【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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驚くほど相手は強かった。けれども勝ったのはマリノス、それだけ。〜天皇杯4回戦・長野戦(日産) 延長2-1

天皇杯で日産に行くのは初めてだった。入場も売店も、トイレさえも全く並ばない。あの巨大な建物ががらーんとしている。ゆずのエフ!マリノス!の曲も聞こえないから本当にコンコースは静か。

東側の広場で出店すら出ていないのを見て、またおとなしそうな女性の力の抜ける場内アナウンスを聞いて、普段の試合でいかにクラブが盛り上げる努力を行っているかがわかるというもの。

サッカーの試合をして、勝ち上がるチームを決めることが目的でしょ。だから試合に関すること以外は何もしませんよ、というのが天皇杯運営の、各県のサッカー協会の考え方なのだろう。平日の夜とはいえ、そうした考え方から変えていかないと、いつまでも動員が伸びずに赤字を各県が負担するだけになってしまうのではないか。ま、あの独特に淡白な感じが、リーグ戦と全く違ってメリハリがついて良いという、客側の考え方はあるけれど。恐らく天皇杯の根底に流れる思想は日本リーグのときから何も変わっていないのだと思う。

さて、たった1,500円で、マリノスの試合を120分も見られて得したなあ、よかったなあ(棒読み)。大事な大事な磐田戦の直前に、延長戦で余計な消耗をしてしまったのは間違いない。フル出場し、土曜も先発が予想されるのは、小林、栗原、ドゥトラ、中町、佐藤、マルキ。俊輔も30分限定出場で慣らし運転のはずが結局60分プレーすることになった。この影響をどのくらい抑えられるか、今日のリカバリーがとても重要だ。

マリノスが悪かったよりも、まずは長野を称えるべきだ。とにかく複数でプレスをかけてミスを誘う。奪ってからのカウンターを3〜4人で全速力で。というのが徹底していたようだ。下のカテゴリーで圧倒しているチームは、格上と戦うことが苦手な場合が多い。普段と戦い方がまるで違うからだ。常々、耐え忍ぶサッカーをしているチームの方がいつもの延長で戦えるはず。したがって、普段は強者のサッカーをしているはずの長野が、名古屋やマリノス相手にはがらりと戦い方を変えて、しかも徹底できるのは称賛に値する。

しかも宇野沢はともかく、他に優れたタレントがいるわけではない。ハードワーク&コレクティブ。おっ、昔、オシムが日本に植え付けようとしたのがこんな感じだったのかも。守備も集中していた。バイタルでマルキや中町に前を向かせないようにスペースを消すし、一度、前に向こうものなら今度は、シュートコースの選択肢を少しでも減らそうとしてくる。マリノスのシュートが何度DFのブロックに阻まれたことか。

美濃部監督のコメントによると、最初の長野は何人かビビっている選手がいたためにそこまで前に出てこなかった。だが1-1になった辺りから、攻撃面でも長野のアグレッシブさが目立ち、マリノスは思うようにボールを展開できない。

そのような中で59分に熊谷アンドリューから中村俊輔に交代。

また藤田が77分に富澤に代わって、端戸が90分に兵藤に代わって入った。

俊輔が入ってペースが大きく変わったのは間違いない。直後には角度のないところからのフリーキックを優しくファビオの頭に合わせて、バーを叩く。キックの精度にサビなどつくはずがないと信じていたが、ひと安心だ。さらには忙しなかった攻撃のリズムが改善された。

一年以上かけて構築されたのは俊輔を核とした、バランスのサッカーで彼抜きならまったく違うオプションというか、チームそのものの組み立てを用意する必要があると思う。それがいいか、悪いかではない。樋口監督が作ったチームはそうだったということ。来年、俊輔不在を想定したチーム作りをまたいちから構築する必要があるだろう。俊輔モードはともかく、非俊輔モードに合う補強も当然必要だ。

話が来季に向いてしまったが、試合に戻す。長野のチェイシングがいつも本気なので、GK榎本哲也のところでいつもボールが落ち着かない。BS放送で緊張したわけではあるまいが、バックパスが多いことも作用して、いつまでもマリノスのペースにならなかったように思う。チャンスは圧倒的に多いのに、決定機は長野も同じくらい多い。(哲也のあの感じだと、もしPK戦にもつれてたら…)

宇野沢の試合後に最後を決めるか決めないかがJ1との差だとコメントしたが、延長戦に入って、確かに決めたのは藤田だけ。リーグ戦ではなかなか得点があげられていないが天皇杯では早くも4ゴール。しかも強敵を沈める決勝点となった。

ただし勝利の立役者は文句無しで佐藤優平。最近当ブログ一押しである。得点も去ることながら、相手以上のハードワークを見せたのはマリノスの中では優平だけではないか。120分、驚異の運動量でよく走った。持ち味をいかんなく発揮したことで、今後の出番もさらに増えるだろう。端戸仁も悪くなかったが、優平のほうが昨日は上だったろう。

120分頑張ったで言うと、とくに俊輔出場前の鉄人ドゥトラのがんばりも称えたい。もはやドゥトラだから当たり前、というようにあまり40歳に驚かなくなっていることが驚きだよ! 兵藤の復調も大きい。たまたま点にはならなかったが、お疲れ気味だったころより体のキレが明らかに戻ってきた。これは絶対に好材料

キレと言えば、逆にどうした、小林祐三マルキーニョス。120分戦って、コンディションが回復したら、あら不思議!調子も上がってました!とか、ないかしら。

この薄氷の勝利により、マリノスは準々決勝を12月22日に大分と戦う。会場とキックオフ時間はまだ未定だ。したがって、12月7日にリーグが終わっても、まだ戦う権利を得た。それは素直に嬉しい。

正直に言って昨日の試合では、長野がベスト8に進んでもなんら不思議になかったわけだが、それでもマリノスが勝った。長野は来年からJ3参入が決まっているが、俊輔は「J2で上位の力がある」と答えた。オレンジのチームは降格しないというジンクスがあるので、次々にステージを駆け上がってください。エールを送ります。

我々は強敵、長野の気持ちも背負って戦おうではないか。目指せ、元日決勝! 日産に来年の決勝が来るらしいけど、やっぱ天皇杯のイメージは外苑だよ!

リーグを制した上(予定)で挑む準々決勝の舞台ははたしてどこか? 三連休だから、九州だろうが北だろうが、応援に行くぞ!

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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