天皇杯1回戦、三菱重工長崎1-2ホンダロック。宮崎県代表でありJFL参戦6年目の、2回戦に進出。横浜F・マリノスの緒戦の相手となるわけである。
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J3を3部リーグと言うのなら今年からJFLは4部になった。その14チームの中で前期は12位。おお、マリノスの順位と奇しくも同じだ。
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彼らより少し上の9位には東北リーグから昇格したヴァンラーレ八戸がいる。昨年の天皇杯2回戦で対戦して5-1。同じく4回戦でマリノスが苦戦した長野パルセイロが昨年のJFLの優勝チームだった。言うまでもなく、一回負けたら終わりのトーナメント戦。連覇を狙うマリノスとしては足元を救われるわけにはいかない。
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余談だがホンダロックのオフィシャルHPには、試合会場がニッパツ三沢球技場と書かれているが、誤記ではなく撹乱作戦だろう。ただ安心して欲しい。青森県三沢市ではなく、慣れ親しんだ三ツ沢球技場で間違いない。
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選手にも、監督にも全国的な知名度をもつ者はいないと言っていいだろう。
ただ、サポーターに一人いる。圧倒的な有名人、あなたは「ロック総統」を知っているだろうか。
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今そこにあるサッカーを愛せ! がモットーだ。
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詳しい経歴は、2年前の[Numberの記事](http://number.bunshun.jp/articles/-/291005)を読むと、分かる。
ただのヘンタイやイロモノではなく、独自のサッカー観戦観を持ち、日本全国のサポーターから一目置かれる人物だ。そんな彼が、「偉大なるホンダロックSC」とともに三ツ沢に乗り込んでくる。昨年のマリノス対長野戦でもJFL連合を組んで、長野の応援のために新横浜に乗り込んで来た経緯があるため、ロック総統との天皇杯での邂逅は2年連続になる。<br>
今、目の前にあるサッカーを愛した結果、我々はマリノスだったのであり、彼らはホンダロックだったのである。勝利至上主義からの革命を目指す以上、ロック総統および周りのJFLのチームからすればジャイアントキリングを狙うにはこの上ない相手なわけだ。あちらに失うものは何もないわけだし。とはいえ、ニワカであり、かつ、いきなりJ1のビッグクラブである横浜F・マリノスを愛した私には、本当の意味で彼らの気持ちを分かることなどないだろう。
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何しろロック総統にとってマリノスは、「[億単位の赤字を一瞬で消し去る資金力を持つ、プロ化しただけのブルジョア実業団](http://red.ap.teacup.com/msbblog/635.html)」だそうだ。ま、実に言い得て妙で悔しい。笑
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ちなみに宮崎県は、Jリーグ所属またはJ加盟を目指すクラブのない唯一の県と言われている。それは、それで選択だからいいと思う。J1が全てではない、優勝争いが全てではないという点は私も同意だ。
<br>だが横浜F・マリノスは、横浜F・マリノスであり、ロック総統が表記する日産マリノスではない。20年以上前に、プロ化を選択した最初のクラブの一つだ。これも選択だ。ブルジョアな割には外国人の補強は上手ではない。天皇杯の直前にブラジル人エースに逃げられたのはつい昨年のことだ。勝利至上主義と言われるJ1にしては随分ずさんな話も少なくない。ただし、金の力ではなく、名門としての誇りを、ディフェンディングチャンピオンの力を、試合で見せつけるしかないではないか。
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もし日産のプロ化がなければ、ここに中村俊輔はいなかった。少なくともマリノスの俊輔はなかったし、あの才能がこのように花を開かなかったかもしれない。横浜F・マリノスになったからこそ、俊輔だけでなく日本を代表する選手を続々と輩出してきた。今回、齋藤学は日本に勝利をもたらすことはできなかったが、我々や子供達に夢と誇りを与えることはできた。J1チームにも勝利以外の役割はある。
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我々も、ホンダロックをリスペクトしたい。カテゴリーが上とか下とか関係ない。あくまでも天皇杯連覇のための最初の関門。
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とはいえ、この後に広島、C大阪、神戸、名古屋と週2ペースで試合が続くことを考えると、フルメンバーは出しづらい。若手主体のメンバーできっちり結果を出して欲しいのだが。
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しかし、マリノスの公式戦に飢えていた我々はフレッシュな声で選手を後押しできるだろう。去年の長野戦を思い出して欲しい。長野の必死なプレーだけでなく、応援もまたすごかった。あそこにロック総統はいた。今度は彼が本当にサポートするチームとともにやって来る。ならば、応援でも返り討ちにするしかない。
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[{{image:520275,small}}](http://soccer.blogmura.com/f-marinos)
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