右足でのシュートをキーパーに阻まれた跳ね返りを、そのまま自分の頭で決めてしまう。ゴールへの執念ってこういうこと。
去年もバーに当てた自分のシュートを自分で押し込んでいたな、と思い出してしまう。
そして川崎、神戸、神戸。と得点ランキングを見ると、いつの間にか、マルキーニョスは2位につけていた。堂々の14得点。冒頭の得点は前節の神戸対大宮、52分の決勝点だった。
誰かが言った。昨季終盤のマルキーニョスはまるで点が取れなかった。だから再契約しなかったのは適切な判断だと。
ところが今年、マリノスのトップスコアラーは伊藤翔の5得点。マルキはこの2年で30点。ぐうの音も出ない。まずはものすごい選手だったこと、それを自ら失ってしまったことを認めないといけない。もちろん、契約途中で天皇杯を棄権してしまったマルキにも言いたいことはあるけれど。
今年、マルキがいたらどうなっていただろう。もちらん神戸にはペドロも森岡もいる。マリノスでもそのまま14得点だったかどうかは分からない。だが「マルキーニョスの穴」が埋めきれなかったのも事実である。
同じ背番号18の系譜を継いだラフィーニャはその穴を埋めるかに思えた。だが確かに輝きを放ったものの、負傷の影響であまりにも短い期間となってしまった。今はただ今年中の復帰を祈るのみ。
来季に向けては、ラフィーニャの契約延長がまず最大の優先事項となる。それができないなら、マルキーニョスの再獲得だ。逆戻り感や、去年の交渉決裂の経緯から、感情的には受け容れられない人が多いだろう。
でも二桁得点をあげるエースストライカーは簡単に育成できない。ならば、取るしかない。もちろん第一候補はラフィーニャ。だが無理なら?
その後の優先順位はきちんと整理されているのだろうか。シティグループから借りられるのか。
サンプル数が真夏の数試合だけだが、あのときのラフィーニャの輝きはマルキーニョスの決定力に比肩しうると見ても差し支えないだろう。年間コンスタントに出られれば、得点王レースの上位に顔を出していても不思議ではない。
そんな優れた最前線の選手がいれば、我らが中村俊輔の良さもさらに引き出されるというものだ。
2年連続の得点王が狙える大久保嘉人には、FC東京がオファーだそうだ。欲しがる、欲しがる。取れるかどうかはわからないがマリノスももっと欲しがっていい。欲しがらなければ誰も取れない。
強力なピースが欲しい。
よく、1-0で勝ち切るサッカーと、5-4で撃ち合いを制するサッカーとどちらがいいかという比較を持ち出されるが、本気で優勝を狙うなら、5-0を目指す。
こちとら、30節現在のリーグ最少失点。どんなに取られたって3失点の試合が年にわずかにあるだけだ。点が取れりゃ、たいてい勝つ。どんなに、世界の強豪だって1-0で勝ち続けることなんてできない。
もちろん既存の選手、新卒の選手にも期待していないわけではない。核となれる存在ならば、好き嫌いはない。ただやはり、教えられて身につくものでも、鍛えることで体得できるものでもない「得点力」、「決定力」。
来年こそは、などともう言わないための大事な駆け引きの期間は、もう始まっている。
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