【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

三ツ沢の美しい虹のようなゴールを忘れない〜1st第4節・鳥栖戦

狙撃手のような下平匠のスルーパスは、転々と最終ラインの裏を転がる。そのボールに鳥栖のDFより、GKより早く辿り着いたは伊藤翔

コースは…ない。股下を狙うも阻まれ、跳ね返ったボールは後方へ。

そこに駆け込んできた中町公祐中村俊輔が下がり気味の時は、代わりに彼が上がるという連携がようやく上手く回り始めた頃です。

その中町にシュートをさせじと、相手ボランチの高橋も進路を塞ぎます。それを左足のトラップで一瞬にして置き去りにすると、間髪入れずに右足でシュート。

伊藤の対応のために、前に出てきたキーパーに触られないよう、やや浮かせたシュートは静かにネットに吸い込まれていきます。

絵になる男は、自分の思い描いた通りのシュートに少し驚いたように仲間たちの祝福を受けます。中町と言えば、積極的にミドルシュートを狙っても大きくバーを越すことが多いだけに、見事な勝ち越しゴールでした。

ユニフォームのエンブレムを掴んで天に向かって指を指す。試合後のインタビューでの一言。昨年12月に中町は、中町と彼の家族は生後2日で息子を亡くすというあまりにも悲しい出来事がありました。まだ傷が癒えるには時間が足りないのかもしれません。

それでも父は開幕では離れていたスタメンの座を奪い返し、チームに勝利をもたらすゴールを決めて見せました。それは雨上がりの三ツ沢にかかる虹のようでした。

中盤でファイトしてくる鳥栖スタイルに一歩も引かないどころか、空中でも、地上戦でも一歩先を行く中町の貢献度は圧倒的でした。

それにつられて、遠藤渓太や喜田拓也のボール奪取率も上がっていく。そう、スタンドからは見えました。

雄々しく、崇高なるボランチ

一方の先制点。

ファビオのロングフィードが出た瞬間は、富樫敬真はオンサイド。ところがそのフィードが中村俊輔の肩に当たって前線へ転がったとするならば、ケイマンのポジションはオフサイドと言えそうです。

得点が認められてから、鳥栖の抗議となったシーン。微妙なゴールでしたが、それにしてもケイマンの抜け出しは素晴らしかった。裏を取る技術と、それを狙ったパスが噛み合うとああも分かりやすいチャンスが生まれます。ただ確かに審判に助けられた側面はあったかもしれません。

また鳥栖の同点のシーン。

これもまたフリーキックが壁に当たり、そのボールがポストに跳ね返る。詰めていたのは鳥栖の谷口という分かりやすく偶然の重なった恩返し弾。

このゴールに比べると、中町のテクニックと卓越した先を見据えるサッカー脳がもたらした必然の決勝ゴールがいかに素晴らしかったか。

当然のように、今節のベストゴールにもノミネートされました。

絶対に欲しかった連勝を遂げた意味は小さくありません。次節は少し間隔が空き、4月2日、吹田スタジアムです。この試合で新FWカイケがデビューするのは確実でしょう。

その助っ人が本格稼働する前に、底から脱出できたことは大きい。カイケをフィットさせる余裕ができました。

また2試合連続ゴールのケイマンも五輪の最終兵器だなどと新聞に持ち上げられて悪い気はしないでしょうし、結果に恵まれない伊藤翔の復調もこれからのはず。

決して選手層が厚いとは言えないものの、いいムードでこれから戦える気がします。

明日のナビスコ杯は好調の川崎、その後リーグではG大阪、浦和、磐田、広島と、4月は昨年の上位チームとの対戦が目白押しです。

ここからの伸び代が非常に楽しみです。それに、これからも中町がどんなゴールを見せてくれるか。きっと愛息も見てくれているでしょう。

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