権を手にしているチームとは大きな差があるのは事実。

今のマリノスのクラブとしての総力。

クラブハウスの問題と、けが人続出は繋がっていて、そのことと、有力新人の育成や争奪戦に勝てるかは繋がっている。

さらにシュートよりSNSを愛する助っ人の獲得と、貴重な戦力がどんどんと移籍してしまったことはおそらく繋がっている。

準決勝敗退8度の事実とも繋がっている。

今ある中でよく戦ってくれたので、拍手を送りたいと思う。今大会の榎本哲也の勇姿を忘れることはない。けれど一部の熱心なサポーターの記憶にしか残らないことが残念です。

よくて4強止まり。その生き方を否定しないし、4強にすら届かないチームだって星の数ほどある。でも今のところ私の価値観は、中村俊輔とタイトルを取ること、否、シャーレを掲げること。

それに見合うクラブへの変革。具体的には環境と陣容の整備が求められています。

微力でも、私も応援しますとも。ルヴァン、できればクラッカーじゃなくてティファニー製のカップが欲しかったけれど、もらったルヴァンたくさん食べて、たくさん買いますよ。

来年はリーグとルヴァン杯、まとめてもらいましょう。

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至上命題は勝利。プライドにかけて進軍(

いやはや、雨がすごいです。

土曜に予定されていた幼稚園の運動会が順延されました。今日だとすると、試合と重なり悲しいことになったわけですが、早々に今日でもなく、明日ということになりました。

薄氷の上を歩くような、ルヴァン杯観戦です。あ、我が家の場合はね。

薄氷といえば、マリノス自身。

思えばとっくにこの舞台にいなくてもおかしくないような試合の連続でした。

グループリーグで一方的に攻められた川崎戦、3失点と衝撃的な逆転負けを食らった柏戦、ATに伊藤翔の強烈な右足のシュートが突き刺さった福岡戦、引き分けでも敗退の状況で俊輔がPKを奪った仙台戦。

そして決勝トーナメントでも大宮が有利な状況で第2戦を1-0。まだ練習に参加していた頃のカイケが決めましたね。お膳立ては日本代表の齋藤学でした。

吹田では0-0。アウェイゴールが取れなかったのか、点を与えずに大宮戦よりはいい状況での第2戦とみるのか。その議論はあまり意味がありません。

ただはっきりしているのはこの薄氷の進軍を守ってきたのは常に榎本哲也だったということです。哲也でなければ、このトーナメントはとっくに終わっていた。毎試合、毎試合、相手の得点をコンスタントに1〜2減らしてくれていた。

今日のマリノス至上命題は勝利です。

勝てば無条件で決勝進出。0~0の場合のみ延長戦で、それ以外の引分は敗退となります。

すなわち1失点したら2得点が2失点したら3得点が必要になります。その得点力は、齋藤学と俊輔とついでにカイケのいないマリノスでは非常に厳しい。

ガンバサイドは、 初戦に温存した遠藤保仁や長澤駿らが先発します。最大の脅威、アデミウソンも吹田での試合は30分間の出場でしたが、先発から来ます。

ガンバの得点が0の時間を90分(もしくは120分間)続けられるかどうか。極論すれば、それが120分続けば、マリノスはどんなに悪くてもPK戦に持ち込むことができます。

失点の許されない戦いというとネガティブに聞こえますが、実は榎本哲也中澤佑二からすれば望むところ。そもそも失点していいなどと考えて試合に臨むことはありえないでしょう。

栗原勇蔵、ファビオを欠くのは誤算ですが、耐えて耐えて一刺し。あとはゴリゴリ来ようが、裏を狙おうが、守護神たちが立ちはだかる。

それは楽な展開ではありませんが、マリノスらしく、また勝ち上がりが最もイメージできませんか。

ここ1ヶ月、攻守に成長を見せつける天野純。学不在で最も打開力に期待が集まる前田直輝。それと、もう一人挙げるなら、久々に公式戦でゴールを挙げた富樫敬真はこの一番で値千金の決勝点を挙げて逆転でニューヒーロー賞をもらってしまえ。

