【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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総決算の日産。中村俊輔がシャーレを掲げる〜第33節・新潟戦(日産ス)展望

新潟は僕の特別なチームだ。今なお大好きなチームだ。

ブログはいろんな方が見るために、誰かを傷つけたり、不快な思いをさせたりすることがあってはならないということを意識している。タイトルからして、他サポからすれば「このおっさん軍団が何を言うとんねん的」な思いはあったはずだが、他チームへのリスペクトだけは忘れないようにしてきた。

その点、新潟に暮らし、メディア関係の仕事をしていたためにJ1昇格をピッチで見届けた僕にとってアルビは特別なチームだ。

古参のアルビサポが見たら喜ぶかもしれない。聖籠町にクラブハウスが完成するかしないかの頃、山口素弘野澤洋輔上野優作、アンヨンハ、エジミウソンマルクス宮沢克行丸山良明…10年前の11月23日に新潟はJ1昇格を果たした。驚くべきことと言っていいと思うが、以来新潟はJ1で戦い続けている。新潟から東京に住まいを移して8年が経過するが、僕は新潟の勝利を喜ばなかったことはない。ただ一つ、相手がマリノスだった時を除いて。

去年、さすがのアルビも落日、と思ったがガンバの不振が予想以上だったこと、ヤンツーこと柳下監督が見事に立て直したことで奇跡的に降格を免れた。するとどうだろう。今年は序盤こそ苦戦したが、6連勝のマリノスを止めるなどホームで無類の強さを発揮。特にブルーノを外して、ナビスコで結果を残していた川又を軸に据えてからは得点力も大幅に向上した。持ち前のハードワーク、堅忍な守備に攻撃が加わって、新潟に春が来た。

ご存知、後期は首位。ホームではクラブ記録の8連勝と、ノリに乗ってきている。だが裏を返せば、新潟の好成績は清五郎スタジアム(東北電力ス)に支えられてのもの。内弁慶だ。アトムも川又も、田中達也も、レオシルバも東口も個の力はある。本間勲だって本来ならベンチにいるような選手じゃない。だが此処は横浜、彼らの嫌いなアウェイである。そして我々には大一番でも、彼らにはせいぜい賞金圏がかかっているだけの試合だ。どうか燃えないでほしい。

さて迎え撃つ、勝ち点62。9年ぶりの優勝のかかる横浜F・マリノス。週半ばに齋藤学栗原勇蔵小林祐三の主力三人が立て続けに練習を途中で切り上げたときはどうなるかと思ったが、前日練習には全26選手が参加できた。樋口監督も、そのこと自体を素晴らしいことと言っている。終盤になれば離脱者が数人いても不思議でないし、マリノスにも離脱者はいた。ついこないだの不動の主将が入院したときは目の前が暗くなったものだが、でも最後の最後に全員揃った。吉兆に違いない。

どの選手のインタビューを見ても、皆、まだ過度の緊張はなくいたって普通だ。それが経験豊富な選手が多く居ることの長所。メディアやサポーターが浮き足立っても、チームは平常心で頼もしい。だから僕などは安心して一週間浮かれまくってきた。

でも俊輔はさすがだ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131129-00000025-tospoweb-socc、「もともと残り3連勝が目標だったのが『次でって』なるとみんなのガソリンが漏れてないか…」と話し、浮き足立つチームメートに危機感を募らせている、という。まあだって、多くのマリノスの選手は優勝争いすらしたことないんだからしょうがない。でも、俊輔はビシッと試合前のミーティングで気合を注入してくれるだろう。ますます確信が高まる。

そんな狂想曲と合わせるように、チケットは売れに売れた。前日の19時半に更新された数字は57,921枚の発券とのことだ。今季J最多観客の記録となるのは間違いない。当日売りでまだ伸びるだろう。三日前の記事でhttp://sp.plus-blog.sportsnavi.com/vaphoon/article/193と書いたが、さすがにこの人数になると長蛇の列は確実。弁当持参か地元での購入が賢明かもしれない。満員のスタジアムで優勝を争うというのは兵藤慎剛の入団以来の夢でもあった。その夢が叶おうとしている。しかも、優勝がかかるという最高の一戦だ。

そうなると、決めるのは兵藤か。いや、マルキか。でも俊輔のフリーキックも見たい。中町ミドルだって決まるかもしれない。学のドリブルできりきり舞いもステキだ。藤田、優平が途中出場して止めを刺すか。栗原、富澤、中澤佑二だってヘッドでのゴールを狙う。

重要なのは、セカンドボールだということは言うまでもない。どちらも中盤が強い。だがポゼッションとカウンターでスタイルが異なる。中町が語った「ボールをもたせる」が正解なのかもと思う。アルビはボールを奪って、カウンターを仕掛けるのが得意。秋口に広島に敗れた時は、ボールを持たされて困っていたのだから。このときのようにリズムを崩せばいい。

だけれども崩す形なんてどうだっていい。とにかく新潟のネットを揺らしたい。一度と言わずに二度、三度、揺らしたい。そして僕らは歌うだろう、勝利と歓喜の歌を。

その音が響き渡れば、三色の傘の花が咲き、表彰式へ移る。でも多分、涙で滲んでその光景が見られない人が続出するのだと思う。

それでも、僕らが終生忘れられないであろう、ウルトラレフティは雄々しく、凛々しく、舞台に立っている。

11月30日午後4時をまわり、西陽が沈もうとする頃に、中村俊輔がシャーレを掲げる。

その姿が、既に僕らにははっきりと見えている。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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