【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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互角以上の戦い。顔を上げて、もっと高みへ (G大阪戦)

遠藤のFK、パトリックのボールに、小林祐三が触れ、あえなくマリノスのゴールを割る。

残念なことに、1シーズンに一度や二度、アディショナルタイムに追いつき、追いつかれることはあるのがサッカー。それがこの日だった。

絶好調とはいえない、ACLで疲弊した王者に対して、94分間ほぼマリノスのペースで試合をしてみせた。

プレゼントされたようなPKであげた1得点だったとしても、無意味に思えるチャージで赤紙が出て、わざわざ向こうが10人になったのだとしても、十分胸を張っていい内容だった。

同点のきっかけとなった遠藤のフリーキック。それを与えた2つのプレーが議論の対象になっている。

一つ目は、囲んだのにファウルをおかして、フリーキックを与えてしまった兵藤慎剛のプレー。要するに名手遠藤にあの位置でセットプレーを与える怖さを認識せよということ。確かに、囲んでいれば何もできなかったのに無理に奪おう、止めようとする必要はなかったかもしれない。最後の最後に出た焦りということだろうか。

あっちは10人なのにまるで11対11のようなプレーをしてしまったとは中澤佑二の弁。大一番だからこそ、最後の落ち着きが欲しかった。

もう一つのプレーは、今のファウルの場面から数十秒巻き戻す。左サイドの大外をドリブルで破った齋藤学はクロスを上げないべきだったというものだ。

アディショナルタイムも残り1分。「べき論」で言えば、学はコーナーアーク付近で時間稼ぎすべきだった。次の策は近くにいる味方へのマイナス方向のパス。

けれども、学は2点目を取ることに挑んだ。走りこむ伊藤翔は交代したばかりで元気いっぱい。だが惜しくも合わずにGK東口がキャッチして、すぐさまガンバの攻撃が始まり、やがて上述のファウルにつながるというわけだ。

マッチデーハイライトの放送内で水沼さんのインタビューを受けた学は、それは結果論としつつも、「間違いなく、キープを選んでいればあの失点はなかった。そこは重く責任を受け止める」と言った。

さらに、すぐに次があるので、次は結果を出したいと、前向きに語った。

ラストのほんの数プレーですべての因果関係を語ることなど到底出来ないのだが、本当の意味でのしたたかさがあれば難なく逃げ切ることができたのかもしれない。自然とそういうことができるかどうか、まだまだマリノスはウブだ。

大きな地震による10分弱の中断があった。その影響がどれほどあるかと心配したが、さすが日本のトッププロたちは水分補給の後は。ストレッチをしたり、細かな話し合いを行って集中を切らさなかった。

ではスタンドはどうだったか。ラスト10分、小椋祥平が登場した時のスタンドに強烈な違和感があった。

選手紹介時ならともかく、なんと試合中に「敵」の選手に温かな拍手。なんともユルい。そんなスタンドの雰囲気など選手のパフォーマンスには何ら影響がないという考える人でなければ、何かしら弛緩の空気がピッチに届いたかもしれない。それくらいの油断、のんき。

それにしても400試合出場の中澤佑二はこの日も素晴らしかった。ファビオの長い足も幾度となく危機の芽を摘んだ。

攻撃陣に目を向けると、アデミウソンのシュートが枠に行かなかったのが歯痒い。マリノスの決定機は、目を覆うような超逸機ではなかったが、アデなら仕留められるだろう!というものもあった。それだけの期待を彼は背負っている。

ほんの少しの巡り合わせで十分、2点目は取れたはず。1-0で十分だったという見方もあるが、いや、2点目を取って試合を決められたはずだと思う。真の強者なら、そうしている。

勿体無い形で、勝ち点2を失った。その事実は消えないが、前年王者相手に堂々と互角以上の戦いを見せた。

来月には早々に万博での対戦が待っている。この時はACLの対戦も関係なくフラットに戦えるだろう。向こうには今野が、こちらには俊輔がいるだろうか。万博で勝ち点3を今度こそ奪う。そこに向けてチーム力を高めていくしかない。

前を向こう。まだ強くなる余地はたくさん残されている。

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