【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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俊輔がキャプテンマークを空に掲げる姿をもう一度見たい

日曜の夜に放送されたやべっちFCをご覧になっただろうか。Jリーグアウォーズ同様に、やべっちアウォーズ各賞を、名波や中山とともに選ぶ。このアウォーズ、実に14回目だという。やべっちは「便乗し続けた」と言っているが、Jの中継が地上波ではほとんど流れない昨今、ずっとJリーグにスポットを当て続けていることに極めて価値がある。歴史ある番組が選ぶ、今年のMVPに中村俊輔が選ばれた。

受賞のインタビュアーは、ゴン中山。ゴンさんのように点の取れる選手にならなくてはという思いが表れた場面として、バックヘッドによるゴールをあげていた。ゴールが視界に入らない中で感覚的に狙ったもので、来年はダイビングヘッドによるゴールを狙うとゴンに約束していた。

そして、俊輔がキャプテンマークを通じて見ていた光景として、若き俊輔と松田直樹の2ショットが画面に映し出されて胸が詰まる。ナイキとアディダスのロゴこそ違うが、あの人も巻いたマリノスのキャプテンマークを、後半戦でゴールを決める度に俊輔は振り回していた。普段あまり注目されることのない10センチ幅のカラフルな布地だが、俊輔には特別なものだった。そのことを知らずに見ると「いえーい。ゴールきめたぜ」と振り回しているだけに見えるが、実はとても厳かな儀式だったのかもしれない。

リーグMVPの受賞スピーチでは、松田直樹さんの存在なくして今の自分はなかったと感謝を述べている。スピーチの中にあったように彼が眠る前橋に向かって受賞報告をしたことだろう。

リーグ戦最終節、ユニフォームの下に俊輔が松田をイメージしたTシャツを着込んでいたことはよく知られている。もしあの日、勝っていたら。恐らく歓喜の中で、俊輔はユニフォームを脱ぎ、吼えるマツとともに場内一周したことだろう。だがそれは叶わなかった。私たちも、松田直樹を讃える歌さえ歌うことができなかった。

だから天皇杯を取ろう。やはり、取るしかない。ご存知の通り、リーグ戦の失速の影には攻撃パターンの手詰まりと、一年間の勤続疲労によるコンディションの低下、そして少々の不運があった。早々に頭と目標を天皇杯に切り替えていたチームに比べると、もう一度奮い立たせなければならない分、分が悪い。マルキーニョスの陰に隠れてチャンスを掴めなかった男たちと、最後にリーグタイトルを掴めなかった男たちの意地と奮起に期待したい。

マツのためにとか、マツの力を借りてとか、センチなことを言うつもりはない。けれどリーグで最大の悔しさを味わった分、俊輔がキャプテンマークをまた空に掲げる姿を見たい。それが天皇杯を掲げる道にも繋がっていると信じている。今度こそ、マツと一緒に最高の場所へ。

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