【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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覚醒のときがついに来た? 期待されすぎた男

ティエリ・アンリは、2000年代を代表する世界的ストライカーです。

フランスのW杯とユーロの制覇に大きく貢献し、アーセナルではプレミア史上最多の4度の得点王に輝くなど、まさにレジェンド。その圧倒的スピードと、決定力、ゴールに対する嗅覚は世界最高峰でした。そんなアンリにも相通ずるものがあると、アーセナル監督のアーセン・ベンゲルに絶賛された才能が伊藤翔です。

これが彼が和製アンリと呼ばれるようになったきっかけであり、その才能は中京大中京からJリーグを経由せずにフランス2部のグルノーブルに入団しました。ケガにも泣かされ、それ以上に実力不足で、3年半もの期間で公式戦出場はほとんどなく、清水へ移籍。しかし、清水でも十分に活躍できないままでした。

チャンスさえ与えられれば大活躍すると信じられていたため、多くの人、とりわけ清水サポーターを失望させたと言われています。2012年、大幅な減俸を受け入れて、契約を延長した際にはすでに不要論を唱えるサポーターも少なくなかったようです。

過度の期待、実力に見合わない評判は、得てして不幸な結果を招きます。ペレ2世、マラドーナの再来、清原以来の逸材(野球ですが)と呼ばれ消えて行った若者たちは数えきれません。伊藤翔をもじって伊藤笑などと揶揄され、やがて身に余る称号とともに消え去った者たちと同列に語られることもありました。

したがって、今回マリノス伊藤翔を獲得したことには疑問の声も上がっています。

それでも期待を抱かせるのは、昨年のある一試合があったからではないでしょうか。

J1第29節のアイスタ、清水対鳥栖、10月19日のことです。この試合、伊藤のリーグ戦初となるハットトリックの活躍で、清水が6−4という大乱戦を制しました。この試合の伊藤は、相手DFのミスから得たこぼれ球をダイレクトに左足で強烈なミドルシュートでゴール。コーナーキックの高いボールを強烈なヘディングで2点目。そしてカウンターで相手DFを2枚引き連れながら、ハーフウェーから全速力で駆け上がり最後はチップキックでゴールキーパーをかわして3点目。アフシン・ゴドビ監督に今日の翔はパーフェクトだったと言わしめたゲームでした。

この試合でさらなる信頼を築いた伊藤翔はリーグ戦残り5試合のうち4試合でフル出場を果たします。「ひょっとしたらブレイクしたのかもしれない」そんな期待を抱かせる内容でシーズンを終えました。そのタイミングでの移籍。

上背があるだけでなく、スピードが向上している? いろいろ回り道をしたとは言え、まだ25歳。

彼の名前を聞いてワクワクする時期は、確かにもう過ぎてしまったのかもしれない。いつまでも未完の大器と呼ばれ続ける人材などいません。

でもマリノスにとっては「覚醒」を予感させる絶好のタイミングでの移籍と言えるかもしれません。

前田やノバコビッチの代わりなどではありません。伊藤翔は、伊藤翔

でも、ディエゴ・フォルランを獲得せんとするセレッソの心意気が羨ましかったりするのは事実です。

それなら、本物のアンリとらんかい! せめてオファーせんかい! フランスといえばトリコロールでしょう! いやいや、そういうことではなくて、伊藤翔

自分の力で、道を切り開けるか、大いに期待しましょう。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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