横浜の最終兵器にして、今季最大の大型補強と言われる、サンパウロFCのアデミウソンが8日夕に成田空港に到着した。入団内定の発表から早1週間。開幕戦の結果、内容に打ちひしがれた我々には待望のニュースだった。
ホテルに入った本人が来日した最初のTwitterには、部屋からの見事な夜景が紹介されている。good night Yokohama! というメッセージとともに。
14日のFC東京戦を目指す、アデミウソンへの期待のハードルはとてつもなく高い。活躍できるかどうかのレベルでの議論を多くの人が望んでいない。初ゴールはいつ？ いったい何点取るのか？ 「年代別セレソンの10番」という金看板はそれだけで、我々を期待させる。
ならば、まだ21歳。心配なのはメンタルだ。28日に公式HPで発表されたコメントを見ると、一瞬不安になった。
「F・マリノスのようなビッグクラブと契約ができて幸せです。F・マリノスが関心を持ってくれたという今回の話を代理人から聞いた時は、とても嬉しく思いました。正直、自国からとても遠いことやブラジルと全てが違う場所に行くという事は、自分にとってとても大きな変化ですが、移籍に関してはチャレンジすることを即決しました。さっそく横浜のことを知りたくて日本でプレーしている友人に聞いたら、みんなが横浜のこともF・マリノスのこともとても良く言っていました。今年F・マリノスが掲げている目標を成し遂げられるよう力になりたいと思っていますし、ぜひタイトルを取ってみんなで幸せになれることを願っています。」
優等生。言わされている臭を感じる。
あの風貌、あの才能。悪そうなヤツは大体友達に違いない。或いは触るもの皆、傷付けてきたと相場は決まっている。そう思っていた。
練習合流初日から報道陣、とくに多数のテレビカメラが取材に訪れていた。監督もまた「彼の実力は分かっている」と特別待遇による調整を示唆していた。これぞまさしく鳴り物入りでの入団というやつだ。
この日はサブ組と一緒に練習したが、コンディションが戻るのを監督らが見極めて、じきにレギュラー組にはいるだろう。
果たして、成功できるのか。どんな性格なのか。
個人的には、いいヤツでなくてよい。ふてぶてしいくらいの方が安心する。日本リーグ？まったく腰掛けにしか思ってないぜ。シティの連中が俺様を試したいなんてアホなこと言うからな。まあマンチェスターよりもヨコハマのほうが楽しそうだからな。せいぜいエンジョイするわ。得点王タイトル？ アマチュアリーグのそんなものに何の価値もないが、40点取れなかったら裸で踊ったるわ。…ま、さすがにこのレベルだと性格悪いというか、協調性がないと思うが、セレソンの10番、役者の違いを見せつける気満々でいて欲しいものだ。
また、プレーだけでなく性格も「俺様」のほうが、異国でも短期間で活躍できそうだ。
そんな色眼鏡たっぷりでいたら、あら。練習着姿がやけに凛々しいのだ。顔つきも精悍、絞れていて、イケメンである。
同郷のファビオはもちろんのこと、中澤とも笑顔でランニングをこなす。あれ、ひょっとしていい人？
練習後には各社の取材に応対、この中でナカムラとホンダのことは知っていた。早くナカムラと一緒にプレーしたいと、我々の心を鷲掴みするようなコメントまで飛び出した。
セルティック時代の欧州CLで知ったのか、10年前の日本対ブラジルのコンフェデ杯で決めたミドルシュートを覚えているのか、ぜひ聞いてみたいところだが
、相変わらず俊輔のレジェンドっぷりには驚く。どんだけ有名なんだ。
その俊輔。時期はともかく「間もなく帰ってくる」と監督が話した。え、間もなく？4月中の復帰ではなかったのか。
14日のFC東京戦でのスタメンはあるか？途中出場なら、何分出られる？ TBS地上波での放送が決まっている中で、今節注目の試合となるだろう。
周囲がどれくらい彼を生かせるか。「戦術アデミウソン」が成立するのなら、監督は躊躇なく、それをよしとするだろうか。俊輔の練習復帰が早いほど、アデミウソンの活躍もより顕著になるだろうか。
これからアデミウソンの実力が明らかになるとともに、我々の希望が広がることを願って。
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