【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

もう一度出直し、のタイミングであの男が帰ってくる。

甲府戦の敗戦から一夜明けて、マリノスタウンでは甲府との練習試合が行われた。両チームとも日曜の試合に出場しなかった選手が出場する。

スコアは2本(90分)合計でマリノス4-1甲府だった。

先発メンバーは、

六反

奈良輪、小椋、ファビオ、ドゥトラ

三門、天野、松本、端戸

矢島、藤田

の4-4-2。2本目でキーパーは六反→鈴木と代わり、途中に松本→喜田という交代があった以外は同じメンバーがプレーをした。

最大の注目はドゥトラが90分プレーしたこと。ゼロックスでは先発したものの、出来は低調で、そこから下平にポジションを譲る。なかなか調子が上がらずにベンチ入りすらさせられない状態が続いていたが、ようやく開幕だ。

さすがに待望論、とまでは言わない。

小林祐三下平匠の両サイドバックはレギュラーとして大車輪の活躍を見せ、奈良輪雄太も貴重なバックアッパーとしての地位を築きつつある。でも甲府戦の小林、下平は確かに連戦の疲れを隠しきれなかったのは確かで、タイミングとしてドゥトラに使える目処が立つのは重要だ。

何しろ年齢を感じさせない熱いプレーは、豪州と甲府で傷ついたチームのプライドを取り戻し、停滞したムードを振り払うかもしれない。少なくとも周りの選手の心は動かすはずだ。衰えない情熱、真のプロフェッショナル、高い戦術眼。

ここまで、年が年だけに、エンジンがかかるまで時間を要しただけだと信じたい。ドゥトラがフルプレーしただけでもいいニュースだが、鋭いクロスで端戸のゴールを演出もしたという。

昨年末を思い起こせば、不惑の鉄人も今度こそ引退と言われた。クラブは慰留を続けたが本人の意思も固いというのが定説だった。そして多くの外国人選手が天皇杯を切り上げて帰国(退団まで発表した選手もいた!)する中で、元日まで戦い抜き天皇杯をともに掲げた。

まるで有終の美を飾るようで、最早引退は確実なものと思えた。だが1年の契約延長に合意し、トリコロールを身に纏うと決意。

去年は累積での出場停止を除いて、33試合に出場したが今年は下平もいる。本人はそんなことをよしとはしないが、極端に言えば2試合に一度、標準以上のプレーを見せてくれるなら十分だ。チームが下を向いた時、俯いてしまいそうな時、激しく烈しくドゥトラが風を吹き込んでくれたらいい。

去年のホームでのセレッソ戦を思い出して欲しい。クリアミスが失点につながりリードを許す嫌な展開だった。

それでも失点のわずか3分後、ビルドアップをするのはドゥトラ。左サイドを持ち上がると、あれ、鋭いパスを警戒するあまり、本人にはプレスがかからない。距離はあるけれど、ゴールまでの道筋が見えた。

左足を一閃。これぞ弾丸シュート。突き刺さる。

ドゥトラが跪いて、そして咆哮。古代ギリシャの彫刻に通じる、神々しさを感じた。

サッカー選手に大事なのは、テクニックやスタミナはもちろんだけど、要するに魂だ。ドゥトラのシュートはそれを教えてくれた。

「ピッチに入れば俺は死ぬまで走る。だからお前らも死ね」なんて、あの柔和な表情で言うのだろうか。

「本気で勝ちたいと思ってるのか。お前らから全く伝わってこない、それは思っていないのと同じだ」と問い詰めるのか。

さあ、ドゥトラの逆襲が始まる。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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