ピッチが重いコンディション。重たい試合展開。もうこれ以上のけが人は出したくない。

埼スタに行こう。みんなで行こう。俊輔も学も勇蔵もみんな連れて行こう。

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吹田にも哲也神が降臨。緊張感を保ったまま舞台は横浜へ(ル杯準決勝1・G大阪戦)

守備というより円舞を見ているかのようでした。

今日もまた榎本哲也。黄色いユニフォーム姿の彼が防いだ点は2〜3点。藤ケ谷も好セーブを見せたが、でもやはり榎本哲也

応援の歌詞には、横浜の俺らの守護神とある。神。そう、神のように全てを掌握します。特にルヴァン杯での集中力は人間業ではないレベルです。

9試合フル出場し、失点数は6。防御率0.67。長谷川健太監督がはじめから第2戦に照準を合わせていたのだとしても、日産でも神の牙城はそう簡単には揺るがない。もう完全にMVP。

そう確信させる何かが今の哲也にはあります。前半31分のパトリックが落としたボールをダイレクトに蹴った倉田のボレーシュートは、超至近距離。シュートが来るより先に哲也の体が動いていたのでしょうか。

G大阪サイドからすれば、幾度も決定機に絡みながら決め切れなかった倉田に対して厳しい声が上がるでしょう。

マリノスで言えば、7分の金正也のバックパスプレゼントでしょう。台風で水を大量に吸ったピッチが悪戯をしたのか、藤ヶ谷の足元に渡すはずが、マルティノスと藤ヶ谷の中間くらいに。

スピード自慢のマルティノスが先にボールに触って、簡単にゴールできるはず。が、藤ヶ谷にコースを塞がれて、狙ったシュートはポストを叩いて、ゴールの外へ流れてしまいます。

天野純のシュートも強くて正確でよかった。80分過ぎの金井貢史が「トラップが完璧すぎて、時間ができ、狙い過ぎてしまった」という枠外シュートにはずっこけた。

勝てた試合であったこともまた事実です。スコアレスは確かに決して悪くない。で「次勝てばいいんでしょ」とは言うものの、埼スタの悪夢から立て直すことを優先したガンバは始めから第2戦に勝負してくるつもりだったのでしょう。

だからこそ遠藤保仁には完全休養を与え、脅威のアデミウソンは30分の出場にとどめたわけです。

でもマリノスには温存するような余裕はありません。

見てください。下記は、3月のルヴァン杯グループリーグ初戦のメンバーです。完全にリーグでは控えの選手たちでした。

GK榎本

DF新井、栗原、パク、金井

MF兵藤、三門

天野、和田、前田

FW伊藤

移籍してしまった三門を除いた10人のうち6人がこの日も先発したのです。榎本哲也のようにレギュラーを奪回した選手は稀。彼らには失礼ですが、他の選択肢がないのです。

しかしその中で先発復帰の喜田拓也は違いを見せてくれました。ずいぶん削られていたようですが大丈夫でしょうか。栗原勇蔵小林祐三との接触で膝を痛めた様子で試合後の監督によれば「軽くない」怪我とのこと。ファビオが間に合ってくれるといいのですが、ますますキツイ台所事情です。

またリオ五輪オウンゴールを魅せてくれた彼がわざわざ倒れた天野純の顔に蹴りを入れたように見えるシーンは目を疑ったのですが、あれはお咎めなしだったのですよね。アデが槙野に行った報復と同じかそれ以上に悪質なプレーに見えたのですが。

さて、第2戦へ。どちらが有利も不利もありませんが、アウェイゴールが取れなかったために、0-0以外の引き分けだとガンバの勝ちになります。

したがってよりリスクを高めてでも、ガンバが点を取りに来るのは必定。そこを利用して、なんとか先制点にこだわりたい第2戦は3日後の日曜です。

ここまで悪くない。決して悪くない。

けれども相手のG大阪は、3季連続決勝進出を狙う、天皇杯連覇中と、カップ戦の強さを認めるしかありません。

タイトルまで、あと2試合。疲労回復と、今一度マインドを高めて。

試合後にサポーターが歌った「プライドにかけて」は、入場の際にこれから試合に臨む選手の背中を押す出陣の歌。つまりは今からキックオフだぞ、と。

俺たちには守護神がいる。あとは、ゴールを奪うだけじゃないか。

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