敗色濃厚。アデミウソン、齋藤学、アデミウソン。いくつの決定機をまったくものにできなければ、いつしか相手に決定機が移る。そこに飛び出した鎌田のジャンピングボレー。ゴラッソ。
仙台戦だと特に、こういうゴールが実際に入ってしまう。
伊藤翔と矢島卓郎を相次いで投入し、下がったのは裂傷の兵藤慎剛と栗原勇蔵だった。昨年まででは考えられなかった異なるポジションの複雑な選手交代に頭がついていけないのが正直な感想だ。
もはや、ラストチャンスというアディショナルタイムだ。喜田拓也のふわりとした前線へのボールを鎌田がクリアするのを阻止せんと、矢島が競り合う。
意図せぬ方向に飛んだボールの横っ面を叩いたのはファビオだ。ダイレクト、これも10回蹴ったら8回は、バーのはるか上を越えるだろう。
しかし射抜いた。伊藤翔のPKでも、アデミウソンのシュートでも、学の突破でも崩せなかった六反勇次の壁を、ファビオが。
はっきり申せば、失点の原因を作ったのはファビオのクリアミスであり、まだワンプレーの時間が残されているにもかかわらず、逆転を意識せずに、同点ゴールの余韻に浸っていたその姿には苛立ちも覚えた。
だが、紛れもなくあのゴールで、首位グループとの勝ち点3差を堅持した。
勝てたかもしれない。いや、勝てた可能性は十二分にあった。ただ1-1の結果は「御の字」でもあった。
考えてみてほしい。苦手の柏と仙台の2連戦で勝点を4積んだ。同じく苦手の大宮、C大阪とは今季対戦がない。
したがって対戦スケジュールとしてはこの先、合口のいい相手が待っている。俺たちの埼玉スタジアム然り。は、去年は負けた? そうですか。
逆説的には、だから、取れておかしくなかったもうプラス2の勝ち点が惜しくてたまらない。
あの試合を逃げきれない仙台の脆さと、勝ちゲームに持っていけないマリノスの危うさは結局のところステージウイナーに相応しいのかどうか。
アデミウソンが、スーパーでスペシャルであったならば、2-1のスコアがあり得たかもしれない。こと、この試合に関して言うならば、アデミウソンは持っていなかった。けれども、この数試合、彼がいたから、なんとかチームとしての形を保てたことを否定する人も少ないことだろう。私はもし彼が来日していなかったことを想像した時に、明確にゾッとする。
運動量とか決定力とか、いろんな問題はあるにせよ、アデミウソンあっての攻撃陣になってきていることは間違いない。
兵藤のコメントにあったが、この日のようにアデミウソンを孤立させるようだと、彼の威力は半減、もしくはそれ以下にまで堕する。
その点では、来週にはいよいよ真打、周りを生かし、自分も生きることにかけて天才的な中村俊輔が還ってくる。最低でもベンチには入ることだろう。
この日の勝ち点1をどう捉えるか、良かったと言えるかは、今後にかかっている。
気づけばもう1stステージは3分の1が終了、この展開の早さにまだまだ頭も体も慣れないなぁ。さあ、次だ、次。
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