【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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俺は運がよかったと言える俊輔が帰ってきて、俺たちは本当によかった。

出張を終えて、一週間遅れで読了した週刊現代について、遅ればせながら触れたい。既に多くの方が感想を書かれているが、このインタビューは「独白録」と言える赤裸々な文章であり、大衆的な週刊誌にこのような特集がされること自体、異例だろう。

講談社に敬意を払いつつ、著作権を侵さない程度にできるだけ文章を再録したい。ただ勢い余ると、全文を書写してしまいそうなので、今回は心に残ったパートをランキング形式で紹介する。

すでに読んだ方も、思い出しながら俊輔とマリノスへの愛を深めていただけたら幸いである。

第3位、「昔は自分が良いプレーをして勝てばいいという気持ちが強かった。自分が仕事をすることが最優先(だったが、)今は周りの選手にも気を配れるようになりました」

俊輔が20歳そこそこの頃から実力を認められながらも、アンチが多くいた一つの原因がこれではなかっただろうか。要するに自己中心的で、孤高だったのだ。クラブや代表では一目置かれることはあっても、リーダーとして皆を引っ張るタイプではなかった。恐らく背中で語ることすら今に比べたらほとんど意識していなかったのだろう。

結果としてその姿勢が彼自身の地道な研鑽につながり、正確無比なプレースキックという武器も彼に与えた。だが、今は周りの選手にも気を配れるようになったという答えは、彼の思い込みやアピールなどではないことは、チームにおける今の存在感を見れば明らかだ。

誰よりも走り、ピンチの時に凌ぐぞ!と鼓舞する俊輔。普段の練習から、選手の立場だからアドバイスできることもあると若手や控えの選手たちにも積極的に声をかける。例えば誰よりも可愛がられてる比嘉さんがシーズン終盤になってベンチ入りする機会が増えてきたのも、俊輔のアドバイスが大きいかもしれない⁉︎

第2位、「今シーズン前、日本へ戻ってきたとき、『このまま終わらないぞ。もう一度、輝こう』と決意したことを思い返した。(中略)向上心さえ尽きなければまだやれる。」

10年シーズンにマリノスに復帰したもののW杯直前に崩したバランスを失ったまま満足な活躍ができずにいた。だが昨年終盤にトップ下というポジションを得て、輝きを取り戻しつつあった。

そして迎えた今季、さらに味方との連携を深めて臨んだリーグ戦でマリノスは、上位に定着し、優勝争いをリードするまでになった。快進撃の最大の要因が俊輔であることは誰もが認めることだろう。

飽くなき向上心。満足してしまったら終わり。ある一日ストレッチを手を抜くと、一ヶ月後に自分の体に重りとなって返ってくるのだという。だから目の前の一日に絶対に手を抜けない。逆にマッサージを増やし、調整時間を増やした結果、試行錯誤の末に、体内の疲れを表す乳酸値が20歳の頃のように改善したという。コンディションの向上は、精神面の充実も招いた。

この話、口で言うのは簡単だ。けれど海外で結果を残し、目標としていたW杯でやり尽くした一流の選手がもう一度輝こうと決めて、実際に努力をし続けるなんて。一体そんなこと何人ができるだろう。そして事実、コンディションの整った俊輔のプレーは多くの人を魅了し続けている。アウェイのサポーター、ファンさえも唸らせるプレーを見せられる数少ないプレーヤーとなっている。

来年も再来年も、こんな俊輔が見られたら嬉しい。気の早い話だけど。

そして第1位、「35歳になった今、サッカーが本当に楽しい。引退前に気づけて俺は運がよかった」

結局今の俊輔とマリノスを論じるときに、すべてはここに行き着くのだと思う。楽しいという背景の一端には比嘉さんの存在もあることだろう。あの俊さんが、選手入場の直前まで談笑したりもするとは…リアルツンデレ。しかも談笑することが目的ではなく、チームとしていいパフォーマンスを出すことが目的。チームを引っ張る主将ならではの工夫が見られるではないか。

それから掲載されている写真から俊輔の楽しさが伝わってきた。なんだかどの写真もやさしい笑みをたたえているのである。それもなんとなく以前の俊さんではあまりなかったことではないだろうか。ツンデレ俊さんがこんな優しい表情で頑張ろう!と言ってきたら、若手選手は奮起するだろうさ。

高年齢の選手が多いために、自称・中堅という俊輔を中心にしたこのチームの最大のチャンスはやはり今年だろう。

楽しいって本当に素晴らしい。僕らも今のマリノスを見るのが本当に楽しい。僕たちには、希代の選手が挫折の果てにまた以前にもまして強い輝きを放つというスーパーサイヤ人のような存在を目の前にしているという自覚があるだろうか。

それくらい、すごい瞬間を目撃している。

仮に天皇杯を決勝まで勝ち上がったとしても、残りはあと10試合か。一戦一戦をこの目に焼き付けよう。

最高の瞬間を共有しよう。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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