92分に受けたファウル、天野純がボールを蹴るまでに時間は93分を超えていました。もうこれがラストプレー。延長か、それとも…。
ゴール裏の最上段から見ていて、新潟の壁と、そこに挟まる中澤佑二や金井貢史らがみごとなブラインドを作っています。所在無げな新潟のGK守田の動きを見ていると、「枠にさえ飛ばせば入るのでは」という予感がありました。
ニアを塞ぐ選択をした守田の狙いを見透かした天野純の狙いはファー。左足のキックは中村俊輔のそれのように美しく、ゴールの左上隅を撃ち抜いたのでした。
今季の初ゴールで喜び方を忘れたら天野を嬉しそうに引きずり倒したのは、天野の後方でカウンターに備えていた小林祐三。そこに中澤や金井やマルティノスら屈強な大男たちが覆いかぶさって来ます。怪我だけはしないで笑!
マリノスからすれば極上の幕切れ。俊輔以外の選手がフリーキックを決めるシーンというのを相当久しぶりに見ました。あ、私は生で見たのは初めてかもしれません。
これで準々決勝に進出。まだこのメンバーで、小林祐三とともに戦うことができます。
しかし。
最後のフリーキックを除けば、誠に見所のないひどい試合でした。
あれだけのチャンスを作っておいて新潟の枠内シュートが少な過ぎますが、普通なら前半早々に複数失点していておかしくない内容でした。
とくにこの1ヶ月、前半で見せるGK榎本哲也から繋ぐショートパスの連続はなんなのでしょう。リズムが悪く、心臓に悪く、つたないミスの連発で相手に食いつかせるこの戦い方。しかも取られ方がまたひどいですよ。
ただし後半になると、縦ポンを増やして、両ウイングの走力で勝負しますよね。これ、前半戦は相手の運動量を増やして疲れさせようとでもいうのでしょうか。狙ってやってるとしたら、余りにもリスキーです。
鳥栖戦も、前半と後半ではまるで別チームでしたから、狙いというのは間違っていないもしれません。
パスの精度も問題ですが、フリーキックを決めるまでの天野の守備もまずかった。いや、天野だけじゃないですけどね。
自陣で失って、なんとか奪い返してもまた失って。攻撃時も、前田直輝、マルティノス、富樫敬真は孤立するばかりで、囲まれたらすぐ終わり。
撃たれっぱなしの前半から、後半は確かに新潟のハイプレスがおさまったこともあって、多少は撃って撃たれてになりました。
たしかに天野のキックは素晴らしかったし、劇的な幕切れだったけれども、新潟の決定力不足に助けられただけの凡戦だったことは忘れてはなりません。
幸い次戦まで1ヶ月あまりあります。この不思議な?巧みな?自陣のパス回しを磨くのか、違うやり方か。
俊輔も学も中町も揃って、今度こそガンバを撃破。その先は鹿島と広島の勝者ですか…。なかなか険しいですね…。
ともあれ、2013年以来の準々決勝進出です。あの栄光の大会以来の。
運と実力と声援で、あと3試合。「絶対にタイトルを取りたい」とは中澤佑二のコメント。
次はクリスマスにお会いしましょう。マリノスのおかげでまだオフに入らなくてすみます。フロントのゴタゴタも、勝利で吹き飛ばして行きたいですね。
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