【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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サッカー初心者こそボランチを見よ

ある伝説のスポーツアナウンサーにお会いした際に、サッカーの見方がうまくなるには?という質問をしたことがあります。

そのときの答えはこうでした。ボールを追っててもダメだよ、一人の選手を決めて90分追い続けた方が絶対にサッカーが分かる。面白さが分かる。ゴールシーンなんか見逃したってテレビでいくらでも見直せるからね、それよりは特定の選手がどこにいて、何を考えてプレーしているかに思いを巡らせるんだ。コーナーキックの時、多くの人はキッカーを見て、そのままボールの軌道を目で追うよね。でも多くの場合は、キッカーが蹴った瞬間にほぼ中では攻撃側と守備側の決着がついている。その攻防を観察した方がいい。

なるほどなぁと思ったのを覚えています。例えば、代表の試合に齋藤学が出場したら、マリノスのファンは学を中心に追うかもしれないが、90分見続けるのは結構難しい。また気を抜くと、無意識にボールを見始めてしまうもの。

そして、続けてアドバイスをくれたのは、「見続ける選手はフォワードよりも後ろの選手がいいよ。彼らの方が判断事項が多いからね。とくにボランチ。彼、またはダブルボランチなら彼らの能力が高いか低いかで、そのチーム力はだいたい分かるし、だいたい決まる。それにチームがボランチに何を求めているのかも知っておくべき。攻撃の組み立てなのか、ボール奪取なのか、あるいは最終ラインに吸収されてもいいから弾き返すことなのか。もちろんボランチの役割はこれだけってことはあり得ないけど、何に重きを置いているのかでチームの戦い方、コンセプトが分かるんだ。ボランチを見てても退屈とか言っててはダメ(笑)。うまいボランチはいくら見てても飽きないんだから。山口素弘とかね。」

私もそれから突然、サッカーはボランチだとか知ったかぶったのは置いとくけど、少し見方が変わったのは確かです。

さて、富澤清太郎中町公祐は、中村俊輔の副官とも称される不動のボランチです。どちらか、と言われたら富澤はセンターバック出身者であり高い守備力を持ち味とし最終ラインのヘルプも得意なアンカータイプ。中町は前所属の福岡では司令塔役を務めたパスセンスに優れ、かつアグレッシブなボール奪取能力の高さがあります。

どちらも共通しているのはサッカー脳の優秀さ、とても頭がいいということでしょうか。俊輔もこの二人に囲まれてるのは楽しいに違いありません。昨日に放送されたトリコロールパラダイス(トリパラ)では、中町、富澤の二人がそれぞれ自分のプレーを振り返るインタビューがありました。とくに中町は上から目線の答え方(笑)に目が行きがちですが、パス一つの蹴り方の説明などとても伝わりやすくて、うまい。自分がカウンターの起点となったことを褒めすぎるのだけど中身はその通りだったりします。

富澤は何しろ試合が終わった後に「体よりも目と頭が疲れる」とコメントするほどの選手。彼がいる時といない時で、守備の安定感が違うというのは選手も多くが認めるところだし、私たちですら見れば分かります。浦和との試合だったか、「相手がボールをちらつかせて、自陣に自分たちを引き込もうとしてる狙いが分かったので、あえて我慢した。」などは賢さを物語る代表例かもしれません。

さあ、明日は天皇杯準決勝。相手はハードワークが信条の鳥栖です。準々決勝で川崎を相手に炸裂したカウンターの鋭さにはちょっとビビりました。そこにマリノス副官の二人を中心にどのような対策を講じるのか、その辺りは展望編に書きたいと思います。

ダブルボランチの活躍に大いに注目です。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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