「情けない」には、情け、つまり思いやりがない。無情だ。という意味と、一般的に使われる、みっともない、みじめであるという意味があるんですね。辞書に載ってました。
愛はきっと奪うでも、与えるでもなくて、気がつけばそこにあるもの
と歌ったのはMr.Childrenの桜井和寿ですが、それは情けがある場合の話がしれません。
契約更改の面談がスタートする中、連日選手達のコメントが漏れ聞こえてきます。
中町公祐「クラブへの忠誠心が感じられる選手達が集まりたい。感じられる組織でなければ。心の部分で選手をどう思っているかが、今崩れかかっている」
伊藤翔「どういうサッカーにしてどこを目指すのか明確にしてほしい」
飯倉大樹「愛のあるクラブにしてくれ、と伝えた」
小林祐三「出て行き方も見て欲しかった。自分のやってきたことは間違いでなかったと、スタンドのサポーターが示してくれた」
んー、まさに情けないですね。試合で疲れている時に笑顔が足りないから、もっと笑った方がいいと、遠藤渓太に伝えたそうですが、そこじゃないだろ感を一層かき立ててくれます。
気がつけば、そこに愛はない、無くなっていたと選手が感じるのなら、優勝争いやタイトル獲得の前の、そのまた前から再構築しないといけないかもしれません。
これ、何が原因なんでしょう。日産自動車という文化にシティという別の思惑が加わったから?
日本と欧州の文化の違い?それとも主体なきクラブ運営に陥ったから?
政争の具と考えている人物がいるから?その属人的な問題?
マリノスに限らず、古今東西のJリーグでは派閥争いや素人による迷走など、本来の目的を見失ったかのような経営事例は少なくありません。それが目に見える形で顕在化、表面化してきたということでしょうか。
さてエリク・モンバエルツ監督の去就が決まりません。このように監督人事がズルズル行くことも決して珍しいことではありませんが、上述の伊藤のように、「で、どうしたいわけ?」と選手が思うのも当然のことですね。長引かせていいことはありません。
就任以来2年の成績を見れば、モンバエルツ監督の続投に傾きづらいの発表納得です。もちろん功績もあったと思いますが、順位や勝ち点という「結果」を見れば、です。
しかし、退任が発表されないのは、後任監督候補との交渉中ということでしょうか。シティが推薦する人物は欧州にいて、向こうはシーズン序盤から中盤だから、なかなか日本のカレンダー通りには交渉が進展しないという流れでしょうか。
続投です、と言わないということは、そういうことでしょう。天皇杯でどこまで勝ち上がるかとか、それはあまり関係がない気がします。憶測ですが、鳥栖がマガト監督を招聘しようとして、直前で頓挫してしまったケースがありました。
急きょ、前東京監督だったフィッカデンティ氏に白羽の矢が立ったわけですが、エリクも似た感じかと。やれと、言われたらもう一年やってくれ、いつでも退任させられる監督を慌てて変える必要はないですから。
もちろん、今はまだ天皇杯という大会を残しているということも名目だと思います。完全にここまで憶測ですが。
それも含めて、愛の話に戻ります。
チームを強くしたい、という話の前にすべきことです。プロスポーツである以上、勝利を目指すのは当たり前。けれど、そのために必要なのは技術や戦術の前に、そこで人が輝けるかどうかではないでしょうか。
したがってタイトルを取れるチームを作りますというのはビジョンでもなんでもない。まずクラブとしての哲学があって、よく言われるスタイルとかカラーが構築されるのではないでしょうか。
今明らかになってないのはそこ、だと思います。哲学の中で変わったところと、変わらないところがはっきりさせること。選手たちが聞きたいのは、年俸の額より先に、これからどう考えてますかってことですよね。
それが語れる人物、思いのある人物、まあ嘉悦前社長のような人が不在なのが大きく影響しているのかもしれません。
哲学さえあれば、愛は気がつくとそこにある状態が取り戻せるのではないかと、考えます。
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