【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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在任6年半、その功績とは?

長い間、ありがとうございました!

ホーム最終戦での挨拶、横浜マリノス株式会社の嘉悦朗社長は自身の言葉を大きな声で、そう締め括りました。

長い間とは、今季1年を指すのではなく、ましてやこの日の自身の長い挨拶を示すものでもなく、在任6年半の社長業を総括してのものでした。

私はマリノスの社長といえば、嘉悦さんしか知りません。また他のクラブに優れた経営者がいても、よく知りません。

そんな比較対象がない中ではありますが、とにかく嘉悦さんの話は分かりやすかった。

今、マリノスが良くなった理由は、3つあります。1つめはこれ、2つめはこれ、と発表された退任の挨拶でも真骨頂が表れていますが、このフレームに当てはめたプレゼンがとても明瞭でした。

結果がすべて、という意味では、重要なクラブの指標であるトップチームの成績と、観客動員数、そして経営赤字の3つを(大きく)改善したという点で、素晴らしかったと言わなくてはなりません。

しかも特筆すべきは、伸びていた組織をもっと伸ばしたのではなく、あのままでは早晩に破綻が見えていたとされる組織を立て直したということではないでしょうか。

シティグループとの名前だけではない「本質的な」提携、マリノスタウンという巨大な重石、赤字体質の構造改革。嘉悦さんがリーダーとして本気で取り組んだということが、お話を聞き、インタビューを見ていれば、納得できることです。

功績の一方で、松田直樹ら功労選手を切った社長としても記憶されます。その事実以上に、やり方を問われました。会社経営としては株主が大事だけれども、サポーターという普通の会社にはいない特殊な存在がクラブから離反するようなやり方には問題があった。

結局、プロサッカークラブなのか、日産自動車サッカー部なのかの「曖昧さ」にメスを入れたこと。これが功績を一言で言い表したことではないかと思います。

恐らく未熟でカオスなクラブはマリノスだけではないでしょう。経営規模とか、歴史とかではなく、曖昧さがもたらす歪み、不健全さを彼は排除に勤めた。まだまだ道半ばなんでしょうが。

プロサッカークラブとして横浜F・マリノスが、サポーターや地元からの支持を確固たるものとし、古豪とか、名門などという言葉にすがることなく、飛躍する可能性を組織に植えつけたという言い方もできるかもしれません。

後任の長谷川新社長は、国際派。

嘉悦さんのことを「日産グループでもっともサッカー通」と評していますが、学ぶべき、引き継ぐべきことはそこじゃない。ただ客が多いとか、ただ強いとかじゃなく、一本筋が通っているクラブ作りに邁進していただきたいものです。

嘉悦さんの穏やかな笑顔と、試合で見せる喜怒哀楽のファンでした。今後もマリノスを見守ってください。

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