昨日に報道が出た時点で退団はとっくに決まっていたと思っていいでしょう。練習に姿はなく、夜には公式リリース。
日吉のヒーロー、漢・富澤清太郎の電撃移籍。行き先はジェフ千葉。ああ、なるほどなと思ったのは、圧倒的な存在感を放つパウリーニョの相方を千葉は探していたわけで、富澤は確かにピッタリの人材と言えましょう。
マリノスでのリーグ戦記録は、85試合9得点。怪我などの欠場を除けば、3年間、中盤の軸に君臨しました。なかでも2013年の中町公祐と組んだダブルボランチは当時のリーグ最強であったと言っても過言ではないでしょう。その前方に、MVPの中村俊輔がいて、マルキーニョスがさらに前方にいるという至福のとき。天皇杯で優勝したこの年、2回戦から決勝まで全試合に出場もしています。この時の栄光を思えば、こんなにも早く退団の日が来るとは信じられない思いです。
三門雄大の重用、喜田拓也やファビオの成長と台頭、セカンドステージは俊輔もボランチでの起用が検討されており、ここに中町、熊谷アンドリューもいるのだから、人員が過多なのは確かにそう。
1stステージで先発は4試合という起用を考え、今後の展望を見据えても富澤の年齢を考えると「ひと時もムダにしたくない」という気持ちは理解できます。
はっきり言えば、エリク監督の志向と合わない。それに尽きます。
また理解できるし、新しいチャレンジを応援したい、というのはカンペーの立場に立てばの話。しかし、マリノスの側に立ったらどうでしょうか。
選手層を考えると、「痛恨」の一言です。今から富澤に代わる人材が補充できるとは考えにくい。
ボランチもセンターバックもできて、遅攻時にビルドアップできる。高さで空中戦も任せることができ、強烈なミドルシュートもある。
さらに言えば、キャプテンシーに溢れ、ファンを大事にできる。
そもそもベンチに置いたままにするのは無理な選手かもしれない。だがマリノスが90分を戦う、しかも強かに勝利するには必要な人材であったことは論を待たないでしょう。
富澤のコメント「このタイミングでチームを離れることで迷惑をかけてしまうが、クラブと話し合い、最後は僕自身の決断をクラブに尊重していただく形で移籍することなった」
どれほどの慰留があったのか、それは分からないことです。コメントからは「君がどうしても必要だ、頼む、残ってくれ!」というより、「え?今すぐ移籍しちゃうの?困るなぁ」というニュアンスだったと読めるのですが、さすがに穿った見方でしょうね。
ただどうしても「カンペーにとっても必要なステップだった。仕方がなかったんだ」と自分を納得させることができません。千葉と富澤のタイミングとニーズが合致したのは確かですが、プライオリティーの高い選手だっただけに、引き抜かれた感が拭えません。強化部はこれで仕方なかったと本当に思っているのでしょうか。
すぐには残ったメンバーで戦おう!と前向きに切り替えられないほどの衝撃です。
富澤は、土曜の山形戦の試合前に、サポーターに挨拶をする予定になっています。
自動昇格圏まで勝ち点4差の4位、勝ち切れずにジワリジワリと後退していきそうな気配。しかもボランチが手薄。脂の乗り切った仕事人の働き場としてはいい環境でしょう。
もう今は、彼の新天地での活躍を祈るしかなく、そっとありがとうございました、とお礼を言うしかありません。
覇魂!…寂しい。寂しいなぁ。
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