【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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世界の果てまで、俊輔とともに

いよいよ俊輔が帰ってくる。10月27日、大分に出場して以来、主将・中村俊輔天皇杯4回戦、長野パルセイロとの一戦での復帰が濃厚となった。

ただし今のところ、中町公祐が名古屋戦同様にトップ下で先発し、ボランチには富澤清太郎熊谷アンドリューが並ぶ公算が高そうだ。JFL覇者である長野は油断のならない相手だが、この三人の形は楽しみだ。

俊輔は23日、磐田戦での本格復帰ができるように天皇杯にも少なくとも途中出場する見込み。昨年の後半から大きなケガもなく、攻守に大車輪の活躍を見せてきた俊輔。円熟味を増したプレーによって文字通り試合を組み立て、リーグ首位の快進撃の立役者であることは論をまたない。

今のプレーは、味方を鼓舞するほど気迫にあふれている。渡欧前と比べての変化と言っていい。さらにその上で、プレー中の表情からは「明鏡止水」と呼べるような心境を感じることがある。充実している、怪我なくサッカーができている楽しさもある。そして、まだ自分が勝ち得ていないマリノスでのリーグ制覇に向けて、一点の曇りもなく自分の持てる力をぶつけてきた。

事実、ぶつけられるだけ彼自身のコンディションが総じて順調だった。前節の名古屋戦で離脱するまで全試合先発、チームで最多出場時間を記録。(名古屋戦後の最多出場時間は中澤)

ところが大分戦後に胆のう炎で緊急入院。順調に来ていたシーズンの最後に試練が訪れた。入院生活そのものは1週間程度だったが、安静にし、絶食したことによって変わったコンディションは元に戻るのか。俊輔の場合、普通にプレーできるかどうか、ではなく、先月までのような輝きを再び放つことができるかである。

普通に考えると、厳しい。心の緊張は緩めていないが、体を一回緩めざるを得なかったのは事実。もう彼の体との対話力と、微調整をする力にかけるしかない。だがそれでも名古屋戦こそ欠場したものの、ナビスコ決勝や日本代表戦の影響でマリノスの試合が極端に少なかったことはラッキーだったとしか言いようがない。しかも天皇杯が相手チームの都合で16日ではなく、20日の開催と遅れた。だからひと叩きして、週末のリーグ戦にも向かいやすくなった。後は俊輔の実戦でのパフォーマンスが戻れば、「いい休暇だった」と言える。

名古屋戦終了後、挨拶にゴール裏に来た選手たちに「世界の果てまで、俺たちはともに!」と歌声がかけられた。通常アウェイでしか歌われないチャントで、次節、場所が磐田でも俺たちがついている。だから、たった1つの敗戦で立ち止まってるんじゃない!という叱咤が込められていたのだと解釈している。

僕たちの俊輔がいよいよ帰ってくる。たった1試合の欠場なのに、とても長く長く感じた。また開いた穴のデカさも思った以上だった。

でももう大丈夫だ。これが今年のマリノスの、王者のサッカーというのを見せてやろう。入院して溜め込んだうっぷんをピッチの上で爆発させてくれ。ホームの清水戦で決めたような気迫の乗り移ったゴールを。アウェイの大分戦のような相手にダメージを与えるセットプレーを。ホームの広島戦のような遮二無二走って、さらに激しい守備を。

世界の果てまでチームを応援すると約束した。そこには俊輔がいなくてはならない。俊輔さえいれば。

「この街に歓喜を」。そのためにも彼は帰ってくるのだから。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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