放送のない試合で、スタッツだけを見るとマルキーニョス、3得点の試合に映る。
3回戦10月16日(水)ニッパ球終了
マルキーニョス 前半5分
サビア 前半18分
マルキーニョス 前半26分
マルキーニョス 後半17分
だが僕は、この試合のMOMにはダントツで佐藤優平をあげたい。先週末にナビスコ杯、柏戦でプロ初の得点をあげただけでなく、最後まで柏ディフェンスの裏を抜ける動きは目立っていた。「佐藤、比嘉というニューヒーローの候補が現れたことが嬉しい。まだ台頭した!とは言えないが」と書いたのはほんの3日前だが、今宵の活躍はまた一段とブレイクを予感させるものだった。
何が良かったか。一言で言うとアグレッシブさだ。攻守に渡って本当に積極的で、最初から飛ばしていた。とくに良かったのは1-1で迎えた前半で勝ち越しゴールの基点になった攻撃的な守備だろう。中町のような、と言えば分かりやすいだろうか。受けに回らずに、やや持ちすぎた相手を徹底的に追い回して、何度も何度も足を絡めて、ボールを奪う。これが最終的にゴール前中央で待つマルキに渡る。彼は即座にシュートを打つスペースを作り、こともなげにゴール左に決めて見せた。マルキらしいファインゴールのきっかけを作ったのは間違いなく優平の攻撃的だった。栃木のディフェンスはフィジカル重視でがんがんぶつかってきたのだが、それにまったく負けない優平が頼もしかった。ゴールにこそならなかったが何度となく栃木DFに体をあてた上に競り勝って、ゴール前の藤田にパスを送った。春先にフィジカルに難ありと言われたのは今や昔?
ボランチ出身者らしいと言えばらしいかもしれない。兵藤や学とは違う優平ならではの2列目の動きが、少なくともこの2試合ではマリノスの攻撃にダイナミズムをもたらした。
さて、広島戦で一線級の守備陣を相手に持ち味を出せるかは別問題で、もう一段階レベルが高い動きが求められるのは間違いない。だが少なくとも期待を抱かせるところまで優平が達したのは大きい。土曜日、兵藤が復帰したとしても左サイドでの先発は固いのではないか。
それからマルキーニョスの固め打ちは明るい材料だろう。柏戦に続いてのゴール、ポジショニング、オフザボールの動き、さすが!という動きが戻ってきたのは好材料。大一番でも、やってくれるだろう。せっかくマルキが上がってきたのに、よいボールを供給するドゥトラが出場停止なのは痛いけれども。
守備では4試合ぶりの失点。榎本哲也のファインセーブがなければ1失点では済まされず、もっと苦しくなっていた。栃木の外国人攻撃陣のスピードは確かに脅威で、もう少し決定力があったら本当にヤバかった。スピード系FWの動きにどう対応するかは今後も課題だろう。
ミッドウイークの天皇杯は本当に難しい。下位のカテゴリー相手に勝って当たり前、負ける方がおかしい。J1のチームにとってはあまり得るものがない。ジャイアントキリングと辱められることはニュースになるが、勝っても褒められることは少ないからだ。メンバーを落として負けたら、目も当てられない。でも本命は週末のリーグ戦。
なんて言ってたら、若手主体の浦和が山形に敗れるの報せ。一定の確率でやはりJ1チームは姿を消す。まったく明日は我が身。俊輔、マルキを先発させてでも、勝ったことがなにより大事だろう。
中2日であっという間に広島戦がやってくる。ドゥトラに代わっての出場が予想される奈良輪は、今日試合後のコメントで人生最大の大一番と評しており、気合を入れている。俊輔は一週間空くよりも中2日のほうがうちの場合はいいんだと言っていた。ならば絶対に勝とう。
台風一過なのに、後半開始からの雨には閉口したが、なんとかすぐに止んだ。スタンドはなかなかの寒さだったな。雨降って、地固まるを実感する一戦だった。
苦手の柏と、天皇杯に連勝して上り調子だ。いい感じで天王山に挑めるぞ!
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