今年の第4節の記憶は、開幕3連勝の勢いを完全に削ぎ、急ブレーキをかける試合だった。
ひいて守る甲府。それに対し、ボールを保持するだけで満足し、カウンターを極端に恐れるマリノス。
言わば、両チーム合作のアンチフットボールであったと言っても、言いすぎではあるまい。
思えば、昨年のリーグ戦も地味な展開だった。
ホームでは俊輔の開始4分のフリーキック、GKの処理ミスとも言える形で先制点をあげるも、後半ATに青山直晃のラストプレー弾が決まってドロー。アウェイでは、今年の小瀬のゲームほどではないものの、お互いにチャンスらしいチャンスが作れず、スコアレス。
地味な展開になる理由はさっと2つ考えられる。
1つは甲府が、J1残留というリアリズムの中で穴熊戦法を取るから。
もう1つは策士、すなわち対戦相手をより深く研究してくる監督をマリノスが苦手としていること。柏・ネルシーニョ、前仙台・手倉森、甲府・城福といったところか。
さらに、中村俊輔、ラフィーニャ、中町、小林。出られない主力、多すぎだ。
守備偏重の穴熊を穴から引き摺り出すのは、容易なことではない。ことに、攻撃の形つくりに問題を抱える今のマリノスがゆっくり慎重にパスを回して、甲府の5バックを崩せるだろうか。あまりイメージができず、むしろ小瀬での退屈な90分が思い起こされるのが自然だ。
カップ戦含め、今月は流れから奪ったゴールは、柏の第1戦の中町だけ。俊輔欠場が濃厚と言われる中で、頼みのセットプレーも威力の低下は避けられない。
そして、甲府には残留という大目標がある。
マリノスには、何がある?
今年、カップ戦と天皇杯での敗退と、人種差別的な挑発行為の川崎戦。ドゥトラのホームラストで勝ちきれなかった神戸戦。苦い思い出の多い、今年のニッパツ三ツ沢球技場。
ニッパツでの今年のラストゲームだ。我らの庭での締めくくりはきちんとしなくてはならない。
平たく言えば、取り返せない敗戦の記憶を、せめて会心のゲームで雪ぎたいのだ。
意地を見せなくてはいけないのは誰も同じだが、特に藤本淳吾だろう。前節、俊輔が途中で退いた時に、佐藤優平が起用され、淳吾はベンチにいたままだった。俊輔不在の試合で、「使う側の選手として何ができるか」これは今後の淳吾の起用法にもかかわる試合になるだろう。
ブルドーザーのようにボールをかき集める小椋祥平を恐れて、中盤の頭上をボールが行き交う展開が予想される。数試合、空回りが続く齋藤学が相手を引きつけてスペースをつくれるか?
それを誰が利用できるか?
兵藤慎剛、伊藤翔、またPKだって構わない。オウンゴールでも結構だ。とにかく、もう塩っぱい甲府戦はゴメンだ。
今年最後の三ツ沢で、俺たちの声に魂とゴールで応えろ。
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