ももくろのコンサート、なんて行ったことないけど、真っ暗になったスタジアムにペンライトやスマホのライトが揺れて、幻想的な世界が現れた。
まるでJリーグが開幕した93年の、ヴェルディ川崎対横浜マリノスを思い起こさせるような演出だった。
体育館の照明が点灯してから落ち着くまでもっともっと長い時間を要するのに対して、日産スタジアムの照明、あれは水銀灯ではないのか? はものの数分で安定した。
そんな暗転の余韻も冷めやらぬファーストシュート。齋藤学、アデミウソンと渡って、伊藤翔がGKに弾かれながらも、ゴールに流し込んだ。前半わずか4分のことだった。
直後には学も一対一の場面を作るのだが、これは決めきれず、そしてその後の戦い方、約80分は非常に拙いものだった。
試合後の選手コメントに意志統一が必要というのが何回か出てくる。一つには、どこから奪うか?ということだろうか。この日も曖昧だった気がしてならない。
浦和戦からの修正があまり感じられず、好きなようにやらせてしまっていた。右サイドに入った比嘉祐介もまた、ぶち抜かれるのを恐れていたが、本来の武器は球際の強さだと自分でも言っていたではないか。取りに行かないなら、取れるわけがない。間合いを詰めないから抜かれることはなかったかもしれないが、ほぼ全ての場面でクロスを上げられていた。その戦い方で良かったのだろうか。
失点もまた、一手の遅れが招いたものだった。ファビオは大事なボールをクリアできず、榎本哲也はキャッチに行ったところを弾いてしまい、目の前にはもう佐藤寿人の右足。万事休す。
途中で、例えば三門雄大と喜田拓也の役割は変化されられなかったのだろうか。ほとんど中央を経由してこないから、彼らがボールを奪う場面など皆無。彼らがもっと高い位置に、あるいはサイドで仕事ができれば。
結局マリノスの自陣深くからの反撃になるが、いまの精度では、塩谷、千葉、水本という実力者には守りやすかっただろう。シュートはトータルでもわずか5本にとどまっている。広島は18本。1-2というスコアよりも、5-18というシュート数の比較の方が、この試合を表すのにはしっくりくるかも。
だが、得点には結びつかなかったが、ラフィーニャが投入された81分以降、何かすごいことが起こるかもという予感だけで楽しかったのは、事実。一足先、63分に入っていた中村俊輔と、アデミウソンとの共演。さらには伊藤翔と齋藤学もそのまま残した攻撃偏重型だったが、いつになればこれを長い時間見られるようになるだろうか。
追いかける展開で、広島には冷静に逃げ切られてしまったが、個の力でゴリゴリやる戦い方も、それができるならばオプションの一つとして十分に楽しい。
また俊輔、ラフィともに間違いなくコンディションが上がってきているのは素晴らしいことだ。
前節に上昇気流を掴んだと思ったら、また敗戦。なかなかうまくいかない、というよりは実力がそのまま反映されての今の順位か。柏に勝ったのに、浦和広島には負けてしまうのは相性的には不思議なんだが、監督が代わるってそういうこと??
お次は、0-3から清水に追いついて勝ち点を拾った山形。去年のプレーオフといい、劇場型だなあ。
お互い中2日とタフなゲームになる。下位のチームからは確実に勝ちたいところ。俊輔とラフィが出場時間を伸ばせたら、希望が膨らむ。
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