【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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十日町キャンプで俊輔が明かした、前向きなエール

ギリシャ戦の顛末に怒り心頭、いや可能性のある限り信じようぜ!って、日本国民の多くの流れに乗っていたら、ふと気づいた。

マリノス恒例の十日町キャンプの動静に関して情報が少ない。ドゥトラの長縄跳びでの満面の笑みや、どう見てもその縄跳びでいたずらをしている中澤佑二の姿。雨のランニングでやけにカメラ目線の奈良輪雄太。ハードメニューでへとへとな矢島と兵藤、早大同部屋コンピの横になっている姿。手術明けの俊輔がフルメニューをこなしているというような公式サイトに掲載される写真から一生懸命、情報を読み取るのだが。

キャンプの手応えはどうか。スカパーのマッチデーJリーグでは、樋口監督、中町、兵藤が巻き返しへの意欲を語っていた。やはり体力作りからやり直せるのは大きく、「もう一度、開幕」という意味、意識が強い。本来、こんなものではないという「妙なプライド」はいらないので、きちっと心技体の、まずは体を作り上げてほしいものだ。

樋口監督は、やはり「好調時のマリノス」=アグレッシブなボールを奪い、いい奪い方から良い攻撃。常にボールを支配してイニシアチブを取って試合を進めたいと言っているのだが、現在のW杯ではそのポゼッションサッカーが大苦戦を強いられているのはご存知の通り。10人のギリシャを攻めあぐねている日本代表に、甲府戦のときのマリノスの姿を重ねた人も少なくないはずだ。大丈夫かなあ。そうだ、新外国人まだかなあ。ブラジル人アタッカーの獲得、W杯とは関係ないレベルの選手だろうけれど目指しているはず。ただ、今は発表の時期ではないのでしょう。そう信じることにしましょう。

さて最近、藤井雅彦氏が伝えたのは、再始動直後に矢島と富澤がケガで離脱したという情報だけ。齋藤学のことを、マリノスの選手はどのように心配しているのかな、などと考えていたら朝日新聞長岡支局・伊丹記者(@itami_k)の献身的な取材により、詳らかになった。 同じ新潟県内といっても、長岡市街から十日町市のはずれもはずれにあるキャンプ地の当間には1時間半の道のりである。この場を借りて、伊丹記者に謝意を伝えたい。たぶんご本人には伝わらないけど。

プロフィールを見ると、この方、マリノス好きらしい。社の公式方針ではないとご丁寧に注意書きがあるけれど、なんだ、仲間じゃないか!! …キャンプ中に、一体俊輔は何を語ったのか。

インタビューの前半はキャンプのテーマについて。樋口監督と表現は異なるが「やっぱり走るって大事。マリノスタウンでの再始動でも、走りが中心で一度もゲーム形式はやってない、」と、今一度フィジカルコンディションを整える大切さを強調している。そしてもう一つ注目なのが、俊輔がトップ下のポジションで自由にプレーすることを重要視してないことだ。

前半のベストゲームにあげられる川崎戦(5月18日、等々力3−0)で機動力のある三門が先発したことで4−1−4−1という横並びになったことがうまく機能したと指摘している。従来の4−2−3−1ではなく、富澤をアンカー役にした4−1−4−1の形が、2014年版のマリノスの最適解として手応えをつかんだような口ぶりだ。今後の練習試合では誰がどのポジションにハマるのかを確認したいと言っている。また、進化したマリノスが見られる事はほぼ間違いがない。

そして、インタビューは齋藤学について。代表の戦いには慎重に言葉を選んでいたようだが、学については。

「学が全く試合に出なくて帰ってきたとしても、個人で得るものはすごい大きい。出ないなら、全く出ないで、悶々として帰ってきた方が、次へのバネになるかも。ベンチでしか味わえない、口惜しさとか、もどかしさとかあるから。俺なんか試合が終わったら速攻でグラウンドで走ってたりして、「あいつなんで試合終わってから走ってんだ」とか思われたりしたけど、でも、あの走りがあったからこそ、その後MVPになれたかもしれないし、運みたいなものを引き寄せたりするから。出なかったら出ない、出たら出たで全力でやればいいし。どう転がってもプラスに持っていけるように頑張れ。」

そうなんだよな。私たちはもちろん、たぶん本人も現状に対する焦りや怒りがあるのだろうけど、どう捉えるかは自分次第で、試合にでられない逆風のときこそ、走って体をなまらせないことが後の財産を作るってことか。図らずも、走り込みが足りないと、春先のようになってしまうとマリノス自身が証明してしまった。

中途半端に出場するくらいなら、出ないで、悔しさを内に貯めて帰ってきたほうがよい、とはなかなか普通の人には言えない。もし学が出場なしで帰国したとしても、そういう先輩が近くにいるのは成長の大きな助けになることだろう。

そして、俊輔は今日も明日も走る。4年前にW杯で負った傷を忘れ、自分自身がまだまだ成長を続けるために。

挫折を推進力に変えられるのは、すごい。

[{{image:520275,small}}](http://soccer.blogmura.com/f-marinos)

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