【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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バンデーラ初体験。飛び跳ねた先にあるもの

バンデーラとは英語でバナー、日本語で言うとタスキのことだ。スタジアムのゴール裏では最も熱心なサポーター、応援団が陣取る震源地である。

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日曜の瑞穂陸上競技場、一人の男が、そのバンデーラ筆下ろしを果たす。そう誰あろう、このブログの中の人である。普段は4歳の息子、シュンスケを連れていることもあって、そこまで震源地には近づけない。だがこの日、男は単身であった。

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だがゴール裏の中でも、緩い感じの席に座る予定だった。周りも座って観戦しているようなところにね。だが、バンデーラの外に座っている観客を、金髪のイケメンボーイが誘いに来たのだ。「一緒に(バンデーラの)中で応援しませんか?楽しいですよ。」

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辺り一帯の人に優しく声をかけている。すぐに反応して最前線に向かう人、おれはいいやと苦笑いをする人、反応は様々だ。だが誘いもけっこうしぶとい。

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「少し空いちゃってるんで。いい機会ですから一緒に応援しましょうよ!」

3回くらい誘われて、私は腰を上げてバンデーラの中へ向かった。

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応援スタイルは人それぞれだ。立って、飛び跳ねて、声を枯らすまでやる応援と、座って手拍子だけする応援、あるいは応援には関与せず、じっくりとサッカーを見る。どれも自由でこれらに優劣はない。ただ未経験のものに最もハードルが高いのは、90分飛び跳ね、歌い続けることだろう。(実際には90分飛び跳ね続けるわけではないのだけど)

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瑞穂陸上競技場に貼られた10本前後のトリコロールのタスキの後方には確かに空席があった。バンデーラの外のほうが埋まりがいい。たぶん私のように、「中心地で見たいけど、バンデーラの中は荷が重い」層はけっこういるのだろう。

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ちょうどキーパーの練習が始まる時間だ。私はトリコロールのバンデーラを握りながら、手触りを確かめる。これに触っていると、なんだかいつもより大きな声が出る。そんな気がしてくる。恥も何もない、応援するために私はここに立っている。中に入ってしまえば、初体験も常連もあまり関係ないのである。

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気がつくと私はジャンプを始めていた。ただし傾斜のあるスタンドで飛び跳ねるのは危険なので厳密に言えば、膝を浮き沈みさせる、ハイペースの屈伸運動に近い。

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この日、最も大きい声援を受けるのは、現役最終戦ドゥトラだった。ドゥトラの名前をコールするときは音圧が違った。試合前から、何度も何度も彼の名がスタンドから呼ばれた。

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試合は中村俊輔の右足から先制点。周りの知らない人とハイタッチで祝う。おお、ここで応援して良かった!

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この後も攻撃は続き、前半だけで何点取れるかという展開だったが1ー0どまり。私はというとハーフタイムを迎える頃、すでに膝と足首が痛くなっていて、もう限界だ、ここから脱出だ、と思った。だがどうせやるならフル出場と思い直し、後半も同じ場所で応援を続けた。

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最終的には引き分けに終わってしまい、私のバンデーラデビューは甘い記憶にはならなかった。名古屋を離れ、出張先の新大阪に向かう新幹線ではもはや体が鉛のように重く疲れ果てた。

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ただし、ノドは大丈夫。やはり手拍子と声だけの応援には体は慣れていて、そこに体の動きが加わると、もうタイヘンなのである。

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ちなみに、バンデーラの中に入るのは誰でも自由だそうだ。毎試合でなくたって構わないだろう。いつでも、どこでも。もちろん入るからには最後まで全力で応援する責任はあると思う。「応援感」を味わいたい人は気軽に挑戦してみるといい、と思った。

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一方、攻撃系のアップテンポのチャントになると、前方の席で大きめの旗がずっと振られるのはどうにかならないものか。たとえば後方席だけOKとするとか。この日の私の場合、右前方で旗が大きく揺られるため私は向かって右側のピッチ、3分の1が見えなくなるのだ。

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ただ、旗の後ろで観戦してる人はそんなことは始めから承知しているようにも見えたので、新参者がとやかく言うことではないのだろうが。

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ま、試合の中身をちゃんと見たいならばこの席ではない。でも試合は後から録画を観れば分かるが、この雰囲気が味わえるのはここだけ、このときだけ、というのも真実だ。

醍醐味は、そこにある。

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それにしても疲れた。雰囲気は楽しく、少し緊張感。

次はホームでのバンデーラも体験してみようと思う!試合レポはグダグダになるけど!

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