【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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待望のゴール達と、手放しで喜べない一抹の何か。(湘南戦)

今までに仕留められなかった決定機よりはだいぶ難しかった気がするぞ、アデミウソン

前半9分、縦に早い攻撃が冴える。秀逸だったのは兵藤慎剛の落とすヒールのパスだ。自分は前を向き斜めに走り込んだまま、DFの動きを釣りながらだから、スペースが空く。「お手本のような」ではない、あれはお手本だ。いつだって兵藤のパスは優しい。

アデミウソンが突っ込むところ、左右からDFが足を出してコースを狭める。狙う技術があるから、これまで逆に決め切れなかったアデだが、キーパー秋元の動きもよく見て、右隅へ。

少ないモーションで早くて強いシュートが蹴れる非凡さを持っている。これまで得点に結びついてなかったほうが不思議なんだ、そう思うことにする。宇佐美のマネ?と思いきや、メガネをかけるような変なパフォーマンスを見ながら今後の得点量産を願った。

ホーム通算600得点はアデミウソンだった。こんな早い時間に得点をあげるのはいつぶりだろう。それからの時間、湘南がボールを保持するのも長かった。ただし決定機はほぼゼロ。唯一危なかったのは、80分過ぎの遠藤のバーを叩いたミドルシュートくらいではないだろうか。

その後、アデも、齋藤学も、あるいは三門雄大も、外す、外すよ決定機。

さっさと2-0にできる機会はいくらでもあったのだが、1-0で推移。湘南にもう少し推進力があったのなら、展開的には1-1のドローに持ち込まれていた可能性もある、そんな展開だった。

喜田拓也インターセプトとドリブル、最後の「学さん、ゴール差し上げます」のパスには、1点以上の価値がある。ブロックを作る、あるいは前に奪いに行く。確かに小椋祥平が退団し、今の喜田の力は唯一無二のものになっているかもしれない。後は、ひっかけられて、簡単に倒れることが減ればもっとチャンスを作れる。

学も、得点不足に苦しんできただけに彼が得点したことは本当に大きい。ヒーローインタビューでは喜びというよりホッとした「喜田に感謝」というコメントは本音だろう。

勝敗がほぼ決した後、味方のクリアボールを受けたラフィーニャの突破も力強く素晴らしかった。ディフェンスを引き連れると、最後はよく上がっていたな!の富澤清太郎。カンペーゴールで3-0。美しいカウンターだった。

今季初めてと言っていい、「薄氷ではない勝利」。いつも完勝、完敗ではチームは強くならないし、紙一重の勝負続きはやる方も観る方も消耗が激しい(笑)。

ただし、我々が恐れていたような湘南ではなかった。ゲームの入りに我慢してブロックを作って好きにさせなかったから湘南の選手たちが慌てたのか。ミスを恐れるようになったのか。湘南らしい縦へのチャレンジが少なかったことはチョウ監督も非常に残念がっていた。

何が言いたいかというと、圧勝だ!と喜ぶには、湘南サイドに問題があったように思うからだ。

何か物足りなかったのは、中村俊輔の試合出場はわずか10分余りにとどまったことだ。

1-0の試合展開、後半に再び湘南のボール保持が増えたこと、兵藤のアクシデントで早めに富澤を入れなければならなかったこと、交代枠をあまりに早く使い切るリスク。

だから、やむを得なかったのは確かだが、ラフィの調整が優先された事実も残る。また、明らかにトップ下のアデがハマり始めた。

アデ獲得の目論見が当初、怪我の多いラフィに代わるようなエースストライカー、チートなマキナ(機械)だったのに対し、彼はトップ下でこそ輝く人材だった。

だから伊藤翔は頑張っているけれども、ラフィの復調のプライオリティーは高いままだった。アデとラフィの競演は一定の成果をみせ、俊輔はアデに代わっての出場。

いまやアデはラフィではなく俊輔のライバルになりつつあるのでは。

ラフィをトップとした、アデと俊輔の2シャドウならば共存はできるだろうか。俊輔の離脱によって、戦い方の変化が促され、少しずつ熟成してきている。

エリク監督は、俊輔に調整の機会を今後も与えてくれるとは思われるが、先発復帰までの道のりはまだ見えてこないのが物足りないのは贅沢だろうか。

湘南戦快勝をただ喜ぶことはできなかった。ただ痛みが再発せずに、2試合目にも出場したことは復活への階段をまた一歩登ったことにはなる。

完全復活が待ち遠しすぎる。

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