改めてこの11人を軸に戦ってきたことを実感する。ホームでの選手紹介の際に使用されてきた、各選手のキャッチフレーズの多くが選手の特徴や思いを捉えたフレーズになっていると思う。
仲間を支え勝利を支える
勝ち切るために走り切る
横浜への誇りを貫く
不屈の魂をピッチに刻む
常識を打ち破り走り続ける
危機を察知し勝機を見出す
闘志のスイッチは俺が入れる
勝利と連動する動きを
闘志を束ね勝利を導く
進化は始まったばかり
視線の先はゴールのみ
この11人が、主にスタメンとしてこの１年間チームを支えてきた。もちろんサブの選手の支えがあったからこその場面もいっぱいある。また夏場の過密日程では選手を固定化することへの疑問の声があがった。だがこのメンバーで勝ってきたのも事実。念のために付記すると、上から順に、GK１榎本、DF13小林、4栗原、22中澤、5ドゥトラ、MF8中町、27富澤、7兵藤、25中村俊輔、11齋藤、FW18マルキーニョス。
さらにベンチ入り選手の後に紹介される樋口監督のキャッチは「全ての力を結実させる」。これほど優勝を決める試合に相応しいフレーズもないかもしれない。3年に一度くらいでチームの顔ぶれが入れ替わるとすると、9年前の優勝からもう3回はチームが生まれ変わったことになる。中澤や栗原という10年変わらずに出続けた男たち、マルキやドゥトラのように帰ってきた選手、マリノスでは栄光を掴んでいない俊輔、そして中町や富澤、小林のように今のチームに加わり欠かせない戦力になった選手たち。そして、齋藤学、端戸仁、佐藤優平など前回優勝をサッカー少年として見届けユースからトップに育った選手。
監督はこれらをミックスして、絶妙なバランスのチームを作り上げた。「全ての力を結実」できる状況もうまく整った。中村俊輔を軸に据え、素早いプレスと堅い守備、攻守の切り替えを極力早めたシンプルな攻撃。それらが機能しリーグ最少失点という結果に繋がっている。得点、最後を決め切る力がもう少しあれば、もっとぶっちぎっていた可能性もある。だがポゼッションを高め、自分たちのサッカーにこだわることによって、選手のとくに猛暑時の消耗も軽減できた。
最近、家族が起きている時間に帰宅すると、必ずマリノスの試合が再生されている。なんだか習慣になっているらしい。応援した我々にだって1試合、1試合に当然思い出がある。勝った試合が多いからなおさら、本当にマリノスとJリーグのおかげで楽しい一年を過ごさせてもらったことを実感する。それがあと2試合で、リーグ戦終了だなんて、早過ぎる。まだまだ強くて楽しいチームと一緒にいたい。
来年がもっといい年になるかもしれない。が、ACL参戦も決まってさらに移動などがタイトになる。慢性赤字のために、補強が派手に行われることはない、と思う。普通に考えると、また柏などを見ていても、けっこう厳しい。同じことを繰り返し書いている気もするが、今年のチームは奇跡だ。その奇跡のチームでタイトルを取るしかない。優勝しなければダメじゃないけど、優勝しないよりしたほうがいい。そして今年のチームは輝かしい戦績を残して、記憶と記録に変わっていく…。すみません、ニワカなもので、優勝する嬉しさよりも、シーズンが終わる寂しさやこのチームに会えなくなる悲しさの方が先に来る。
幸いにして、天皇杯を勝ち進めば再び日産スタジアムでマリノスの試合を見られる。でも僕はたぶん土曜に、ピッチに選手が姿を見せた途端にもう泣いちゃうと思う。だってあのカッコイイ選手紹介ももう見られないんだよ。マリノスサポ、ファンの皆さんは「勝てば優勝」なんて至高の試合をホームの最終戦で戦えるのを待つ喜びが日に日に大きくなっていることだろう。僕もそう。優勝したら嬉しいけど、それはそれでこの待つ喜びがもう味わえないなんて考えただけでも寂しい。
だからこそ、今後長く続くマリノスの歴史の中でも指折りに甘いシーズンである2013を心に刻み、後世に語り継ぐ準備をしなくてはならない。優勝を見届ける一人一人が。
勝って優勝が決まったら、泣くのを忘れるかもしれない。優勝がお預けになってしまったら気持ちを切り替えて泣いてる場合じゃないかもしれない。たぶん3-0くらいに点差が開かない限りは試合を楽しんでる余裕はない気がする。だから、なおさら優勝をさっさと決めて、最終節は気楽に楽しみたいなぁ。来年には胸に4つの星をつけた別のマリノスがいるのだからね。
あと2日。今年を振り返るなり、10年前の磐田戦を見返すなり、応援グッズを買い込む、作り込むなり、それぞれの心構えをして、決戦に挑むといいのではないでしょうか。いいスタジアム、いい雰囲気を作り出したいですね。僕自身は、頭の中を整理して、最後だという覚悟を持った上で、心して応援します。
http://soccer.blogmura.com/f-marinos
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