アジアチャンピオンズリーグ、グループリーグの第2節はセレッソも広島も敗戦。日本勢にとって厳しい戦いが続く。また今年もなのか。
そして、全北を相手に初戦を落とした横浜F・マリノスが迎えるのは、ディフェンディング・チャンピオンである広州恒大との一戦だ。
今大会も優勝候補、反則級の外国人と世界的名将は今も健在。さらに現役のイタリア代表まで加わってしまった。脇を固める中国人選手も鄭智をはじめ屈曲な男たちがいる。鄭智は英国でもプレーし、俊輔と入れ違いでセルティックに所属したことでも知られる。
私の調べたところでは、この一年間、アジアのチームに敗れたことは、ほぼないのだ。何せ、中国・超級リーグでは3連覇を果たすとともに、30試合での戦績は24勝5分1敗。カップ戦では決勝の第1戦で貴州人和に苦杯を喫したが、ACLでもグループリーグから通算してわずかに1敗のみなのだ。
桁違いの強さと言っていい。表面的にとらえれば敵うはずがないと、戦う前から後ろ向きな思いも頭をかすめる。
だが、ACLで土をつけた唯一のチームの名前が、浦和レッズだったと知ったら。失礼ながら、現在Jで最強などとは言えない浦和が埼スタで3−2という点の奪い合いを制して勝った。一気に身近な対戦相手になるではないか。その半年後に、あの柏が2試合で8点取られたことなど、今は思い出す必要はないのだ。
当時の戦いがヒントになるかどうかはわからないが、阿部がPKを外したり、その後にまたPKが与えられて今度はマルシオがPKを決めて、途中でリッピ監督が退席処分を食らい、最後には広州の得点が一度はオフサイドとして取り消されたのに、さらに判定が覆ってゴールインが認められるなど話題に事欠かなかった試合だ。
ちなみに、このときリッピが退席となったきっかけは、ペットボトルを蹴り飛ばしたことだそうだ。ん、私たちもペットボトルで退席になった監督、よーく知っている気がする。退席エピソードでは世界的名将と樋口氏は肩を並べたことになる。
比嘉の、いや彼我の資金力に基づく戦力差は明らかながら、やってやれないことはない。やらずにできるわけがない。
グループリーグの初戦でメルボルンと戦った広州は、最終的に4-2で勝利したものの、2点のリードを許す展開だった。失点のきっかけはいずれもセットプレー。まだ今季のマリノスはセットプレーからの得点はないものの、俊輔または淳吾のフリーキックが火を噴く展開となれば、夢は膨らむ。
また樋口監督は、「ターンオーバー」を示唆している。額面通りに受け取ると、この試合のメンバーが先の清水戦から入れ替わることになるが、ひょっとするとメンバーを変えるのはこの先の徳島戦ということはないだろうか。ただ、いずれにしてもマリノスらしい戦いを突き詰めると苦戦するかもしれない。中盤でボールを奪い、ペースを握る戦い方にこだわった場合、個の力によって中盤が制圧できない展開では全北戦のように一方的に押し込まれることが予想される。
だからこそフォーメーション、選手起用を含めてリーグ戦の延長では戦わない、つまりこの試合でターンオーバーする決心を、監督は固めたのだろうか。
とはいえ、そんな私たちの予想を遥かに上回る相手かもしれない。圧倒されてしまうかもしれない。それでも今宵を迎える私たちのドキドキが消えることはない。
今更ながら気づいた。9年ぶりの日産、いや横浜国際でのACLのホームゲーム。観戦歴の浅い、ニワカな私にとって、生でACLを観戦するのは初めてのことだ。私だけではない、9年前もスタンドで見ていた方、先々週に韓国まで出かけた方を除けば、つまりとても多くの人にとってもACL初体験となるはずだ。
もちろん来年もACLにマリノスが出るつもりでいるけれど、アジア王者との真剣勝負の機会はそうはない。しかもあちらから、横浜にやって来る。下馬評なんてどうだっていい、内容で圧倒されたっていい、勝ってほしい。
今夜、届いたばかりの憧れのACLユニフォームをおろす。そんな人も多いことだろう。選手にはもちろんだが、同じ柄をまとう我々の左胸にもあしらわれた日の丸は飾りなんかじゃないんだ。
万難を排して、スタジアムに集まろう。仕事は明日だってできるが、アジア王者は今日しか来ない。
http://soccer.blogmura.com/f-marinos
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