【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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襲名披露のようだった。頭の中で選手紹介をしてみた結果

この週末、波戸康広アンバサダーの引退試合も、新体制発表会にも行かず、静かな週末を過ごしてしまいました。出張中の先週、伊藤翔や比嘉さんの記事にアクセスが爆発的に集中したのですが、ありがたいことながら、私には何処かに違和感がありました。また、正直、私は弛緩していたのかもしれません。シーズンはまだまだ先である、と。

そして私は友人からのメールで、今年の新入団選手を含めた新たな背番号を知ります。

「俊輔10番!」

おおお、ついに来た。待ってました! 一気に気が引き締まる私。噂にはなっていましたが、本当に俊輔に10番を背負わせるとは、やるなマリノス。後になって「マリノスが背負わせたわけではない」ことを知りますが、とにかく歌舞伎で言うならば、千両役者が、十八番を、いや十番を演じるわけです。よっ、中村屋

もちろん誰も背番号で、プレーをするわけではありません。でも例えばセレッソの8番のように、マリノスの10番は非常に特別な番号の一つと言っていいでしょう。小野裕二のベルギー移籍のために2013年は空き番号となった伝統の番号。昨年から続けてマリノスでプレーする選手は21名いるわけですが、俊輔はその中で前年から背番号を変更した唯一の選手です。

ここでマリノスの10番の系譜を紐解いてみましょう。もちろん日産自動車の10番と言えば木村和司。82年から92年までつまり日産自動車横浜マリノスとなるまで10番を背負い続けた人物です。俊輔がプライマリーで技を磨いたころ、長きにわたってトップの10番で君臨していたことになります。今回の10番の再襲名にあたって、俊輔が「木村和司さんがつけていた番号」として紹介し、この番号の重みを語っています。

J開幕の93年から96年までJでは選手の背番号は固定されていなかったため、マリノスの初代10番はバルディビエソ(97~98)。2代目・中村俊輔(99~02)。3代目・遠藤彰弘(04)。4代目・山瀬功治(05~10)。5代目・小野裕二(11~12)。6番目となるマリノスの10番を俊輔が背負うことにより、やがて後輩がこの10番を譲り受けることになるときには、さらに圧倒的にこの番号の重みは増していることでしょう。私は密かにそう確信しています。

そうした思いになるに至った、静まり返った日産スタジアムでたった一人、フィールドに向かう俊輔の姿。背中にはもちろん10番。http://youtu.be/jFolMoGazLE まだご覧になっていないなら、ぜひ見てください。この2分余のVTRの1分10秒過ぎから、俊輔のナレーションが始まります。

チームが勝つために、スキル、コンディション、判断、気持ちを研ぎ澄ませる。

いつだってたくさん考えて、いつだってたくさん走って。

同じことの繰り返しでも、同じことを繰り返すだけでは、結果は同じに過ぎない。

その先を掴みに行きたい。

楽なことなんて何一つない。ワンプレー、ワンプレー、出し切るだけ。

そうしないと、掴めないものがある。

長い歴史も、過去の栄光も、去年の結果さえも、真っ新にしてすべてをかける。

そうやって進む。    

シュンスケ!シュンスケ!という声援でVTRが終わります。この字起こしをしているうちに、なんだか私の心の中にさえも熱い炎が燃えてくるような感覚です。adidasさんの演出に踊らされているのかもしれません。でもコピーライターの誰かが用意した原稿なのにもかかわらず、まるで俊輔の心情が現れたかのような決意のこもったコメントです。私たちの期待に過不足なく応えてくれる、そんな燃える炎。中村俊輔の中にある炎は去年よりも力強く、大きくなっています。

はるか昔、小学校の理科の授業で習ったように、赤くメラメラとしたそれよりも、青く静かに光る炎ははるかに温度が高く、強いエネルギーを持っています。

2014年の戦闘服たるユニフォームを染めるのは2色の青でしたが、その深い青と、淡い蒼に私が感じたのは、ガスバーナーから放たれたような静かで、強い青でした。

頭の中で、もう選手紹介をしました。2列目のスタメン争いは兵藤、藤本淳吾齋藤学佐藤優平松本翔三門雄大らが名乗りをあげるでしょう。ですが、中央には・・・ミッドフィルダー、10番、中村俊輔。 もう早く開幕して。

彼が望んで、クラブにお願いをしてまで10番をつけたこと。あらゆる重圧を受け入れて、去年あんなにもつらい経験をしたにもかかわらず更なる高みに行くためにあえて、より注目と、批判を浴びるかもしれないこと。25番でも10番でも、俊輔に対する賛辞は変わらないというのに、その事実に私は感動します。

去年迷いに迷って一着だけ購入した25番のユニですが、今年は神々しい10番を家族3人分まとめて買うでしょう。やべっちFCが冒頭のトピックで俊輔10番復帰とうたうほどセンセーショナルなニュース。

私自身も10番の似合うサポーターでありたい。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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