民放、NHKが毎朝、「W杯速報」といってトップニュースの代わりに、長時間、試合のハイライトを流しているが、本当に全局横並び。2月のソチ五輪でも強く感じたが、みーんな同じ内容の報道をするのなら、5つも6つもテレビ局が必要なんだろうか。
これからも夏冬の五輪、W杯と何年かに一度はこのような一般的な報道不全が起こるのだろうか。ましてや、日本対コートジボワール戦の日は、ガッカリしているパブリックビューイングや本田の母校、星稜高の様子を映しているから、関連報道一色。
でもって許しがたいのが、渋谷の馬鹿騒ぎ。悪しき伝統が確立されてしまい、サッカー=バカ、無法者というイメージの強化に一役買っている。皮肉めいた横断幕にもピリピリしているJリーグが可愛く見えるほど、この便乗馬鹿騒ぎの威力は大きい。何しろ、テレビ局さんたちが「大騒ぎ」して馬鹿騒ぎを取り上げるからね。そりゃ、ただ騒いだだけでテレビに取り上げられたら、当事者たちは嬉しいでしょうよ。
で、ついには痴漢で、逮捕者も出たわけでしょう。このようにして、スポーツ好き、サッカーファンとは本来無関係な人々によって、スタジアムの外は殺伐としていく。サッカー=バカはまだしも、サッカー=犯罪、変態というイメージも広がってしまうかもしれない。
百害あって一利なし。今すぐ、渋谷の馬鹿騒ぎを取り上げるのは辞めるべきだ。そして試合前後にあの一帯には近づかない。
もう一つ、この極端な盛り上がりによって起きているのは、日本代表に対する過度な期待から来る、手のひら返しだ。とくに香川真司のキャリアや人格さえ否定するような反応が多い。極端だ。前提として低調なできだったのは間違いないだろうが、テレビの解説でも期待が大きかった分「香川がイマイチだった」とした。すると、よく知らない人たちも、香川が悪い、香川は人気があるからスタメンから外されない、などとなる。
あの試合で最も悪かったのは誰かと探すことに意味はないし、敗因を探るにしても香川が悪かった、「だから負けた」とはならない。ともかく短絡的で極端だ。
短絡的だから、コートジに勝てるって言ってたじゃないか。こりゃダメだ。全部ダメ。恥さらし。などという、ことを言う人すらいる。せっかくのW杯、外野は楽しんでればいいじゃない。選手やスタッフはいろんなもの背負ってやってるんだから。
とは言うものの、虚ろな香川のインタビューを見ていると、切り替えできるのかとても心配だ。大丈夫なのだろうか。
去年のコンフェデでは、ブラジルにボコボコにされた後、敗れたとはいえ、イタリア戦で見違えるサッカーを見せたではないか。今回、鍵になるのは初戦で出せなかった、日本らしい攻めダルマ精神でしょう。(もう何点か取られることは気にしない思想)
ところで、攻守の切り替えの速さを求めるなら、齋藤学。速いパス回しで崩すなら、齋藤学だ。マリノスの試合を見ていないと、誤解されているかもしれないが、ドリブルだけで彼は23人枠に選ばれたわけではない。守備の意識の高さなら、代表の中で上位に入るだろう。
まあ、学が先発に抜擢される可能性はほぼないだろう。ザックがよほど焦って、入れ替えが最高のクスリだと信じ込まない限りは。
背水の陣、ギリシャ戦まであと2日。
キーマンは齋藤学だと、ネットでも、社内でも言い続けることにしてみよう。
[{{image:520275,small}}](http://soccer.blogmura.com/f-marinos)
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