【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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リーグ戴冠を予感させる好ゲーム。もう歓喜しかいらない。〜ナビスコ杯準決勝第二戦・柏戦(ニッパ球)

プラン通り。いや、ひょっとすると、プラン以上だったかもしれない。前半のアディショナルタイムのラストプレーだった。エリア内で兵藤の出したスルーパスに抜け出したのは佐藤優平。右足からのシュートはマリノスのゴールを阻み続けるGK菅野の股下をすり抜けた。

4点を90分間にあげるにはせめて前半に2点をあげたい、と考えるのは誰しも同じこと。考えることは容易くても、実行するのははるかに難しい。だがその2点目を、しかもギリギリのタイミングであげることで、ようやく奇跡への挑戦権を得ることができた。

いける! この流れはいける! ハーフタイムの間にずっとこだまする「最高の場所へ」。なんとかスタート地点に立って、後半を迎えるところだがスタンドのムードはすでに大逆転勝利を確信している。

気温は31度、真夏を思わせる日差しが夏場にどこよりも走り抜いたマリノスを取り戻させたのかもしれない。この5年、一度も勝てなかった柏相手とは思えないほどに、精神的にも技術的にも圧倒する内容だった。

とは言え、第一戦で0-4と絶望的な差を付けられていた状況が、リスクを背負ってでも前に行く積極性を生み出していたのは差し引いて考えなければならない。

2-0までは最低条件。柏がより引いた状態になってもまだ猛攻を仕掛け、そしてゴールをこじ開けられるのか。その意味で、後半の立ち上がりで3点目をあげて、一気に土俵際まで押し込めるかが全てだったと言っていい。

そして、後半の入りも見事だった。澤とクレオの投入により、柏は一点をあげてとどめをさす構え。だがやはり4点をあげるには最低4回は決定機を作らなければならないわけであり、それをすべてものにする次元でなければならない。

後半10分、小林からのピンポイントのクロスが中町の足下におさまる音がした。ものすごい精度。ズドン。マチ、後は冷静に決めてください。ああ、しかしトラップがほんの少し大きくなってしまい、キーパーのキャッチが先だった。さらにこの日ビルドアップに力を発揮していたドゥトラがドリブルで持ち込み、兵藤へスルーパス。抜け出したように見えたが間一髪で、渡部のスライディングが間に合ってしまった。この決定機を逃した瞬間、またこのプレーで兵藤が足を痛めた瞬間に、事実上、奇跡は潰えたと言えるだろう。一気に3点目を取れなかった。取れるチャンスはあったのに。悔しいがそれが全てだったように思う。

負傷の兵藤に代わった藤田にはいつものようにロングボールの競り合いを要求するボールが多くて、甲府戦のようには彼の良さがいきない。ファビオ、そして三人目に比嘉さんが投入されたのには驚いたが、とくに比嘉さんは攻撃面で積極性を発揮して、見せ場を作った。アディショナルタイムには枠外だったがミドルシュートも披露。佐藤優平の裏に抜ける動きは最後まで柏の脅威になり続けたことと合わせてポジティブな要素だろう。

残念ながら三冠への道、12年ぶりのナビスコ制覇はここで閉ざされた。だが9年ぶりのシャーレへの戦いはまだここからが本番だ。その意味で、佐藤、比嘉というニューヒーローの候補が現れたことが嬉しい。まだ台頭した!とは言えないが、マルキや俊輔以外の選手が得点をあげたのは本当に久々で(9/14、C大阪戦のドゥトラ以来)、今後に向けて明るい材料と言えるだろう。藤田や端戸ではなく、優平、比嘉さんという顔ぶれは意外ではあるが。

もうひとつ、守備面。単に公式戦3試合連続の完封という結果も素晴らしいが中身もよかった。2バックプラス、左サイドのドゥトラのポジションに小椋がいるような攻撃的布陣での集中力の高さ。栗原はノーミスで、セットプレー時には前への意識も高い。中澤は老練な守備で工藤を完封したと言えるだろう。点を取りにいかなければならない場面が今後のリーグ戦でもやってくるだろうが、この際に今日のような隙を与えない守備は大きな武器になることだろう。

準決勝敗退が決まったが、柏を90分で下したのは事実で、マリノスの意地は見せた。天皇杯も水曜にあるけれど、あとはリーグ戦に集中しよう。いよいよ来週は天王山、広島戦だ。出場停止のドゥトラ以外に、ベストメンバーが組めるかがポイントになるだろう。

残された試合を全力で応援して、栄冠を勝ち取るのみだ!

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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