【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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正しい「目標設定」をすぐに行うことの重要性

27試合を終えて、10勝7分10敗。

リーグ10位、29得点24失点(+5)。

見事に中位な成績と言えるだろう。昨年、2位に甘んじ、今年こそはと望んだシーズンでないのなら、ここまで悔しがらないかもしれないが、あと1勝、首位の浦和が勝ち星をあげたら優勝は完全に消滅するという現実。

それが7試合残で、10位程度のチームのポジションというものである。

現行の34試合、1ステージ制になってからのマリノスの戦績と見比べてみよう。

2005 9位 48 12勝12分10敗 41得点40失点(+1)

2006 9位 45 13勝6分15敗 49得点43失点(+6)

2007 7位 50 14勝8分12敗 54得点35失点(+19)

2008 9位 48 13勝9分12敗 43得点32失点(+11)

2009 10位 46 11勝13分10敗 43得点37失点(+6)

2010 8位 51 15勝6分13敗 43得点39失点(+4)

2011 5位 56 16勝8分10敗 46得点40失点(+6)

2012 4位 53 13勝14分7敗 44得点33失点(+11)

2013 2位 62 18勝8分8敗 49得点31失点(+18)

ふと冷静に見ると、今季の戦績というのは、連覇以降の05〜09年に訪れたプチ低迷期の数字にそっくりなのだ。

今はちょうど、勝ちと負けの試合数が一致しているが、もしも残りの試合を負け越すようだと、06年以来の黒星先行ということになる。

またこの中で最高成績の昨年でさえ、得点数は40台。終盤に得点力不足に泣いたことから考えると、慢性的な症状であるわけだ。

その得点数も今のままなら、初の30点台の可能性が高い。まさに慢性期の中でも特別な1年として歴史に刻まれるわけだ。

にわかな私には、最近の好成績の印象ばかりが強いが、ここ数年が強かっただけとも言える。中位に「戻った」だけなのだなあ。

何も恥ずかしいことでも、悔しいことでもない。中位にいられるなら、降格の恐怖もリアルなものとしては感じられない。優勝争いをしなくてはならない、という鼻息荒くイレ込まなければ、中村俊輔を生で見られる楽しさは動かないのだ。

ただし、得点を競うスポーツにおいて、得点が入らない、その予感さえ少ない試合をずっと見るのは精神衛生論ではいいものではない。いくらなんでも、今の攻撃の手詰まり感は見る側のストレスにもつながる。観客動員が大きく落ち込んでいることの要因になっている。

もう一つ、仮説だが、現在の異常とも言えるケガ人の多さについて。練習試合でも、兵藤がボランチを務める事態にまでなってしまった。

この2、3年、ACL出場やリーグ優勝を目指す、張り合いのある戦いが続いた。その間、モチベーションは高かったが、心身ともに負担も大きかった。俊輔、中澤佑二はもちろん、富澤清太郎栗原勇蔵と30を超える選手は少なくない。またプロフェッショナルであればあるほど、目の前の戦いの意義が大きければ、痛みをごまかし、忘れようとする。

だからモチベーションが連続していた、昨季まで、厳密には今年の前半までは、選手の年齢層の割には、また固定メンバーと言われる割には、ケガ人が異様なまでに少なかったのではないか。

失速した今年、挑んだタイトルからどれも早々に脱落して、ついに「やりがいのある戦い」が途切れ、モチベーションにも何らかの影響を及ぼした。戦いの意義がなくなったことで、ケガ人の続発につながった。穿った見方かもしれないが、仮にそうだとすると、今必要なのは「目標設定」だ。

ただし、「残り試合全部勝つつもりでがんばります」というのは、目標設定と呼ぶにはあまりにも曖昧すぎる。そして大義がない。ACL出場? それもいいが、自力での獲得はないわけで、説得力に欠ける。

もう、「戦い方の再構築」しかないのではないか。とにかく不足している攻撃時のアイデアを話し合って、研ぎ澄ましていく作業だ。一昨年のホーム・磐田戦(4−0)で始まった、ワクワクするサッカーは1年半程度ですっかり消失してしまった。中村俊輔バージョンと、中村俊輔不在バージョン(ここには俊輔が不調のときも含む)の再構築。

今のままでは、樋口監督が来季以降も指揮を執る可能性は高くない。だからといって、来季に新指揮官のもとで、リスタートするのは時間がもったいない。

優勝争いをできる力を蓄えるためには補強、戦力の刷新も必要だろう。だが、今いる中軸選手をどう生かすのか、どう奮い立たせるのか。彼らがその気になれば、応援するスタンドの雰囲気もまた、変わるだろう。

ただ単に勝つところが見たい、ということ以上に、マリノスが崇高な目標をもち、それに向かって励まし合い、躍動する姿が見たいのだ。

今すぐ目標設定を。大義ある戦いを。

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