【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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節目の年に優勝する意味が、ここにもある。齋藤学少年の原体験とは。

あの完全優勝から、10年だ。

スポルティーバに小宮良之さんが、またもいい記事を書いてくれている。まずはぜひこちらの記事をご覧いただきたい。http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2013/11/06/10_4/

冒頭は、10年前のセカンドステージ最終節の回想から始まる。あの日、学や端戸仁ら当時のプライマリーやジュニアの選手がボールボーイだった。大逆転優勝を果たした強いマリノスを彼らは知っていて、今度は自分の手で栄光をつかもうとしている。そんな話だ。

小宮氏は学の成長ぶりを称賛している。「彼は単なるドリブラーではない。最大の武器は、ゴールへの選択肢を豊富に持ち、それを局面がめまぐるしく変わる中、適切に選択できることにある。(中略)齋藤はディフェンダーに刀を振らせた(態勢が崩れた)後、斬り捨てる(ドリブルからシュートを放つ)のだ。」と細かなフェイントを繰り返し、相手を崩す痛快なシーンを解説する。

学の受け答えはいつも謙虚だが、小宮氏は「『自分の得点でチームを勝たせたい』とも言ってのける彼は、口調とは裏腹に貪欲で、野心的」とも指摘する。「10年前のボールボーイが、今度は多くの人々に煌めく夢を見せようとしている。」という結びだ。

クラブの歴史は、こうやってつながるのだなあと、しんみり。10年前にボールボーイをやっていた少年が、押しも押されもせぬ日本代表となって、マリノスの攻撃に違いを生み出せる存在となっている。10年前の優勝は、10年前で終わったことではなく、確かに今につながっている。

このような人材を輩出し続けられることは一つの名門の証ではないだろうか。あの年から10年。つまりは、また10年後に優勝するために、今の青少年にも強いマリノスを見せたい。いや見せる義務を、とくに学の世代は負っているとも言える。そうして強いクラブのタスキを受け継いでいってほしい。

1993年の天皇杯優勝、2003年のリーグ完全優勝

そして2013年にまたリーグ優勝。勝手ながら歴史のサイクルからもマリノスの年である。ナビスコにはあと二歩届かなかったけれど、ニューヒーロー賞も学がとった。選考委員会の決定は準々決勝敗退のセレッソ・柿谷よりも、準決勝までの柏・工藤よりも上だったということだ。

ニューヒーロー受賞の多くの選手がその後、真のヒーローになっている。そんな錚々たる系譜に名前を連ねた。

2年前のエヒメッシが、いい勢いで出世していることがマリノスファンはみんな嬉しいはず。横浜の齋藤から、日本の齋藤になり、さらに世界に飛び出すのを待っているような、少し寂しいような。たぶん今の学ならその日を手繰り寄せるだろう。

でも、その前に。10年前の約束を果たしてくれ。僕らも証人になって、語り継ぐから。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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