この準決勝敗退は、単なる1試合の勝敗の問題ではなく、クラブとしての在り方の敗北であったと思います。非常に根の深い問題だと。
一つには選手層。俊輔や齋藤学を欠いて万全の体制で戦えないことはよくあることです。
貴重なバックアッパーだった選手たちはこの2年に相次いで移籍し、予想以上にけが人の連鎖が続き、ついには2種(ユース)のメンバーをベンチ入りさせなければならないほどでした。
バックアッパーの1人だった藤本淳吾に決勝アシストを決められる皮肉。伊藤翔がけがをして、残された最後のビルドアップの柱の天野純を下げた采配は、あれで自力突破の道を閉ざしてしまったように思います。ああなっては、もはや第1戦の金正也のバックパスのようなビッグプレゼントがなければ、得点など望めない展開でした。
ただでさえあの強度の試合に途中から入るのは難しい。それが何ヶ月も公式戦に出てないような選手では荷が重すぎます。そこで違いを出せるようなら、もうとっくにチャンスを掴んでいたことでしょう。
「少数精鋭」は寡兵を隠す詭弁にもなります。最後に残った兵を使わざるを得なかった展開が敗北の流れだったのです。
率直に言って、その中では大善戦だったと思います。何度も言いますが、榎本哲也なくして4強進出はあり得ませんでした。
またアデミウソンが榎本哲也を交わして丁寧にコースを探した時間を利用して立ち塞がったパクジョンスのスーパー顔面ブロック。
中町公祐が一瞬の隙をついて送ったパスに、もうこの時には限界を迎えていた伊藤翔が反応し斜めに抜けます。
角度がない右サイドの奥から、最後の力を振り絞ったシュートが藤ヶ谷の手をかすめてゴール!
吹田の第1戦から起算して146分めの先制点。決勝進出にマリノスが最も近づいた僅か数分間。
急に引いてしまう悪い癖がモロに顔を出し、すぐさまガンバペースに試合が戻り、そして程なくあの同点劇でした。
もう1点を奪われずに、もう1点を奪うという高難度なミッション。そのチャンス、可能性がなかったわけではありませんが、もう万策尽きた感じ。
伊藤翔の先制点含め、持てる中ではほぼ最上のプラン、結果でした。それでも、3年連続ファイナル進出のガンバはホームアンドアウェイの戦い方ひとつとっても、上手でした。
勢いと意欲で予選から勝ち上がって来たマリノスが、ルヴァン杯を制するのは、ACLからたった3回戦5試合で一つのタイトルを手にするお手軽なチームへの大きな皮肉になると思いました。しかしコンスタントにACL特権を手にしているチームとは大きな差があるのは事実。
今のマリノスのクラブとしての総力。
クラブハウスの問題と、けが人続出は繋がっていて、そのことと、有力新人の育成や争奪戦に勝てるかは繋がっている。
さらにシュートよりSNSを愛する助っ人の獲得と、貴重な戦力がどんどんと移籍してしまったことはおそらく繋がっている。
準決勝敗退8度の事実とも繋がっている。
今ある中でよく戦ってくれたので、拍手を送りたいと思う。今大会の榎本哲也の勇姿を忘れることはない。けれど一部の熱心なサポーターの記憶にしか残らないことが残念です。
よくて4強止まり。その生き方を否定しないし、4強にすら届かないチームだって星の数ほどある。でも今のところ私の価値観は、中村俊輔とタイトルを取ること、否、シャーレを掲げること。
それに見合うクラブへの変革。具体的には環境と陣容の整備が求められています。
微力でも、私も応援しますとも。ルヴァン、できればクラッカーじゃなくてティファニー製のカップが欲しかったけれど、もらったルヴァンたくさん食べて、たくさん買いますよ。
来年はリーグとルヴァン杯、まとめてもらいましょう。
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