【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

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大宮の御家騒動?に思う、組織のマネージメントと、同じ目標を向くことの大切さ

ベルデニック監督が、大宮の監督の職を退任した。退任なのか、解任なのかはこの場合はよくわからないが、とにかく不思議な事態なのは間違いない。

昨シーズン途中から就任、秋口から2年越しの不敗記録を続けたことは記憶に新しい。マリノスナビスコで唯一苦杯を嘗めたのが大宮であり、今年のJ1において、一番の台風の目が大宮だったことに異論はないと思う。7月13日にマリノスが日産に大宮を迎え撃ったとき、これはたった一ヶ月足らず前のことだけれども、首位大宮に勝ち点差8離されて、完全にマリノスが崖っぷちで迎えたゲームだった。この試合でもズラタン、ノヴァコビッチの反則級のスロヴェニア人2人が不在だった影響をモロに受けて、大宮の攻撃は迫力を失っていたのは事実だ。結局はマリノスに敗れてから、今なお5連敗と泥沼の真っ只中。だけれども、4位。15試合で勝ち点36をとった。(ま、20試合を終えても勝ち点36のままだけども)大宮がJ1で1年間に獲得した勝ち点の最多記録は44なのだから、結果が全てと言われるプロの世界でベルデニック氏が残した成績が解任に値するとは誰も思わないはずだ。

すると、なぜ退任することになったのかの答えはいくつかに限られてくる。

・この好成績がベルデニック氏の手腕ではないものによってもたらされたとする結論

・「結果が全て」のプロ、ではない方が、フロント側に混ざっている可能性

・勝利を第一に目指すと言いながら、同じ方向を監督、コーチ、選手の間に決定的な亀裂が生じてしまい、組織としての機能が失われそう、あるいは失われたてしまった

チームが不振のときほど、その原因を内部に求めたり、責任を押し付け合ったり、そもそも雰囲気が悪くなるから、不協和音が生まれやすいのは事実だと思う。だから、今回の大宮の件には、好成績をあげている(この5連敗が直接的な原因ではないから)からといってチームマネージメントが上手く行くとは限らないという当たり前のことを教わった気がする。

なぜこんなことが起きたのかということを推測しても、どうせ当たらない。だから大宮のことを笑う気もない。恐ろしい世界だなあ、と思うばかりだ。一枚岩で戦うなどというのは口で言う程、簡単じゃあない。連戦連勝だとしても、そこには出場機会の与えられない選手だとか、監督のサッカー観についていけないコーチだとか、親会社やスポンサーの意向と現場の考えが乖離していることに苦しむフロントのお偉方とか、そういう人たちは常にいる。

マリノスにだって出番がなくって文句を言いながら出て行く選手もたくさんいる。今年のメンバーの中にも、すでにオフには出て行こうと決めている選手だっているかもしれない。フロントに対して、あるいは監督・コーチに対する

不満を持っている選手もいるかもしれない。誰かに疑いを向けようとしているのではなく、組織に100%なんてないという前提だ。人間と人間が関わって、使う人と使われる人と、さらに使われない人がいる以上、利害の完全なる一致はないわけだ。人間関係の悩みがない組織なんてあり得ない。要するにそれが、噴出してしまうのかどうか。チームにとって抜き差しならない状況まで悪化してしまうのかどうかだ。

今のマリノスには、中村俊輔中澤佑二がいる。聖人ではないけれど、お手本であり、この人についていきたいとか、この人が言うなら仕方ないという説得力やカリスマ性がある。大宮にだってそうした存在になりうる選手はいたかもしれない。いや、もちろんマリノスでも、万が一にも俊輔や中澤のような中心人物が反旗を翻すような事態になったとしたらその影響は計り知れず、一気に外部に流れ出てしまう事態になるかもしれない。だから監督や強化の責任者(GMや強化部長)、ひいては社長と言うのは大変だ。プライドの塊のような監督や選手に、気持ちよく仕事をさせ、けれども締めるべきところは締める。

ひとつのカギは、その組織のリーダーたる人物が、優勝したい、残留したい、あのチームよりは上に行きたいという目標を本気で信じられるか、背負えるかどうかではないか。そんな覚悟をもった人物なら周りはついてくる。そのためには傭兵や出向では物足りない。

樋口靖洋監督が、大人物でなくても、革新的リーダーでなくてもかまわないから、まず彼自身が本気で、心の底から本気で優勝を目指し、その中で選手の不平不満を感じたら、逆にモチベートしてくれたらいい。ま、だいぶ「大人」のチームだと思ってるからそこまで心配はしてないけど。中村俊輔中澤佑二をうまく使ってほしいと思う。

他にも、大宮の振り見て、我が振り直せというチームは多いのではないだろうか。とにかく大宮に残された者たちには、早く動揺を克服して、残り試合で「むしろ改善された」という意地を見せてほしいものだ。できれば月末のマリノス戦のころはまだ混乱の渦中に居てもらいたいが。

普遍的な法則なんだけれども、基本的には、変わらないでいるものなんてない。組織も同じ。つい、同じ主題歌、同じ織田裕二中井美穂世界陸上を眺めていると、時の流れを忘れてしまいそうだ。だがよく見ると、侍ハードラーの為末大も、100mリレーで私たちを熱狂させた朝原宣治も解説者がいたにつくほどの年月が流れたんだぜ。

来年にはユース選手権を制した汰木や武といったホープ達、大学から長澤も入ってくるかもしれない。間違いなくマリノスにも世代交代の大きな波は近づいて来ている。だからこそ、我々は今年のマリノスを圧倒的に応援して、勝利を分かち合おう。主審の家本や水沼宏太にブーイングしている隙なんて、ないんだ。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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