どうやら来ちゃいそうである。
本当にこのクラスの選手がマリノスに加入するのか。
アデミウソンこと、アデミウソン・ブラガ・ビスポ・ジュニオールは21歳、FW。名門サンパウロFC、2016年のリオ五輪で母国のエースを期待される21歳以下のブラジル代表だ。年代別セレソンの10番(!)である。
現地の報道によれば、シティとの交渉が決着し、15年12月までの期限付き移籍で提携先のマリノスに加入すると、すでに25日に話がまとまったという。
ただの若いブラジル人FWではない。4年前のU-17W杯では5得点で得点王、そのうち準々決勝では日本と対戦し、川口(新潟)や植田(鹿島)の守備陣を個人技で翻弄した。
報道によれば、ストライカーとしての一番の売りが小さなスペースでもミドルシュートを狙える、右利きながら左でも正確に枠を捉えられるシュート力。
おいおい、ブラジルでそんなことを売りにできるクラスが来ちゃうのか。マリノスに? 信じられないレベルである。
移籍実現の立役者はシティグループだ。過去の外国人選手獲得の経緯からして、失礼だがマリノスの力だけで実現できるレベルの話を大きく超えている。
シティとの提携が具体的に生きた事例はモンバエルツ監督に続いて2例目と言えるだろう。ラフィーニャ依存のリスクを指摘されていた中で、大き過ぎる朗報である。
だが活躍すれば一年でマリノスを去ることになるだろう。750万ユーロとも言われる移籍金が発生している今回の移籍で、うまくいけば当然、冬にはマンチェスターシティ行きが既定路線。でなければ、日本でのプレーを選ぶような選手じゃないはず。
サンパウロは今年、コパリベルタドーレス、すなわち南米王者の座を目指して選手層が厚い。パト、ガンソ、ルイス・ファビアーノなど、我々にも名前の知られた選手が前線に名を連ねており、アデミウソンのレギュラーの座は見えていない。
17歳時の活躍をもとにミランやレアルマドリーも関心を寄せていた逸材だけに伸び悩みの感もあったのかもしれない。
シティとしては、将来への投資だが、今のマンチェスターシティでは実戦経験も積ませづらい。自らが送り込んだ監督の下で海外生活もできる日本で育ててみよう。マリノスに送り込めれば、欧州のライバルに強奪されるリスクも極めて低減できる。そういうシナリオではないか。
さて、以前のフッキのように大暴れしてくれるだろうか。反則級!チート!などと叩かれるくらい活躍するだろうか。
ACL苦戦の打開策として、こうしたトップクラスの外国人の補強が重要と言われていた。(ま、今年は逆立ちしてもACLにはご縁がないのですが) それをよそからローンで貸してもらえるのだから、マリノスに美味しい話であることは間違いない。
だが今後もこのように高規格の選手を送り込まれたら、今のチームはガラリと変わる。強くなるならいいという考えも分かるし、クラブとしてのアイデンティティーを問う声があってもいい。
有望選手の踏み台となるのがいいことなのか、沽券にかかわることなのか。今後の外国人選手の補強についてリーグ全体のトレンドになるかもしれない興味深い例だ。
開幕戦には間に合わないだろうことが残念だが、戦力的には大きくアップし、一気に期待感が膨らんだ。
もう決まったベースで踊り狂ったように書いたが、公式発表はまだだ。開幕まであと9日、規格外の到着を待ちわびている。
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