守備というより円舞を見ているかのようでした。
今日もまた榎本哲也。黄色いユニフォーム姿の彼が防いだ点は2〜3点。藤ケ谷も好セーブを見せたが、でもやはり榎本哲也。
応援の歌詞には、横浜の俺らの守護神とある。神。そう、神のように全てを掌握します。特にルヴァン杯での集中力は人間業ではないレベルです。
9試合フル出場し、失点数は6。防御率0.67。長谷川健太監督がはじめから第2戦に照準を合わせていたのだとしても、日産でも神の牙城はそう簡単には揺るがない。もう完全にMVP。
そう確信させる何かが今の哲也にはあります。前半31分のパトリックが落としたボールをダイレクトに蹴った倉田のボレーシュートは、超至近距離。シュートが来るより先に哲也の体が動いていたのでしょうか。
G大阪サイドからすれば、幾度も決定機に絡みながら決め切れなかった倉田に対して厳しい声が上がるでしょう。
マリノスで言えば、7分の金正也のバックパスプレゼントでしょう。台風で水を大量に吸ったピッチが悪戯をしたのか、藤ヶ谷の足元に渡すはずが、マルティノスと藤ヶ谷の中間くらいに。
スピード自慢のマルティノスが先にボールに触って、簡単にゴールできるはず。が、藤ヶ谷にコースを塞がれて、狙ったシュートはポストを叩いて、ゴールの外へ流れてしまいます。
天野純のシュートも強くて正確でよかった。80分過ぎの金井貢史が「トラップが完璧すぎて、時間ができ、狙い過ぎてしまった」という枠外シュートにはずっこけた。
勝てた試合であったこともまた事実です。スコアレスは確かに決して悪くない。で「次勝てばいいんでしょ」とは言うものの、埼スタの悪夢から立て直すことを優先したガンバは始めから第2戦に勝負してくるつもりだったのでしょう。
だからこそ遠藤保仁には完全休養を与え、脅威のアデミウソンは30分の出場にとどめたわけです。
でもマリノスには温存するような余裕はありません。
見てください。下記は、3月のルヴァン杯グループリーグ初戦のメンバーです。完全にリーグでは控えの選手たちでした。
GK榎本
DF新井、栗原、パク、金井
MF兵藤、三門
天野、和田、前田
FW伊藤
移籍してしまった三門を除いた10人のうち6人がこの日も先発したのです。榎本哲也のようにレギュラーを奪回した選手は稀。彼らには失礼ですが、他の選択肢がないのです。
しかしその中で先発復帰の喜田拓也は違いを見せてくれました。ずいぶん削られていたようですが大丈夫でしょうか。栗原勇蔵は小林祐三との接触で膝を痛めた様子で試合後の監督によれば「軽くない」怪我とのこと。ファビオが間に合ってくれるといいのですが、ますますキツイ台所事情です。
またリオ五輪でオウンゴールを魅せてくれた彼がわざわざ倒れた天野純の顔に蹴りを入れたように見えるシーンは目を疑ったのですが、あれはお咎めなしだったのですよね。アデが槙野に行った報復と同じかそれ以上に悪質なプレーに見えたのですが。
さて、第2戦へ。どちらが有利も不利もありませんが、アウェイゴールが取れなかったために、0-0以外の引き分けだとガンバの勝ちになります。
したがってよりリスクを高めてでも、ガンバが点を取りに来るのは必定。そこを利用して、なんとか先制点にこだわりたい第2戦は3日後の日曜です。
ここまで悪くない。決して悪くない。
けれども相手のG大阪は、3季連続決勝進出を狙う、天皇杯連覇中と、カップ戦の強さを認めるしかありません。
タイトルまで、あと2試合。疲労回復と、今一度マインドを高めて。
試合後にサポーターが歌った「プライドにかけて」は、入場の際にこれから試合に臨む選手の背中を押す出陣の歌。つまりは今からキックオフだぞ、と。
俺たちには守護神がいる。あとは、ゴールを奪うだけじゃないか。
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