マリノスが掴みかけたリーグタイトルを逃した昨年、34試合を戦っての優勝チームとの勝ち点差はわずかに1だった。
足りなかったものは何なのか。選手層か、粘りか、運か。その答えが隠れているのがこの5番勝負だ。
甲府、鹿島、新潟、柏、仙台の5連戦、いずれも一度もリーグで勝てなかった相手との試合が続く。勝ちきれなかった試合、すんでのところでどうにか引き分けた試合、ハードワークに屈した試合、反省点は様々だが、マリノスの課題と弱さが凝縮されていた。
優勝するには引き分けを良しとしてはならない。24勝10敗は、17勝17分の無敗成績に勝るのだ。昨年、上記の5チームとは6分4敗でわずかに勝ち点6。これを半分の5試合で勝ち点9が私の定める必達ラインだ。
今年こそは頂点を、と言う。ならば逞しさを増して勝ち切るのか、それとも同じパターンにはまって勝ち点を落としてしまうのか。マリノスに優勝を争う資格があるかを試される序盤に訪れた最初の試験と言っていい。
問いたい、こいつらに勝てんのか。
3連勝スタートを切ったものの、甲府、鹿島と連敗してしまった。上記の勝ち点9を取るためには、残り3試合を全勝するしかない。追い詰められたACL同様、こっちも勝つだけだ。
新潟といえば昨年の2戦2敗、しかも無得点を持ち出すまでもなく、嫌なイメージも多いわけだが、少なくとも去年の2敗はこちらのはやる気持ちをうまく利用されて、いなされた感が強い。
第7節は開幕6連勝で揚々と乗り込んだのに、徹底して俊輔をマークされて敗戦。優勝に王手をかけての第33節は押し気味に試合を進めながらも崩し切れなかった。こちらの一点を取らなくては！とはやる気持ちから、川又の一発に沈み、ATにも追加点を奪われる完敗だった。
ああ、書けば書くほど思い出して悔しさを思い出してきた。新潟はマリノスにとって不倶戴天の敵となりつつある。またとくにデンカは、三大鬼門の一つに昇格したと言えるだろう。再来週には鬼門仲間の日立台の試合も待っているのは余談だが鬼門というのは恐ろしい。
方角なのか、色なのか、何かのパワースポットなのか、疑問に立ち入ると、なぜか選手のパフォーマンスが落ちる。フィフティのボールが相手に転がる。審判の判定が都合の悪い方に傾く。力と運気が吸い取られるかのようだ。6年間勝ちなしのスタジアム。
だが、優勝を狙うためには、勝ち点を奪えないような苦手チームは作ってはいけない。その意味で5番勝負の相手はすべて昨年のリーグで未勝利の相手だが、新潟だけには唯一、勝ち点ゼロ。すなわち、2戦2敗であるとともに、勝ち点6を差し上げた屈辱の対戦相手だ。
足し算や引き算で優勝に必要な勝ち点を算出できるわけではないが、この勝ち点ゼロの相手から「6」奪えたら。
昨年よりも大きなアドバンテージになる。
またACLのメルボルン戦で、公式戦の連敗は3で止めたものの、リーグ戦の連敗はリーグ戦でしか止められない。裏を返せば、鬼門で連敗を止められたら大きな自信になるだろう。
齋藤学が帰ってくるが、藤本淳吾の欠場が濃厚のため、今節は兵藤が右に回るだろう。ボランチは富澤と中町コンビだろうが、小椋は好調でアンドリューも状態の良さをACLで見せてくれた。新潟の元主将、三門雄大の出番はどうか。左サイドバックは下平に戻すのか。奈良輪のほうが手堅いのではないか。
などなど、選手層が増して、最適解を探す作業は難解を極めることだろう。
ただ樋口監督が言うように、この過密日程ではコンディションのいい選手が起用され、そこできっちり仕事をしてくれることが重要だ。
コンディションという点で気になるのはやはり中村俊輔。調子は少しずつ、少しずつ上向いていると感じる。だが今回の相手、レオシルバはJ最強クラスだ。まともにやって勝てるか。こういう相手だからこそいなし方があるだろう。決まり始めたセットプレーを大事にして、中澤や栗原でズドン。またはそろそろ俊輔の直接も決まりそうな予感が出てきた。もちろん兵藤「ちゃんと出場時間がそれなりにあれば結果を出す自信はあります！キリッ」もカッコイイ。技ありの振り向きざまのゴールがまた見たい！
仕上げはもちろん伊藤翔。ACLでもすぐ同点に追いつく値千金のループを決めた新エース、目覚めの時だ。
新潟ではレオシルバの他、初代表合宿で意気上がる川又のほかにも、田中アトムらにも注意。
今年、賛否両論、どちらかといえば否定的な意見の多かったインフラレッドのアウェイユニフォームを採用したのは、オレンジ軍団の鬼門で萎縮しないように目を慣れされるためだったんや！！と言わせる、快勝、好ゲームをお願いします。
私は結婚式。現地のみなさん、寒そうですが頑張ってください。どうぞお気をつけて！
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