【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

連覇に向けて発進。マリノスのある日常はかくも楽しく。

横浜FM 3 - 0 ホンダロック (7月12日、18:00/ニッパ球/5,821人)

得点者:45'+1 兵藤慎剛、50' 端戸仁、85' 天野純

天気:晴、弱風 気温26.3℃ 湿度57%

芝状況:全面良芝、乾燥

主審:池内 明彦

副審:原田 昌彦、今岡 洋二

鹿島、仙台、神戸。ジャイキリの餌食となり、大会を去った。セレッソや川崎も延長で辛くも勝利するなど、J1勢が初戦でこれほどまでに苦しんだのは記憶にないほど。いつもと異なり、大きな中断期間の後で調子があがらず、対戦相手は普通に公式戦をこなす中でのリズムの違い。我々が思う以上にプロのチームも、ナイーブな存在だ。

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下位カテゴリーのチームと、久しぶりの実戦など誰もが難しい条件。ほぼベストメンバーで臨んでそして敗れた衝撃は大きい。その意味で、まずは3−0という危なげないスコアで勝ててよかった。しかも火曜日の広島戦で先発するであろう主力選手を休ませることができた。若手主体のメンバーで結果を残すことができたのもよかった。だが、10人で守備ブロックを作るホンダロックを崩せなかったこともまた事実である。

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リーグ戦ではもちろんのこと、天皇杯であっても、もうJFLクラスの相手とやる機会はない。だから、この試合で出来たことが、もっと強敵を相手にしてもできるのかは別の問題だ。兵藤が前半のアディショナルタイムに、気迫でヘディングでねじ込んで1−0でハーフタイムを迎えることができた。ほぼチャンスの形が作れないまま、無得点だったならばもっと重苦しい雰囲気だったことだろう。齋藤学は調整での出場以上の役割を負わされていたかもしれない。

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そんな冷静な頭で褒めたいのは、アマジュンと、キーボー(負傷の藤田に代わって前半の途中からボランチで出場)である。アーマ・ジュン!アーマ・ジュン!と、昨年在籍したブラジル人ストライカーの名を呼ぶときと同じリズムで呼ばれることが今日分かった。そう、今日。何しろプロ初出場、初スタメンの天野純順天堂大卒のルーキー、22歳。来週の19日に誕生日を迎える。

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「テクニックはあるが、線が細過ぎる」という印象の天野だが、韓国遠征、十日町キャンプでフィジカルを強化できたのだろう。立派な体つきになって来たのが頼もしい。そして一瞬のプレーのひらめき、巧みなボールコントロールは見ているものをワクワクさせるという意味で魅力十分だ。

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チーム最多の6本のシュートを放ち、プロ初ゴールも記録。前半のリズムが悪い中でもとにかく積極的。絶対に何かを起こしてやろうという強い意志を感じた。ただし、こないだのオランダのように特にリスクを負って攻めることもなく、はじめからPK戦狙いなの?という相手の場合、それをこじ開ける力がこのチームには乏しい。

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もちろん、栗原勇蔵や矢島のような鎧をまとう必要はないが、あたり負けない体は必要。さらなる精進を期待。相手のプレッシャーがある中で打開できるフィジカルを身につけて欲しい。それくらい攻撃センスに溢れている素材だと信じたい。

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もう一人、リオの星・喜田拓也はトップ昇格後の初出場。すっかりJ-22選抜の選手になってしまっていたが、今年試合出場が増えた影響なのだろうか、すっかりボランチが似合うようになり、アクシデントによる途中出場でも堂々とプレー。

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相手にボールが渡ってもすぐに取り返す守備に加え、先制点につながる突破も見せ、スタジアムを湧かせた。やっぱこういう若手選手は、試合に出れば出るほど伸びる。ただしいきなりは結果が出ない。そこがジレンマだ。

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この試合だけで、連覇に向けて視界良好とまでは言わないが、若手選手の多くが持ち味をしっかり出して、結果も伴ったことの意味は、マリノスにとって小さくはないはず。

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オフ明けの6月に選手の前で、そしてファン感謝デー「トリフェス」で樋口監督が言った言葉は、12月にあるリーグ最終戦天皇杯決勝に向けてしっかり半年間戦って行こうというもの。リーグ再開となる今週からが本番だ。戦いはこれからだ。

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最後に、今月限りでの引退を発表しているドゥトラに向けてドゥトラ・オブリガード!のチャントを連呼して、一旦はロッカーに下がったドゥトラがカーテンコールのように登場。束の間ではあったが、チャントにあわせて踊ってくれるなど相変わらずのいい人っぷりを発揮していた。

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ロック総統いわく、JFLでも「ええじゃないか」。その言葉のニュアンスにあるように別にJリーグを嫌っているわけでもないし、単にアプローチの違いだろう。天皇杯ならではの楽しい光景だった。プロ初ベンチ入りの鈴木椋大がウォームアップで緊張している様子を見守る温かな声援も、のどかなものだった。

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今年も、マリノスが優勝したって「ええじゃないか」。私たちも今目の前にあるマリノスを愛しますとも。総統、また会いましょう。

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[{{image:520275,small}}](http://soccer.blogmura.com/f-marinos)

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