【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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サクラの日立台に、トリパラ満開。ついに、やった 〜4節・柏戦(柏) 2-1

なぜだ、一体なぜなのだ! 喜びとともに、疑問が解けない。

右サイドに移った三門雄大のクロスを伊藤翔がヘッドで叩き込み、同じく三門のグラウンダーのボールを下平匠が押し込む。

歓喜歓喜。だが、現場ではついに分からないままだった。なぜ、あの場面、二人ともフリーだったのか、少なくとも我々の前では「堅牢アルカトラズ」の日立台が、監獄のような黄色い柵と、黄色い選手が立ちはだかる門が、開かれたのか。

日立台では決して負けない柏レイソル、1年ぶりの陥落。マリノスがリーグ戦で勝ったのは7年ぶりのことになる。その時にマリノスに決勝ゴールをもたらした狩野健太は、柏のベンチに座って、すでに3年目。あれから、長い時間が経ったのだ。

あと5時間くらいなら余裕で運転できた。ほぼ、疲れがゼロのハイテンションで、都内の自宅まで戻った。いつも、柏駅前の駐車場を予約していたのだが、そこを使いたくなかった。その駐車場は柏が勝つと、駐車料金が割り引かれるサービスを行っていた。

いつも、いつも、私たちは失意とともに、割引料金を支払っていた。倍くらい払ってもいいから、勝ちたいのに!

私はゲンを担いで、その駐車場を使うことをやめた。だが、車で行ったことのある方ならよくお分かりのように、あのスタジアムの周りにはコインパーキングが数える程しかない。夕方の渋滞に巻き込まれながらも、随分と離れた市営の駐車場に、やっとの思いで停めたのだった。

スタジアムからの往復は当然ダッシュ。柏のサポーターがガッカリした様子で家路を急ぐ姿を見るのは、私はこの日が初めてだった。

繰り返し、録画を見た。失点シーンは、リスクマネジメント。良いテンポで攻撃が進んでいたときによくある落とし穴というヤツか。ちょっと気持ち良くなってしまっていたのかもしれない。

戦前の展望でも書いた、一瞬の隙。これは作らないように努めたところで防げるものではないだろう。あのワンチャンスを生かしたレアンドロがさすがであった。その前の武富のパスもいいし、クリスティアーノが斜めに走ったことで小林祐三が引っ張られている。

ああ、いつもの失点だ。マリノスがイニシアチブを取っていただけに悔しい。その後、私たちがよく知っている、日立台なら堅牢の中にボールは押し込まれ、マリノスの攻撃は単発の突破に終始し、攻め込みかけたところを再びカウンター一閃。0-2でジエンド。

武富のシュートが三門の背中に当たってポストに弾かれたシーン。工藤がゴール前で押し込んだボールがわずかにバーの上に飛んだシーン。柏には2-0にするチャンスがいくつもあったのだ。

ちょうど先制される直前までマリノスが攻め込んでいたように、決めるべきところで決められないのは、必ず流れを手放すことにつながる。

またファビオ→伊藤、小林→中町公祐の交代が、流れを引き寄せた。ファビオを下げたときはおいおい大丈夫かと思ったものだが。

73分、この日最も走った兵藤慎剛が、前を向く。クリスティアーノは守備時には頼りない。慌てた大谷が後ろから兵藤に体当たりで倒そうとするが、兵藤、動じない。

後ろから、思い切りよく飛び出してきた三門へ。ワンタッチクロス、伊藤翔が飛び込む。アデミウソンを受け持っていた鈴木が慌てて伊藤に寄せたがまるで遅かった。

この時、柏の枚数は揃っていた。ただ、エドゥアルドがボールウォッチャーになった。伊藤と最終ラインには微妙な距離が空いていた。

アデミウソン封じを担い、一定の成果を上げていた鈴木はその役割に縛られていたのかも。アデミウソンは苛立っていたし、つまらないロストも増えていたし、最後は走っていなかったのだけど、元気いっぱいな伊藤を放っておくとは…。まさに柏に生まれた一瞬の隙。

では、決勝点のシーンは。これも、リスクを取って、両サイドバックがよく飛び出した。

GK菅野のクリアを、齋藤学がうまくマイボールにして落とす。すでに、下平と三門の位置はハーフウェイにはいたが、そこから、学や兵藤が絡む間、途中パスミスもあったのだが、柏のプレスがはまらない。

結局、三門があがる時間も確保され、「ディフェンスとキーパーの間を狙ってクロスを」という狙いと、精度が素晴らしく、伊藤が…いや、後ろから来た下平が見事に押し込む。

まずは終盤でもよく走った選手たちを絶賛したい。コンディションも、メンタルもいい準備ができている証拠だろう。

ただ、菅野のポジションがやや中途半端で、またも守備の人数はいるのに、下平はフリー。

負けるべくして負けたとは、吉田監督の談話。柏に起こっていたことを長々と書くつもりはないが、マリノスの最初のハイプレス作戦でイニシアチブを握っていたことが、後になってボディブローのように効いてきたのかな。

マリノスのハイテンションに付き合わせることに成功したことが、知らず知らずに頭も体も疲弊させていた。だとすると、高いモチベーションでゲームに入れるかということが本当に大事だな。

アディショナルタイムの耐える時間はいつも以上にドキドキハラハラだったが、その分終わった時の喜びには、積年の鬱憤が爆発したように思う。

現地でこの瞬間を迎えられて、本当に良かった。トリパラ満開は今までに見た中でも屈指の美しさだった。

この敵地での逆転勝ち。勝ち点3。今季初めてフォワードが得点を挙げた。これで勢いがつかないほうがおかしい。

4月、春とともに進撃の季節へ。俊輔の復帰も、まもなくだ。

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