【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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広島ではゴールも、スタジアムも、存在も遠かった

広島駅の売店、駅前のコンビニ、お好み焼き屋、ホテルの中。

至るところに漢気が溢れていました。もちろん富澤清太郎の話ではなく、春に米国の巨額オファーを蹴っ飛ばした黒田博樹のことです。広島カープの象徴である赤ヘルは巷中で存在感を放ち、街全体が応援している感じがあります。

それは広島市民にとって歴史や伝統であると同時に、生活に溶け込んでいると言っていいのかもしれません。しかも広島駅前という本拠地・マツダスタジアムの立地。すっかり跡地になった広島市民球場平和記念公園原爆ドームという象徴的な場所でしたが、利便性はさらに向上したと言えましょう。

カープだから、あのような一等地に新本拠地を作ることができた。そう言ってしまえばそれまでですが、街中に新スタジアムをと意気込むサンフレッチェ愛する人たちの気持ちもよくわかった気がします。

エディオンスタジアムに初めて登頂しました。登頂という言葉が大げさでないほど、炎天下の登り坂を歩いたのです。バスを降りてから最後の道は、沿道にサンフレッチェを応援するのぼり旗がびっしりとはためいていましたが、そこにいたるまでの存在感はカープと比べてしまうとあまりにも希薄。

山の中で、市街地からのアクセスはマツダスタジアムとは雲泥の差であり、ちょっと今日はJリーグでも観に行くかと、なりづらい立地とアクセスです。アトラクションや出店も多く出て賑やかにしているのは救いですが、スタジアム周辺は寂しいのが本音でした。

その上に以前、スタジアム新設の議論が活発になるのが嫌だから、サンフレッチェは健闘はしても優勝はしないほうがいい趣旨のエライ人の発言で物議を醸したように「なんでカープばっかり!?」と怒りたくなる気持ちはもっともでしょう。

松本山雅が唯一無二の存在であるのとはだいぶ違う。松本では街でもタクシーでも、あらーマリノスの人たち、よく来てくれたねー!という感じが、広島ではそうした反応はまずありませんでした。

ただし、広島のサポーターは誇らしげでした。ま、年間首位と成績も優秀ですし。家族連れやお年寄り夫婦、多彩でした。

一方、遠くまで出かけて、徒労感の隠せないのはマリノスサポーターです。宮島観光して、いろいろ美味しいものを食べたのがせめてもの救いでした。

本当にゴールが遠かった。それだけでなく、スタジアムが遠く、帰りの空港もまた遠かった。

物理的な遠さは、一朝一夕にはいかんともし難いですが、それでも心理的にはもっとJリーグが身近なものになればいいのにな、と思いました。野球との比較にはあまり意味がありません。誰かが、横浜を取り上げて、ベイスターズのほうが露出されてて、マリノスは影が薄いと言われても反応に困るのは確かです。

チームの戦績がよくても、そうでなくても、大多数の市民に支持されるとしたら、その存在の価値は増します。

広島だけではなく、すべてのクラブが地元により根付き、より愛されるように。単に観客数が伸びてほしいだけでなく、誇りとしての存在感。

できることといえば、友達を観戦に誘ってお金を使わせること。これが俺たちのチームなんだよって布教活動を続けること。

ああ、そんな物好きな人たちの輪が広がりますように。

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