俊輔の試合終了後のコメントによればまだリーグ序盤、ネガティブになる必要はないという。
確かにネガティブになる必要はない。けれどもあの内容を今後の甲府戦も見せられるのだとすると、甲府の試合は行かないやという人が出てきそうな程、見るべき内容がなかった。
狭いスペースでわざわざ無理なダイレクトプレーを繰り返して、こちらが先にミスをしてカウンターを食らう。これは樋口監督の言葉だったと思うが、それ以上の工夫がなく、できるだけ「サッカーする時間を減らそうとする」相手を崩すことができなかった。
豪州遠征後で体が重いのは仕方ない…広島も豪州からの帰国後は体が動かずに敗戦したなと言い訳にならない慰めで自分を納得させて、中銀スタジアムを後にしたのだが、ナイトゲームでは同じく豪州帰りの川崎が動きも軽やかに、FC東京を粉砕しているではないか。貪欲な試合の様子を帰宅後に見て、豪州帰りだから負けても仕方ないと本気で思えるのか、と頬を平手打ちされたような気になった。
優勝を狙う、とクラブもサポも公言しているからこそ、内容の乏しい敗戦は許されない。逆に甲府の対策を、弱腰だとか、卑怯だとかいう(見当外れの)批判はなく、あくまでもそれを戦い方の一つだと認めた上でどうすれば崩すことができたのか。崩すことができなかった自分たちを責める。
昨年に比べると、多くの選手が出場機会を得ているために、逆にコンビネーションの熟成が遅れている気がする。だからと言って「固定」がいいわけではない。例えば、佐藤優平と兵藤慎剛を同時に使った場合、ボールは拾えても打開力に欠けるよ、とかそういう「食べ合わせの善し悪し」をよく吟味して、食材をチョイスしないといけない。去年は毎日毎日。ハンバーグ定食だったから、挽肉であるマルキがいなくなったら、藤田は合挽き肉だけど大丈夫か?くらいの話でしかなかった。今季はお献立そのものが変わっている。樋口シェフが味付けを正しく行ってくれるといいのだけど。
失点のシーンについて、崩され方も良くないのだけど、最後の最後に足を止めてしまった下平に批判が集中している。確かになぜあそこで足を出せなかったのか疑問だし、守備で軽い対応があるのも事実で、守備者としてはさらに改善の余地がある。だがドゥトラにはできない攻撃での貢献をしていたのも確か、持ち味を失うことなくプレーしてほしい。彼もまた新しい献立には必要な選手だ。
中途半端に勝ち点1を得るくらいなら、今日の場合はまだ負けてよかったと、強がりで言うことがあるけれど、今回は本当にそうだと思う。強いショックを受けて、立て直すしかない。
去年樋口監督はこのチームのリバウンドメンタリティが素晴らしいと度々言っていた。一度の失敗で落ち込み、ズルズル行くのはマリノスに最も似合わない。
順位表を見れば、鹿島も敗れて、今年も早くも大混戦の様相だ。次節、鹿島と全勝対決とはならなかったのものの、大事なのはまさに次の試合、久々に中5日を置いて、見事なチームと再び会いたい。
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