立ち見が出るほどに膨れ上がった、土曜日11時。J1同士の対戦ということもあるだろう。FC東京のユニを着たサポーターの姿も目立っている。
試合前に一人黙々と走り込みを行っていた、中村俊輔は、クラブハウスに引き上げてしまったのか、もういない。
スタメンは
GK飯倉
DF小林、中澤、ファビオ、下平
MF三門、喜田、藤本、アデミウソン、齋藤
FW伊藤
それが、2本目には次々に選手が代わって、最終的には
GK榎本
DF天野貴、栗原(!)、富澤、比嘉
FW矢島
という陣形に代わっていった。
何か大きな驚きがあったわけではなかった。森重、太田らを代表で欠くFC東京だが奈良や吉本、松田陸らが最終らいんでブロックを作る。甲府でも、ここでもマリノスは崩せない。
これは!と目を見張るシーンがない、もっと言えば自動的には攻撃のスイッチが入らない。「よっこいしょ」と齋藤学やアデミウソンが下がって、力こぶを出さないと、「始まらない」。したがってシュートチャンスを作るのも一苦労だ。
喜田の果敢なチャレンジによるインターセプトが彼らしいプレーならば、その後の中澤へのバックパスをさらわれるシーンもらしいプレーと言わざるをえない。慌てちゃダメだ。数的不利のまま、中島翔に遠目から狙われて、失点する。
前半、レギュラー組が主体でおおっとスタンドが湧いたのは、藤本淳吾のフリーキックがバーを叩いたときくらいか。榎本達也は一歩も動けなかったこのキック以外にも、正確なサイドチェンジのキックが数発、調子の良さを伺わせた。
同じくアデミウソン本人の調子は良さそうだ。試合の7〜8割でやっていたように見えたが、の描くイメージに周りが付いてこないシーンが目につく。これが、
レベルの違いなのか、単にアデが独特過ぎる感性を持っているからなのかはスタンドからは判断がつかないのだが。
スタンドが満員のために、隣のローソンも大混雑の影響で、後半の頭、つまり天野純の同点ゴールも、東京の勝ち越し点も見逃した。
2本目に入って、中島賢星がスルスルとゴール前に顔を出して、チャンスに絡むのは好感。天野貴史も、彼らしく元気よく右サイドを駆け上がる。矢島卓郎が自陣ペナエリア付近でピンチの芽を摘むと大きなどよめきが起こっていた。
中間の時間帯では、1本目よりも相手陣内、アタッキングサードまで持ち込める場面も増えた。シュートで終わる場面も明らかに多い。ただし、日差しが強くて気温が上がってきたのと、東京もまた選手を入れ替えた影響というのは当然ある。
30分余り無難にプレーした栗原勇蔵。試合前後はにこやか、穏やかだった俺らの勇蔵は中澤に代わってキャプテンマークを巻いた。
危ない場面はほぼなく、まずはプレーできるところまで回復したことを喜びたい。レギュラー再奪取に向けてはここからが勝負だ。その点、ファビオが成長し、ボランチにも三門、喜田、中町らがおり、ファビオを安易にボランチに回すことはないだろう。ケガした選手にその代償が来るのは、復帰した後なのかもしれない。
出場の際に、一際大きな拍手を浴びた勇蔵の巻き返しに期待、そしてやや停滞感のある攻撃にため息。
チーム作りって、本当に一歩一歩だなぁ。
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