2ndステージ大逆転優勝の可能性がある限り。
残り4試合は4戦全勝が必須で、その上で上位陣の取りこぼしを期待するという状況です。「自力優勝」の可能性はありませんが、結局それがあるとすれば、4連勝したときのみというのは確かでしょう。
で、その鍵を握るのは、もう当然全選手ということになるのですが、ここである選手の走行距離を紹介したいと思います。
13節 仙台・87分 11.07km 28位
12節 湘南・89分 11.26km 19位
11節 瓦斯・89分 11.74km 14位
10節 新潟・78分 10.43km -
09節 浦和・68分 9.25km -
夏まで、この選手は年齢による走力の衰えを、自軍の監督にも指摘されていました。
マリノスの指揮を今季から執るエリク・モンバエルツ監督は、中盤の選手に激しい運動量と守備での貢献を求めます。そうした志向に、合わないのではないか。いや、合わせるならば周りがその不足を補うことになる。
そうした論調が確かにありました。モンバエルツ監督も、三門雄大や喜田拓也の役割を彼に求めるのは年齢的に酷であると答えていました。
潮目が変わったのは、浦和戦です。西川を翻弄した神業フリーキックがこの試合のハイライトであることは間違いありません。しかし、見逃してはならない点が走行距離です。
スカバーの中継ではハーフタイムに前半の走行距離ランキングが紹介されました。両チームを通じてダントツ、ただ一人6kmを超えていたのが中村俊輔だったのです。
ただ走れば良いというものではないというのは確かです。距離というのは勝敗には直結しません。ただ、この試合の俊輔がフルパワーで飛ばしていたのは明らかで、守備での貢献も高かった。振り返ってみれば、それまでの試合に比べて、走りの質が高かったです。たしかに後半の運動量は落ちました。90分持たせようと思ってなかったのでしょう。
ただし、4-0という大量リードの恩恵もあって、68分に御役御免となったのは想像以上だったのではないでしょうか。
上記の表の大事なことを補足します。
一番右の順位は、その節の全選手の順位です。先発フィールドプレーヤーは、1節に180人いますから、180人中の順位です。走れないはずの選手としては驚くべき数字ではないでしょうか。
実は三門雄大は、俊輔の距離をさらに上回っており、さすがのハードワークを見せています。しかし、それは俊輔を補うためではありません。
37歳の中村俊輔は、また我々の想像を上回っていたと言えないでしょうか。監督の求める運動量をやって見せてしまったことの意味は大きい。さらに終盤にセットプレーで勝負できるという武器もあって、俊輔を途中で下げるという選択肢はほぼなくなってきました。
むろん、それには今後も彼が最後まで動けることを示していかなければなりません。
体と心のコンディションがよい今ならば、やり続けられるかも。俊輔ほど、調子がいいときに「楽しそうなプレー」をする選手を他に知りません。セットプレーも、単にボールをさばくシーンも、今の俊輔は楽しそう。それは、好調の証です。
さすがにスプリント回数に期待してはいけませんが、明日の神戸戦でも俊輔がどのくらい動き回っているか、それを継続できているかは、マリノス勝利のバロメーターとなるでしょう。
少なくとも今は監督が求める姿に応えてみせた。そのことが難しいと外野が言ってきた。監督も言っていた。でも超えちゃった。
やはり、やはり、結論は、そんなキャプテンと優勝したい、に辿り着きます。
残り4試合、怪我が癒えた今の中村俊輔には、MVPイヤーの一昨年に勝るとも劣らない何かを感じます。
我らと共に歓喜を。
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[{{image:520275,small}}](http://soccer.blogmura.com/f-marinos)
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