【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

【後編】キーパーが決まらない!? 似て非なる両チームのキーパー事情

ゴールキーパーという、両手、両腕を含めた己の肉体すべてを使ってゴールマウスを守ることを託された男。守るのはゴールだけじゃない。チームの勝利そのものであり、サッカー選手としてのプライドであり、家庭や生活や守っている。

ミスを許されないレベルは他の10人の比ではない。栗原が照明が目に入ったからと言って緩い守備をしたって、中澤やドゥトラの間を快足FWにぶち抜かれたって、後ろのキーパーが止めてくれるかもしれない。あるいは相手がシュートミスしてくれるかもしれない。だがキーパーのミスは、ほぼ負けを意味する。99回の無難なプレーは忘れられ、一度のミスと非難が記憶に残る因果な商売がゴールキーパーだ。

フィールドプレーヤーには様々なポジションと役割があるが、ゴールキーパーには二つしかない。試合に出る人と、そうでない人。そして経験値や試合勘やメンタルを特に大事とされ、出る人とそうでない人の序列は変わりづらい。出る人の怪我か出場停止か、よほどのミスでもない限り。

マリノスの出る人、榎本哲也、背番号1。30歳。生え抜き。今季は開幕からスタメンに定着、4年ぶりにレギュラーの座を奪還した。5月に相手選手との交錯により脳しんとうを起こして、その次の試合を欠場するも、19試合中の18試合にスタメン出場してきた。名古屋でのアウェー戦では終了間際の玉田のPKを阻止するなど度々ビックセーブを見せてきたが、ここ最近はポカも目立っている。彼が安定感を欠いていることが本稿のきっかけになった。

飯倉大樹、27歳。背番号は21。ここ3年は、彼が出る人だった。運動神経を生かしたセービング能力、DF陣との連携、そしてイケメン。昨年終盤からやや安定感を欠き、榎本が試合に出ることが増えていた。そして今年は、開幕をベンチで迎える。さらには心外膜炎を患い、長く戦線離脱を余儀無くされたがようやくチームに復帰、これから巻き返しを図る。

六反勇治、26歳、背番号は30。九州男児で福岡にてプロのキャリアをスタートさせた。福岡でも通算40試合程度の出場で、経験が多いわけではない。188cmと大柄の体が魅力で、落ち着いたプレーが信条。12年からマリノスに加入し、長く第三GKという位置づけだったが、飯倉が離脱したことから今年はベンチ入りすることがほとんど。株をあげたのは、榎本の負傷退場による途中出場でも落ち着いて手堅くプレーしたこと、それから大雨のナビスコ湘南戦でも完封という結果を出したこと。マンUとのPSMでもビッグセーブを見せた。そして先月には第一子が誕生と、明らかにノッテきてる男だ。

今週のトレーニングが大きな話題を呼んだのは、紅白戦で六反と飯倉が出場したから。確かにこの数試合の榎本は微妙だった。柏戦では終了直前に相手CKのボールに触れず失点、また前節の湘南戦でもバックパスの処理ミスからあわや失点という劇団ひとりを見せてしまった。

でも榎本に救われることは多いのも事実で、いま変えるべきかと言われると個人的にはまだ早いと言いたい。だが本調子の飯倉や、上げ潮の六反なら他のJ1チームでもレギュラーを張れるほどだと思うので、去年飯倉から榎本にチャンスが移ったように、今がそのときかも、とも思える。

ここまで怪我や代表、出場停止以外ではレギュラーが完璧に不動だったマリノスでは、初の入れ替えとなるのかもしれない。今のマリノスではちょっとした事件かもしれない。

チャンスが回ってくるとしたら、飯倉は復帰から間もなくまだ早い。したがって六反。榎本と飯倉のここ数年の争いに割って入った九州男児。この二人以外の、しかも生え抜きでない男の台頭は、マリノスに大きな力になるかもしれない。

大きな体、大きな顔、愛嬌のあるぽっちゃりとしたあごのライン。キャプテン翼中西太一を思わせる(思わせない?)頼り甲斐のある感じ。六反が、脳しんとうの榎本の代わりに唯一先発したのも鳥栖戦で、1-0で勝ったのもゲンがいい。

ゴールと、チームの勝利と、自分の位置を守り抜いてほしい。ということで、どうやら福岡大在学中の鳥栖・藤嶋選手との「福岡対決」となりそうな気配である。

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

↑ランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります。