【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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中村俊輔 進化論

年末恒例のJリーグアウォーズ2013が開催され、下記の各賞が発表された。天皇杯が残るが、これで本当にシーズンが終わった。

◼︎J2最優秀ゴール賞

中島翔也 (東京V)

◼︎J2最優秀選手

遠藤保仁 (G大阪)

◼︎最優秀監督賞

森保一 (広島)

◼︎ベストピッチ賞

埼玉スタジアム

東北電力スタジアム

IAIスタジアム

キンチョウスタジアム

◼︎最優秀育成クラブ賞

セレッソ大阪

◼︎チェアマン特別賞

大宮アルディージャサンフレッチェ広島のファン・サポーター

◼︎最優秀主審賞

西村 雄一

◼︎最優秀副審賞

相楽 亨

◼︎功労選手賞

土肥 洋一

服部 公太

中山 雅史

◼︎フェアプレー賞

サンフレッチェ広島

◼︎フェアプレー個人賞

柿谷 曜一朗 (C大阪)

佐藤 寿人 (広島)

◼︎最優秀ゴール賞

柿谷 曜一朗 (C大阪)

◼︎ベストヤングプレーヤー賞

南野 拓実 (C大阪)

◼︎得点王

大久保 嘉人 (川崎F)

◼︎優秀選手賞 ○印はベストイレブン選出

GK榎本、キムジンヒョン、○西川

DF○那須、槙野、○森重、太田、栗原、ドゥトラ、小林、○中澤、富澤、山下、水本、塩谷

MF阿部、中村憲剛、中町、○中村俊輔、レオシルバ、○山口、○柿谷、○青山、高萩、ミキッチ

FW○大迫、レナト、○大久保、齋藤学マルキーニョス、○川又、佐藤

◼︎最優秀選手賞

中村 俊輔 (横浜FM)

冒頭、チームごとに紹介された選手が各テーブルに座って行く。18位の大分から徐々に順位が上がっていく。1チームからの招待は3名が標準だ。5位のセレッソは多いが、それでも4名。2位のマリノスが呼ばれると、実に9名が壇上に上がる。活躍した選手が多い証拠だ。(優秀選手賞は10名が受賞したがマルキーニョスが欠席)

だが優勝したものと、そうでないものの差は大きい。広島だけが森保監督も含めて全員でチャンピオンフラッグを持って現れる。しかも登場口も違う。佐藤寿人の手にはもちろん憧れのシャーレがある。

悔しい。広島優勝決定のシーンが流れるがそこだけは早送りしてしまう。

華やかな表彰が続くが、やはり2013年のJリーグの主役はこの人だった。最後の表彰、最優秀選手に予想通り、中村俊輔が選ばれる。

一瞬微笑みを浮かべた後、表彰されている間はいつものクールな表情に戻った。そして、スピーチ。感想は素晴らしかったの一言だ。

Jリーグ及びスポンサーへの謝意の後に言ったことは、「今、自分の感情には二つの気持ちがあります。一つは素直に嬉しいということ。もう一つは感謝の気持ちです。」

おー、そこは「悔しさ」なのかと思った。もちろん悔しいと口に出してもあまり意味はないのだが、そういったものを洗い流して、あのような舞台で嬉しさと感謝を語れることに今季の俊輔の充実がにじむ。

マリノスから自分を含め10名が優秀選手に選ばれましたが、それが物語るようにだけの実力のある仲間のおかげでこの賞が取れたと感謝しています。

また監督やチームスタッフへの謝意に続いて、9/21の清水戦にて「俺達は俊輔と優勝したい」と掲げられた横断幕を見て、感動して、一生忘れることはないと言う。あの試合から一気に優勝だ!というモードになったものな、確かに。

ここで突然、俊輔は「個人的なMVP」を発表し、同じベストイレブンとして壇上に登った中澤佑二への賛辞を送る。パフォーマンスもMVPに相応しい内容であるし、サッカーに取り組む姿勢が若手だけでなく、自分にも刺激になるとし、観客に中澤に対する拍手を促す。なんだかスピーチの流れが完璧すぎてドキドキする。

また松田直樹さんの存在がなければ今の自分はいなかったと、彼の名前をあげて前橋に向けていい報告ができると思います、と言う。

そして、長い海外生活を始め、いいときも悪いときも、ともに壁を乗り越えてくれた妻、いつも笑顔にしてくれる4人の子供達への感謝。

俊輔が13年前にMVPを受賞した際にこの舞台で言ったことと同じ言葉で結びとするという前置きがあった上で、「これからもこの賞に恥じぬよう良いプレーを続け、サッカー界に少しでも貢献できたらと思います。本日はありがとうございました。」

いやすごい。シドニー五輪でともにプレーした吉原宏太Twitter上でお祝いを述べるとともに、最初は右足にパスをした際に舌打ちをされて俊輔の第一印象は最悪だったという。しかし、ディテールにまでこだわりを持ち続けたから今があると言っている。

まさに、ツンツンとんがっていた俊輔はどこへ行ったのか、これが35歳ということなのか。

多分、一人の選手として高みに行きたい思いよりも、チームを勝たせたい、若手のレベルを押し上げたい、ということが勝っているとこうなるのだろう。どこまでも自分の目標に素直な俊輔である。

さらに、ゲキサカに掲載されていた授賞式後のコメントも紹介しておきたい。

http://web.gekisaka.jp/408923_129664_fl

「試合が終わってマリノスタウンに帰って、プールに入って、ストレッチして、エアロバイクをこいで、交代浴をして。その間、1時間以上も待ってくれているトレーナーがいる。そういうことに感謝したいし、チームメイトを含めたそういう良い環境が、MVP獲得の要因になったと思う」

「数日経って、頭の整理をする中で、自分がさらに上に行ける感覚はある。それを練習してやるだけだと思う」

「今シーズンはゴールが増えても、アシストが少なかった。アシストが増えて、ゴールも15点ぐらいいくのが本当のトップ下だと思う」

「悔しい感じが自分の中にある限りは、年齢に関係なく、伸びる余地はある。この受賞で、多少自信がつき、もっと上に行けるイメージができたというのもある」

その気持ちがあるから進化する。ますます、この男から目が離せそうにない。周りのサポートも欠かせないが、進化した彼がマリノスの中央に君臨し、マリノスはまた強くなることだろう。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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